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最終更新:2012年2月7日(火) 0時11分

大阪市長選で市職員に選挙活動強要か

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 橋下徹氏と現職だった平松邦夫氏が激しい戦いを繰り広げた去年の大阪市長選挙。この選挙で市の職員に平松前市長への協力を強要していたともとれる文書の存在が明らかになりました。文書を作ったのは、いったい誰だったのでしょうか。

 「あの大阪市役所を、もう一度、一から作り直していきましょう」(去年11月)

 橋下徹市長と平松邦夫前市長との間で激しい戦いとなった去年11月の大阪市長選挙。この選挙戦をめぐって、大阪市職員の選挙活動に関するある疑惑が浮上しました。

 「知人・友人紹介カード配布回収リスト」と題されたこの文書。大阪市交通局の職員ら1800人以上の名前が記されています。そして、その欄外には・・・。

 「紹介カードを提出しな$Ey$NHs6(NOE*$JAH9g0w$,$$$?>l9g$O!":#8e!"ITMx1W$K$J$k$3$H$rK\?M$KEA$(!"$=$l$G$b6(NO$7$J$$>l9g$O3FAH9g$N<99T0Q0w$^$GO"Mm$7$F$/$@$5$$!W

 協力しなければ組合が制裁を加えると脅しているかのような文言です。この文書に出てくる「紹介カード」とは、平松前市長の後援会が作ったもので、知人の氏名や連絡先を書いてもらい、支援を呼びかけるというものです。この問題を内部告発した大阪市交通局の現役職員がJNNの取材に応じました。

 「(組合の)代議員をやっている人が捨てたものを回収した。異常な回収率だと思った」(告発した職員)

 リストを見ると、確かに回収率はほぼ100%。非常勤嘱託や休職中の職員からも回収しているようです。しかも、紹介カードは勤務時間中に堂々と配られていたといいます。

 「男性が僕のところに来て、大阪市内に住む家族、知人がいたら紹介してくれと言われた。勤務時間中に」(告発した職員)

 さらに、この資料に書かれているように仕事上の「不利益」をちらつかせ、カードを回収していた場合、地方公務員法に抵触するおそれもあります。

 内部告発を受けた市議が問題視するのは「氏名コード」。労働組合が知り得ない非組合員のコードまで正確に書かれていたといいます。

 「職員の7桁のコードと名前が一致している点。管理しているのが総務の情報システム課。ここしか知り得ることができないもの。全部出ていることが問題、情報漏えいですよね」(大阪維新の会 杉村幸太郎市議)

 杉村市議らは6日午前、市の交通局を訪問、問題のリストについて当局を問いただしました。

 「許されざる文言が入っているものが存在した。当局はどういうふうに(対応する)?」(杉村議員)
 「はっきり(事実関係を)示さないといけない。徹底的に調査に協力したい」(担当職員)

 果たして、この文書は誰がつくったのでしょうか。労組組合幹部は取材に対し、リストへの関与を完全否定しました。

 「びっくりしている。本当だとしたら。信じられない」(大阪交通労組幹部)

 「不利益になる」という文言については・・・。

 「こんなん言ったら人間がついてこない。『執行委員に言うぞ』と言われても・・・」(大阪交通労組幹部)

 大阪市交通局の職場で堂々と行われていた政治活動。選挙活動の強要ともとられかねないため、大阪市は今後、調査に乗り出す方針です。(06日23:15)

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