姉妹ならではの連係プレーが、逆転勝利を呼びこんだ。グロッキー寸前の姉チサコを仕留めようとしたRayに、妹の幸子が喉元へトラースキックを突き刺した。
ふらついたRayのスキをチサコは見逃さず、最後の力を振り絞ってウラカン・ラナ。瞬時に丸めこんで起死回生のピンフォール勝ちだ。
「仙台でタッグとして頑張っていきます!」
仙女の主催大会で初となる十文字タッグのメーン出場を勝利で締め、チサコが超満員750人の観衆へアピールした。
その時、ベガルタ仙台レディースのメンバーがリングに登場。女子プロレス初観戦の千葉監督は「あまりの迫力に終始圧倒されました。競技は違いますが女子プロレスと女子サッカー、女子スポーツを通じて宮城を盛り上げていきたいです」と共闘を宣言した。
仙女とベガルタレディースの“最強タッグ”。来場した井手上、中原、高橋のMF3人は花束やグッズなどを贈った。
サイン入りサッカーボールを受け取った幸子は「女性同士で鼓舞しあって、共に頑張っていきたいです」と宮城と仙台における女子スポーツの認知を願い、レディースの援護射撃を約束した。
水波綾(23)がWAVE移籍のため、この日が仙女ラストマッチ。所属選手はエース里村明衣子(32)、花月(19)と十文字姉妹の4人だけになった。仙台市出身の十文字姉妹は、団体の顔として仙女を引っ張っていく重責を背負った。
4月29日のZepp Sendai大会では、里村・LLPWの神取忍(47)組と対戦。十文字姉妹は立ちはだかる大きな壁を乗り越え、高みを目指して走り続ける。(山口泰弘)
(紙面から)