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善意の給湯器届く 米沢の雇用促進住宅に100基

給湯器を使い食器洗いをする避難生活者。水の冷たさを気にすることなく家事ができるようになった=12日、米沢市万世町

 福島第1原発事故の避難者が入居する山形県内の雇用促進住宅に給湯器が設置されていない問題で、雇用促進住宅への避難者が最も多い山形県米沢市内で12日、給湯器が取り付けられた。物資支援の通販サイトを通した全国からの善意で、100基の給湯器が米沢に届けられ、多くの避難者が厳冬期のつらい台所仕事から解放された。
 約80世帯が避難する雇用促進住宅万世宿舎のうち、給湯器設置を希望していた13世帯で設置作業が行われた。冷たい水で家事をしたり、お湯を沸かして使ったりしてきた入居者は、温水に表情を明るくした。
 上野舞さん(38)=南相馬市小高区=は「『この寒さで水は冷たすぎて、とてもじゃないけどねえ…』と入居者同士で話していた。お湯を自由に使える環境を整えていただき、とてもありがたい」と喜んだ。
 給湯器がなくて困っている米沢の避難生活者の声を受け、支援物資を購入して被災者に届けるオンラインショップ「復興市場」で、昨年12月からことし初めにかけて支援の動きが活発化し、100基分が確保できた。
 給湯器の米沢への搬送は、同市に活動拠点を置く「ボランティア山形」の関係者が担当。国と山形県が取り付け費用を負担した。
 万世宿舎自治会長の武田徹さん(71)=福島市=宅も、給湯器が使えるようになった。「全国の皆さんが寄せてくれた温かな支援のお金で、給湯器を買っていただいた。感謝しています」と話していた。
 山形県内の雇用促進住宅で暮らす避難者宅への給湯器設置は、国も進める方針を決めている。


2012年01月13日金曜日

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