反原発で知られる作家の広瀬隆さん(69)が5日、「原発事故の真相と今後の対策」と題し、郡山市のビッグアイで講演した。
同市の市民団体「わいわい市民政治@ふくしま」主催。広瀬さんは震災前から、著書「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」などで原発の危険性を訴え続け、市民活動も活発に取り組んでいる。
広瀬さんは講演で、「政府の原発事故収束宣言はとんでもない」と指摘。現在もがん患者を生み出している86年のチェルノブイリ原発事故と同じような現象が日本でも起きる可能性が高いと話し、「被害を受けないように意識して暮らしていくことが大切だ」と呼びかけた。
講演に参加した同市の会社員、金田隆裕さん(52)は「震災直後はマスクをするなど放射線対策をしていたが、最近はしなくなっている。しかし講演を聴いて、改めて原発事故の怖さを感じた」と話した。【三村泰揮】
毎日新聞 2012年2月6日 地方版