田中直紀防衛相は5日、萬浪(まんなみ)学秘書官を交代させる人事を内定した。国会答弁に苦しむ田中氏をサポートしていたが、就任後3週間あまりのスピード交代だ。田中氏の妻、真紀子元外相も事務秘書官を次々と代えたことで知られるだけに、防衛省内では「真紀子さんの助言では」との見方も出ている。
新しい秘書官には、北沢俊美元防衛相の秘書官だった吉田孝弘防衛政策局企画官が起用される。田中氏は5日に防衛省内で吉田氏と会って内定。6日にも交代人事を発令する。
萬浪氏は昨年9月、一川保夫前防衛相が秘書官として起用。一川氏の在任期間が短く、田中氏の就任後も続投していた。まじめな人柄で知られ、国会では田中氏の後ろで「模範答弁」を耳打ちする姿が連日テレビ中継された。2日の衆院予算委員会で照屋寛徳氏(社民)が田中氏に自衛隊基地のある「硫黄島」の読み方を質問した際、「いおうとう」と書いたメモを渡そうとして照屋氏から「教えるな」と一喝された。