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予算横奪を狙う官僚と石原慎太郎 - 「4年以内70%」の脅迫宣伝
首都直下地震が4年以内に70%の確率で発生するというニュースについて、妙に胡散臭く思っていたが、2/3のテレビ報道を見てその直感が確信に変わった。これは霞ヶ関と東大と石原慎太郎が仕組んだ陰謀であり、防災予算の横取りを狙った狡猾で周到な政治だ。2/3に東京で2万人が参加した大規模な防災訓練が行われ、夜の各局の番組で大きく取り上げられた。首都直下地震によって多数の帰宅困難者が発生したという想定の下、東京、新宿、池袋の3駅周辺で、JRと私鉄、百貨店と民間企業が動員されている。在日米海軍の駆逐艦までが出動し、帰宅困難者役を演じた都職員を木材埠頭から横須賀基地に運ぶ場面もあった。都官僚の週末の優雅な東京湾クルーズ。その映像をNHK-NW9が念入りに放送、艦長の挨拶まで流し、大越健介が日米同盟の意義と恩恵をとくとくと説教する一幕まであった。この防災訓練は東京都と首都圏の各県が主催した取り組みだが、きわめて大掛かりで関係先が多岐にわたっており、長い時間と費用をかけて準備が進められた行政の事業であることが分かる。マスコミも大量に召集し、各所に配置して絵を撮らせている。NHKは池袋と米軍(江東)、テレ朝は新宿が担当だった。つまり、2/3の防災訓練があり、情報アピールの相乗効果を出すため、1/23の読売の記事から始まる「4年以内に70%」の怒濤の宣伝工作が仕掛けられたのだ。政治扇動である。


事前に計画された作戦が着々と遂行されている。1/23に読売がこの情報を出した後、マスコミが次々とそれに追随、特集して増幅し、先週1週間の関心の中心となり、世間をパニックの状態にした。「4年以内に70%の確率」の言説と観念は、人々の意識を漬け込み、ほとんど既成事実となって一人歩きを始めている。1/25のTBSのブロードキャスター、1/30のNHK-NW9。2/1の週刊文春と週刊新潮各局のワイドショー。だが、発信元である東大地震研のサイトを見ると、この情報の影響を打ち消すような奇妙な但し書きがあり、「(報道に)正確でない表現や記述不足がありました」と訂正が付されている。特に注目するべきなのは、この「4年以内に70%の確率」の試算が、昨年9月に発表された既出のもので、1/23に新しく発表された情報ではないという点だ。つまり、読売と平田直が、恰も重大な新事実の提示のように演出しているのであり、読売が世間を驚かせるネタとして使い、他マスコミがそれに便乗している図が歴然なのである。早速、2/1に京大防災研が反論のコメントを発表、それによると、今年1月時点の試算では「5年以内に28%」の確率に下がった。東大地震研の「4年以内に70%」は、昨年3月-9月の余震が活発だった時期のデータで計算したため、かかる異常な数字が出たのだと説明している。すなわち、今後も時間の幅を広げて同じ試算を続ければ、余震が減るほどにこの確率は小さくなるのだ。

「4年以内に70%」の情報発信は、科学的な意味のものではなく、故意に政治的な戦略で宣伝しているもので、大衆の不安心理を煽り、世論を掻き立て、一つの政策方向に誘導するのが狙いである。その政治の獲物は何なのか。間髪を置かず、読売が2/2に記事を出していて分かりやすい。そこには、「東京23区のうち11区で避難所の収容量が大幅に足りないことがわかった」、「試算では約130万人分以上の新たに避難先の確保が必要になる」とある。急に「わかった」というのは嘘で、このタイミングで世間に告知すべく、予め石原慎太郎と練っていたのであり、1/23の記事を衝撃的に打ち上げ、他マスコミに騒がせ、効果が上がる状況を作った後、追い打ちでこの記事を出したのだ。都(石原慎太郎)と読売は結託している。帰宅困難者の推計は約448万人。直下型地震に備えて避難所を整備し、物資を確保しようとすると膨大な行政の費用がかかる。石原慎太郎はこの予算を国からもぎ取ろうと企んでいるのであり、対策予算で発生する防災利権に虎視眈々としているのだ。昨年、東日本大震災の復興対策として、5年間で19兆円の予算投入が決定され、所得税7.5兆円を含む10.5兆円の増税で財源が賄われる措置となった。おそらく石原慎太郎と霞ヶ関は、ここで策定された復興財源のスキームを利用し、所得税を増率するか期間を延ばす細工を弄し、東北の震災復興予算の拡充に首都直下地震の対策を割り込ませる気なのだ。

内閣府が昨年3/23の時点で試算した震災によるインフラ被害額は、16兆-25兆円という規模だった。道路や港湾や学校や病院などハードの復旧だけでこの金額が算出されていたのである。復興予算19兆円のうち、3次補正の9.2兆円の内訳を見ても、ハードの復旧に充当されると思しきものは、「公共事業等の追加」1兆4734億円のみである。1次補正(4兆円)、2次補正(2兆円)、12年度予算(3.5兆円)の内訳から相当分を探して積み上げても、圧倒的に対策費が少ない。港湾や鉄道の復旧分、高台の造成分に満たない。ハードだけでなく、「災害関連融資経費」も足りないし、「原子力災害復興経費」も足りない。19兆円は12年度当初予算分の3.5兆円で編成が終わる。事業は5年間とされたが、予算は13年度以降の計上はない。ブレイクダウンすると、被災地の個々の地域や産業に向けられる配分はきわめて小さくなる。早晩、追加で新たな予算を組むという方向になるだろう。二重ローンの問題や除染や廃炉の問題がある。3.11の一周年報道の折に、国の対策がtoo little too late too crueである現状が叩かれ、世論の非難を浴びるに違いない。マスコミの政府批判を追い風にして、3月の当初予算の成立後に再び補正の話を打ち上げ、ペイアズユーゴーで国民負担という政治に持ち込むのではないか。このとき、首都直下地震の防災事業に大盤振舞いする魂胆なのだ。東北の復興そっちのけで、東京に予算をぶちこむ気だろう。

