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■特命調査班 〜マル調〜「もんじゅ 夜の接待の“意図”…」 2011/10/05 放送

 福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」。

 実際に稼働すれば核燃料をリサイクルする夢の原子炉と呼ばれるものですが、この「もんじゅ」に1日平均どのくらいのお金がかかっているかと言うと…

 5,900万円! 

 1日にです!

 これだけ大きな施設ですから、光熱費や点検費など維持管理に相当莫大なお金がかかっているようですが・・・

 しかし、今回「マル調」が過去にさかのぼって維持管理費の中身を調べると、そこに「会議費」という名目がありました。

 どうもその会議、夜の会議もあったようです。




 福井県敦賀市。

 ここから先は関係者しか入ることが許されていない、「もんじゅ」の敷地だ。

 朝8時すぎ。

 ほぼ満席のバスが、次から次に敷地内に入っていく。

 運転停止中の「もんじゅ」だが、それでも毎日、機構職員や関連会社の従業員、およそ900人が維持管理や点検などで出入りしているという。

 彼らの人件費も含め、今年度「もんじゅ」の管理などに使われるカネは、年間216億円。

 平均すると、1日に5,900万円を使っている計算になる。

 1994年に運転を開始した高速増殖炉「もんじゅ」。

 高速増殖炉は、使用済み核燃料を使って半永久的に発電できる「夢の原子炉」とされてきた。

 しかし、当初の開発計画通りに事は進まず、いまだ実用化には至っていない。

 「もんじゅ」の予算を見ると、毎年200億円程度がつぎ込まれているのがわかる。

 ナトリウム漏れ事故で停止している間でも、年間100億円に上る。

 そのほとんどは維持管理費だ。

 しかし「マル調」がその使途を調べてみると、驚くべき中身が明らかになった。

 福井県越前市に住む山崎隆敏さん。

 地元で40年近く反原発運動を続けている山崎さんは、「もんじゅ」のあきれたカネの使い方を発見したという。

 2000年当時、「もんじゅ」を運営していた特殊法人「核燃料サイクル開発機構」の「会議費」に関する資料だ。

 <山崎隆敏さん>
 「これは、会議開催申込書ってのがついてるから相手がわかる。これもわかるやつやね」

 福井県議会議員 4名
 東京銀座 24万円

 どうやら接待が行われたようだ。

 (Q.機構側が設けた場?)
 <山崎隆敏さん>
 「そうです全部」
 「敦賀市会議員と福井県会議員、それからマスコミ」


 「もんじゅ」を運営する「核燃料サイクル開発機構」の会議費の資料。

 その中身は…

 「もんじゅ」「ふげん」の研究開発推進計画について、福井県議会議員4名、3万円かける8名で24万円、敦賀市議会議員12名、2万5,000円かける17名で42万5,000円、その数、1年間に55件。

 370万円に及ぶ「接待」の記録だ。

 「マル調」が資料に記載されている福井県の店を訪れると…

 そこは高級料亭。

 さらに…

 <マル調>
 「こちらですね。クラブと書いてあります」

 <マル調>
 「こちらってどういうお店なんですか?」
 <従業員>
 「飲み屋ですけど」
 <マル調>
 「会議室があるとか、そういうのではない?」
 <従業員>
 「ないです、ないです」

 接待は2次会のスナックやクラブにまで及んでいた。

 そもそも、「もんじゅ」の予算は国から支出されている。

 すなわち税金で接待が行われていたことになる。

 また、その支出の項目を見てみると…

 <山崎隆敏さん>
 「これですね。高速増殖炉研究開発費、維持管理費と」

 なんと飲食接待が「研究開発費」、「維持管理費」として支出されていたのだ。

 <山崎隆敏さん>
 「県議会議員や市会議員という、公正に原子力行政に関して判断をし、チェックしなくてはならない立場の人が当事者から接待を受けていたという問題」


 では、接待を受けていた側はどう考えるのか。

 「マル調」は、当時のことを知る元県議会議員に話を聞いた。

 <マル調>
 「当時、議長をされていたが?」
 <元福井県議会議員 美濃美雄さん>
 「どうだったか、あんまり覚えてないなあ」
 「付き合い程度でお互いに意見交換するために飲食を共にしたというのは、慣例的には別に問題ないと私は思う」

 接待に問題はなく、「もんじゅ」をめぐる議会判断に影響を与えたことはないという。

 当時、市民団体が行ったアンケートに対し、議会の過半数を占めていた県会自民党は「モラルに反するものではない」と回答している。

 しかし、接待を受けていたのは議会だけではなかった。

 同じ年の会議費資料では、大手マスコミにも度重なる飲食の提供をしていたことがわかる。

 <山崎隆敏さん>
 「これなんかほら、『定例議会対応について』。原子力ルネッサンスどころか原子力ファシズム。マスコミ凋落して住民を懐柔していくという動きが全体的に見えてゾッとさせられる」

 「マル調」が飲食の提供を受けていたマスコミ各社に見解を求めたところ、10月5日までに文書などで複数社が回答。

 それによれば「飲食の提供を受けていた事実はあるが、お返しもしていて問題ない」「報道姿勢に影響はない」などとしている。

 一方、機構は2年後になって、接待について「不適切な手続きがあった」として幹部ら7人を懲戒処分にした。

 ただ、「2次会への支出」など、内規違反が理由で接待自体を問題視したものではない。

 しかも、これで全てが明るみになったわけではない。

 当時あきらかになった55件以外にも、相手先不明のものが300件以上あったというが、真相は闇に葬られたままだ。


 現在、「もんじゅ」を運営する原子力機構は「以後、同様の接待はない」としているが、山崎さんは接待を受ける側の問題意識は依然、希薄だと話す。

 <山崎隆敏さん>
 「接待を受けていたことについて問題であるという意識が欠如しているのは、議員として失格じゃないかと考えている」
 「(今も接待が)形を変えて行われている可能性は十分あると思います」

 東日本大震災で見直しが進む原子力政策。

 <中川正春文部科学大臣>
 「新しい研究開発については、1年休憩」

 高速増殖炉の研究開発費は削減の方針で、野田政権下でも「もんじゅ」の先行きは不透明だ。

 これまで幾度となく、開発中止の声があがりながらも推し進められてきた「もんじゅ」。

 その背景に、議会やメディアへの接待の影響は全くなかったのだろうか。




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