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【社会】

銀座 あふれる自転車 都心マンション急増で…

銀座で急増している路上の放置自転車

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 おしゃれな街の代表格、銀座(東京都中央区)に、似つかわしくない放置自転車が急増している。二〜三キロ離れた臨海部にファミリー向けのマンションが林立し、自転車で気軽に訪れる人が増えているからだ。地元町会や店舗などは「街の美観を損なう」などとして、駐輪禁止を区に働き掛けている。 (小林由比)

 「銀座へは十分くらいなので、自転車がほとんど。幼稚園も近いので、送り迎えのついでに買い物に寄る。勝どきや豊洲のお友達もみんなそうですね」

 松屋銀座店脇の路上に、子ども用座席も取り付けた「ママチャリ」を止め、買い物を済ませた中央区築地の女性(35)は話す。

 同区の勝どき、晴海や、隣接する江東区豊洲などでは十年ほど前から高層マンションが次々と建設され、都心までのアクセスの良さで人気を集める。エリアが平たんなことも、「銀座まで自転車で」という意識に拍車を掛ける。

 さらに、サラリーマンが銀座駅周辺に自転車を止めるケースもある。勝どき駅や豊洲駅など臨海部の地下鉄駅は、周辺人口急増や大企業の本社の転入で、ラッシュ時の混雑が激しい。このため自宅から銀座まで自転車で移動し、そこから電車に乗り換えて通勤する人も増えているようだ。

 こうした事態を、地元の店舗や町会でつくる銀座街づくり会議は「歩行の妨げになったり、景観を損なったりしている」と懸念。銀座通連合会は、中央区が駐輪場を整備した上で、周辺を駐輪禁止区域に指定することを求めている。ただし、区道路課は「場所の確保が難しく、駅周辺に区営駐輪場をつくるのは難しい」。高額の用地費や狭さが、ハードルになっている。

 一方で、銀座三越は一昨年十月の増床リニューアルの際、地下に百九十二台収容の駐輪場を整備した。銀座四丁目交差点の一等地だが、利用料は二時間以内は無料で、それ以降は四時間ごとに百円。週末でも満車になることはなく、平日は半分程度しか埋まっていない。

 「三越のお客さまだけでなく多くの方に利用していただきたい」と同店の広報担当者。区は今後、こうした大規模再開発の際、事業者に駐輪場整備を働き掛けていくという。

 

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