選手を集めて指示を出すストイコビッチ監督(中央)、左は今季も主将に指名された楢崎=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(46)が5日、今季の全タイトル制覇を宣言した。J加盟40クラブで最も遅く、この日からチームが始動。選手たちの動きを満足げに見守った指揮官は「戦う以上、責任がある。結果を出していく」と力強く話し、Jリーグ、ACL、ナビスコ杯、天皇杯、そしてクラブW杯も含めた5大会制覇を目標に掲げた。
新シーズンがスタートする日、ピクシー監督の言葉に迷いはなかった。「最も優先度が高いのはもちろんJリーグだ。ただ、ACLも他のカップ戦も、戦う以上我々には責任がある。その責任を果たすために、しっかりとした結果を出していく」。今季、出場する可能性のある大会は5つ。その全て制覇に挑むことを、堂々宣言した。
20年目を迎えるJの歴史のなかで、同一シーズンでの最多タイトルは00年鹿島の3冠。ただ、リーグとACLの両制覇を達成したチームは過去にない。ここに主眼を置きつつ、ナビスコ杯、天皇杯を加えた4冠達成は前人未到の偉業。もちろん、出るとなればクラブW杯での世界一も狙う。
自信の根拠は、昨年をさらに上回る分厚い選手層だ。「昨年はケガ人もいたが、今年はしっかり戦える人間がそろった」。残留が確実となったDF闘莉王をはじめ、ダニエル、石櫃と効果的な補強に成功。昨年は故障者が続出し若手を使わざるをえない試合も多かったが、今年は過密日程を乗り切る陣容が整った。J40クラブで最も遅い始動となったが、しっかりとした休養を与えたのは心身ともに長いシーズンを走りきるためだ。
練習前のミーティングでは、選手、スタッフ全員を集めて猛ゲキ。「我々の目標はナンバーワンになること、チャンピオンになることだ。去年は悔しい思いをしたが、今年は新しい再生の年になる。強く信じてやっていけば、必ず目標は達成できる」とタイトル獲得を強く意識させた。最高の環境と人材をそろえられ、指揮官としても真価を問われる5年目。野望に燃えるピクシー監督が、あらゆる試合で勝利を積み重ねる。 (宮崎厚志)
◆「死ぬまで楢崎が主将だ」
GK楢崎は12年連続となるキャプテンに任命された。ストイコビッチ監督は「私の一存で決めた。彼には死ぬまで主将をやってもらう。みんな彼をリスペクトしているし、変える理由はない」と絶対の信頼を寄せる。当の楢崎は「何も聞いてなかったんですが、監督が言っているようで…」と苦笑。「昨年はタイトルを逃した。今年はものにしたい。これからが楽しみ」とチームを頂点に導く決意だ。
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