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ハード不振、ネット配信も不透明 苦境にあえぐ任天堂に復活の道は?

フジサンケイ ビジネスアイ 2月7日(火)8時15分配信

ハード不振、ネット配信も不透明 苦境にあえぐ任天堂に復活の道は?
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2012年3月期連結決算の業績見通しなどについて説明する岩田聡社長=1月26日、大阪証券取引所(板東和正撮影)(写真:フジサンケイビジネスアイ)
 ゲーム業界の“雄”任天堂が苦境にあえいでいる。屋台骨となる携帯型や据え置き型ゲーム機の販売不振のため、2012年3月期の連結営業損益が1981年に連結業績を発表してから初めて赤字となる見通し。巻き返し策としてゲームソフトなどのネット配信も検討しているが、その方向性は不透明だ。任天堂復活への道はあるのか。

 ◆「売っても赤字」

 「将来的には、ネット配信を大きな柱にしたい」。12年3月期に巨額の赤字を計上する見通しを発表した翌日の1月27日、任天堂の岩田聡社長は東京で開いたアナリスト向け説明会で、配信事業に意欲を示した。

 同社は昨年12月までに自社の通信基盤「ニンテンドーネットワーク」を整備、一部のソフトのダウンロード販売を始めたが、この基盤を使い新たな収益源としたい考え。

 任天堂の今期業績は、営業損益が450億円の赤字、最終損益も650億円の赤字の見通し。売上高も7900億円から6600億円に下方修正した。ゲーム機の新機種発売によって売上高が大きく動くとはいえ、09年3月期の1兆8386億円からみれば3分の1程度の規模だ。

 昨年2月に発売した携帯型ゲーム機「3DS」の販売不振に加え、据え置き型ゲーム機「Wii」の販売鈍化が主因。特に3次元画面対応の新機種として期待された「3DS」が、人気ソフトの不足で発売当初の人気が失速。テコ入れのため昨年8月には価格を1万円引き下げ、「売っても赤字」(岩田社長)という1万5000円での販売に踏み切った。11月以降は3DS向け人気ソフトを相次いで投入、国内の年末商戦では圧倒的な強さをみせた。だが、その勢いは同社の売り上げの8割を占める欧米市場には及ばなかった。

 3DSは昨年4〜12月で1143万台を販売したが、目標の1600万台を1400万台に下げざるを得なかった。ハードがだめならソフト販売で利益が求められるが、こちらも5000万本から3800万本に大きく下方修正した。

 ◆無料ゲームに劣勢

 任天堂が苦しめられているのは、顧客動向の変化が最大の要因だ。携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)で基本的に無料で楽しめるソーシャルゲームが世界的に流行。専用のゲーム機を買って楽しむ層に影響している。これに加え、ゲーム専用機向けソフトでもインターネットなどを通じて対戦プレーやデータ交換など楽しみ方が増え、「昔よりも一本のソフトで長く遊ぶ傾向が高まっている」(大手ゲームメーカー幹部)。

 ただ、岩田社長は新たなネット配信事業について、「(自社ソフトは)単体で楽しめることが前提。知らずに課金が高額になることのないシステムにする」と、ソーシャルゲームのような追加コンテンツの購入で収益をあげるビジネスモデルは否定的だ。

 このため、「ソーシャルゲームのビジネスモデルに問題があるのは分かるが、(業績)落ち込みをカバーする方法がみえない」(アナリスト)と疑問の声も上がる。岩井証券イワイ・リサーチセンターの有沢正一センター長も「現状では配信事業の方向性や事業展望が明確ではなく、欧米市場向け販売戦略にも抜本的な対策がみられない」と手厳しい。

 年末に発売予定のWiiの後継機「Wii U」にも期待がかかるが、価格競争の面から厚い利益を見込んだ価格設定は難しい。かつてゲーム機で世界を席巻した任天堂の次の一手は何か。業績回復に向けた“解”はまだみえない。(伊豆丸亮)

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最終更新:2月7日(火)8時24分

フジサンケイ ビジネスアイ

 

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