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■特命調査班 〜マル調〜「携帯の“遺書” 高校生自殺の真相は…」 2012/01/25 放送

 今回の「マル調」は携帯電話に残された遺書。

 これは高校生が携帯電話に残した遺書です。

 「死ぬしかない。でももっと生きたかった」など心の葛藤が綴られています。

 そしてこの30時間後、高校生は首を吊って死亡しました。

 いったい何があったんでしょうか。




 メモが残された携帯電話。

 そこからは、追い詰められた18歳の悲痛な叫びが聞こえてきます。

 「遺書 これを誰かが見る頃にはおそらく僕はもうこの世にはいないでしょう。いろいろ考えて自殺が一番楽と思いました。」(携帯メモ)

 大阪府内の定時制高校に通っていた川岸朋之君。

 去年10月、首をつって命を落としました。

 朋之くんが亡くなったのは、自宅から4キロ程離れた空き地でした。

 <父 隆之さん>
 「花枯れてきてるやん」

 父親の隆之さんです。

 わが子が命を絶った場所に、週3回は訪れています。

 <父 隆之さん>
 「そこに、まっすぐなってた。これが足跡ですわ」

 朋之くんが首を吊ったのは、去年10月26日の午後10時頃とみられています。

 通行人に発見された時には、朋之くんはすでに息を引き取っていました。

 <父 隆之さん>
 「よく来ますわ」
 <マル調>
 「どういう時に来られるんですか?」
 <父 隆之さん>
 「しんどくなったときとかね、思い出したときにね」
 「あんまり来たくないんやけどな、でも寂しいからな」

 朋之くんの部屋は、あの日から2か月たった今もそのままの状態で残されています。

 この部屋に友達を呼んで、よく、好きなテレビゲームをしていました。

 自ら命を絶つ直前まで、いつもと変わった様子はなかったといいます。

 <父 隆之さん>
 「(前日は)様子は別に変わりなかったと思います。その時も仲良さそうに(友達と)しゃべってましたけどね」

 隆之さんは、朋之くんが幼い頃に妻と別居したため男ひとりで育ててきました。

 外で遊ぶのが好きで、やんちゃな性格の優しい息子だったと言います。

 朋之くんは、大のおばあちゃん子でした。

 祖母のキミ子さんは孫が死んだという現実を、今も受け止められないと言います。

 <祖母 キミ子さん>
 「遺体を入れる袋あるでしょ、チャック開けられたときはね。(涙)あの子の顔にしがみついてね、冷たかった」

 朋之くんは、なぜ死を選んだのか。

 それを知る手がかりが、警察から返却された朋之君の携帯電話に残されていました。

 そこには、命を絶つ前の揺れる心境が綴られていました。

 最初の書き込みは、亡くなる前日の10月25日、午後6時でした。

 「生きるのがほんまに疲れました。でももっと生きたかったし。もっとみんなと遊びたかったし。もっと楽しい事したかった。死にたくない。死ぬのは怖い、でも死ぬしかないと思った。」(携帯メモ)

 その後も心の葛藤は続きます。

 「(午後11時37分)もうすぐ自殺する。予定は公園の木にひもくくって首つり。」
 「(午前0時25分)自殺するのが怖くなってきた。」
 「(午前0時38分)まだ遊びたいなあ。」
 「(午前0時53分)自殺の用意はもう出来てる。でもまだ死にたくないなあ。まだいっぱい遊びたいなあ。」(携帯メモ)

 わずかな時間の間にも、心が大きく揺れます。

 そして、翌日の午後6時半。

 決意の言葉がつづられていました。

 「泣けてきた。今日で死ねる。やっと楽になれる。こんなん書いてたらきりがない。そろそろ逝くわ」(携帯メモ)

 <父 隆之さん>
 「何があって、どういうふうになったか、そら知りたいですわね。なんで死ななあかんような原因ができたんかね」

 しかし、この遺書の中に自殺の理由をほのめかす記述があったのです。


 去年10月、自ら命を絶った川岸朋之君。

 携帯電話に直前の心の葛藤を綴っていました。

 その中に理由をほのめかす記述がありました。

 <父 隆之さん>
 「僕もそんなん全然知らんかったからね。うちの子もそんな事全然言えへんかったからね。ほんまびっくりした」

 これは、命を絶つ前日に書き込まれた内容です。

 「16日までに38,000円は無理や。仕事もしてないのに。払えたとしても、なんやかんや話だしてきて取られるのが目に見えてる。」(携帯メモ)

 誰かにお金を求められていたことをうかがわせる内容。

 そこには、朋之君の知人、A少年の名前が記されていました。

 息子の死は、お金を要求されたことが原因ではなかったのか。

 そう疑った父は、警察を何度も訪れました。

 これは隆之さんが、警察とのやりとりを録音したものです。

 <父 隆之さん・録音>
 「捜査はまだ終わってないやろ?もう終わったん?」
 <警察担当>
 「今回の件については、今のところ立証できるあれがないのでね。新たに何か出てくればね。誰か殴ったとか脅したとかね、そういうことがあれば警察がやるべきことやからね」
 <父 隆之さん・録音>
 「死に損みたいなもん?」
 <警察担当・録音>
 「死に損とかじゃない、亡くなってるんやけど、色々理由があって亡くなってる。亡くなったのは金を請求されたのも1つやろうし、他にもあったのも一つやろうし」

 警察は、携帯に残された遺書を基に捜査を開始。

 名前が出ていたA少年からも話を聞きました。

 しかし、証拠が揃わなかったとして、捜査を打ち切りました。


 朋之君とA少年との間に何があったのか。

 取材を進めると、2人の関係を知る少年たちから話を聞くことができました。

 <2人を知る少年>
 「死ぬ1週間前からふさぎこむ事はありました」
 <マル調>
 「(A少年には)どう言われてたの?」
 <2人を知る少年>
 「いついつまでに払えとか」
 <マル調>
 「それは何万円?」
 <2人を知る少年>
 「3万8,000円です」

 少年たちは、朋之くんとA少年との間にお金のトラブルがあったと話しました。

 携帯に残された遺書が真実なら、朋之君はA少年にお金を返せなかったことを苦にして自ら命を絶ったことになります。

 A少年に、直接話を聞くことにしました。

 少年は、録音しないことを条件に次のように答えました。

 「自殺する1か月前に朋之君とは会ったが、恐喝や脅迫などは一切していません。朋之くんが他の友達に借りていたお金を返せよと言っただけです。脅したつもりはありませんでした」(A少年のコメント)

 息子の自殺から2か月半。

 父親の隆之さんは1日2回、遺影の中で微笑む朋之君のために食事を用意しています。

 そして、あの頃と同じように話しかけているといいます。

 <父 隆之さん>
 「今頃なにしてるのかなとか、帰れるもんなら帰ってきて欲しいけどね。それだけですわ。(涙) もうほんまに帰れるもんなら帰ってきてほしいけどね・・・」

 息子は、なぜ自ら命を絶たなければならなかったのか。

 その真相を解明するため隆之さんは、A少年の家族を相手取り、裁判を起こすことを検討しています。




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