「4年以内に70%」の報道を聞いたとき、すぐに思い浮かんだのは、財政が逼迫する中の防災予算の奪い合いという問題であり、東海・東南海・南海大地震への対策に手当てされようとしている政府予算に対して、石原慎太郎が強引に割り込みをかけてきたのではないかという予感と懸念だった。東海・東南海・南海の3連動地震の震源域が従来の2倍に拡大し、高知県がすっぽり覆われた地図が示されたのは、NHKのニュース(小郷知子)でのことだ。昨年末(12/27)、内閣府の有識者会議「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が中間報告を出し、新しい想定震源域を示していた。こうして政府内で報告が出て、NHKが放送で取り上げると、お約束事として予算がつく段取りになる。官僚はNHKの報道を使って政策と予算の地均しをする。3連動地震のうち、警告されてきた東海は従来から予算が下り、対策が施されてきたが、南海方面は全く手つかずで、何も緒についておらず、中央の関心も低いまま放置されてきた。堤防の計画も避難する高台の概念も何もない。調査すら行われておらず、国が事業する前提(書類)がない。このまま大津波の直撃を受ければ、ジョン万次郎が船出した宇佐、龍馬がパークスと湾内で会談した須崎、純平と八千代の久礼、弥太郎の安芸は全滅だ。浦戸湾から高波が侵入する高知市も壊滅。県人口の半分が死ぬ。おそらく、そうした問題が背景にあり、有識者会議の報告結果に繋がったのだろう。紀伊半島の尾鷲、新宮、串本、田辺も。

1/23の読売記事から始まる「首都直下地震」の報道と騒動は、この3連動地震の対策計画を妨害する意図のものだと私は推測する。予算を東京にふんだくる腹で、霞ヶ関と東大の官僚が、宝の山を見つけて予算略奪の政治プロジェクトを仕掛けているのだ。気になる政府資料があった。12/7に内閣府が出した「全国防災対策費についての考え方」という短い文書だ。次のような趣旨のことを書いている。①19兆円の東北震災復興予算のうち、1兆円は(東北3県以外の)全国の防災対策費に使う。②財源は東北復興を目的に増税で得たものであるため、緊急性と即効性の点を配慮して使わなくてはいけない。③近いうちに発生が懸念されるのは、(a)東海・東南海・南海3連動地震、(b)首都直下地震、(c)日本海溝・千島海溝地震の三つである。以上。つまり、1兆円はこの三つの地震対策で配分される。早い話が奪い合いだ。この中の(c)については、先週、NHKのニュースが取り上げ、独立行政法人「海洋研究開発機構」の官僚が説を垂れる場面があった。日本海溝の東側で地震が起き、震度は小さいが津波は大きいという恐い話。霞ヶ関の官僚や東大の連中にすれば、我が身が最も大事であり、自分が住んでいる東京を最重点対象にしたいだろう。この文書の末尾に、「『首都直下地震に係る首都中枢機能維持確保検討会』における議論を踏まえ、随時反映」という意味深な一節がある。つまり、三つの地震のうち首都直下地震だけは特別で、首都中枢機能の確保が優先だと書いている。

実に政府資料というものは重要で、注意して見つけて読むべきで、今後の政治をよく見通せる情報が満載だ。そこで、次に「首都直下地震に係る首都中枢機能維持確保検討会」の名の会議の情報を探した。ネットの中に第1回から第4回までの議事概要があり、委員会のメンバーの情報がある。これを見ながら、漠然と思ったのは、この首都直下地震に対応する首都中枢機能維持の計画や対策というのは、どうやら単に地震だけを想定したものではないということだ。防災事業というよりも、多分に安全保障と危機管理の方面の政策意識であり、国民の生命と生活を守るための行政ではなく、国家(=官僚機構)を守るプログラムを熱心に考えている。官僚のための東京防衛作戦の検討と立案だ。これは何だろうかと疑いを深めると、一つの恐ろしいシナリオが浮かんでくる。戦争準備なのではないか。戦争が始まり、核ミサイル攻撃を受けた場合に備えて、官僚機構を、すなわち霞ヶ関、市ヶ谷、本郷(大学)、渋谷(NHK)、大手町(経団連)等々を守るため、その措置を講じようとしているのではないか。核シェルターの地下要塞を整備し、官僚機構のライフラインを万全にし、通信ネットワークを保全する戦時環境を構築するのではないか。1/23から始まったキャンペーンは、官僚が自分と家族の安全を守る動機で、防災予算を東京に集中投下するために行っているもので、その隠れた目的の一つに戦争準備があると思われる。

今後、徐々にその計画の姿が明らかになるだろう。


by thessalonike5 | 2012-02-06 23:30 | Trackback | Comments(0)
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