ボクシングの”場外乱闘”は、今日が剣が峰になるのか
- 2011/06/23(木) 03:57:13
JBCの争いで今日、反安河内派と安河内派の双方が剣が峰に立つようだ。
日本プロボクシング協会が23日、緊急理事会を開くという。
最大の議題は、当然、JBCの混乱に対して業界としてどう対応すべきかという話だ。
業界は、ようやく、これ以上JBCの混乱が長引き、このブログで再三指摘してきたように、レフェリーらが本当に興行への協力をボイコットなどをした場合、7月に集中する興行が立ち行かなくなるという危機感を強めている。
このため、業界の一部は、万が一、JBCが自ら混乱を収拾できない場合には、試合の進行に不可欠なレフェリーらを、JBCではなく暫定的に協会が管掌するという形をとって、興行ができるように準備すべきとの意見も強まっているという。
いわばJBCの機能を協会で代行してしまおうという強行案だ。
ただ、この案に実現性があるかといえば、それには越えるべきハードルがあるようだ。
一方、今回の緊急理事会で最大の話題は、そこに帝拳ジムの本田明彦会長も出席するらしいということだ。
かねてから業界の誰もが、ボクシング界の実質的な“最高権力者”とみなしている本田会長だが、ここ数年、業界でどんな大騒ぎが起こっても、直接、自分が表に出て対応することはなかった。
それだけに、あえて希望的な見方をすれば、もし本当に本田会長まで出席するとなると、この争いが、ようやく業界の命運を左右しかねない問題だと、業界内では広く認識されつつあるということなのかもしれない。
これに先立ち、18日に行われたJBC東京試合役員会の緊急役員会では、役員会として、森田健氏を事務局長に押すことで意思統一が図られたようだが、反対に、森田氏から役員らにアンケートが配られたという。
そのアンケートの主旨は、もし森田氏が事務局長を引き受けても、安河内氏が、なんらかの形でJBC内に残った場合にどうするのか、というものだったという。
そして、役員の対応の選択肢として、?ライセンスを放棄してJBCを去る ?そのまま働く ?日本プロボクシング協会が作る暫定組織に移る、という主旨の3点があげられ、そのほか自由な意見が求められたという。
その結果は不明なのだが、どうやら役員の多くが、?や、それに準ずる回答をしたとみられ、それを受けた森田氏は、自分が事務局長を正式に引き受ける条件として、JBCの林有厚コミッショナーに対して、「安河内氏と斎藤慎一専務理事がJBCに残らないこと」という話を突きつけている。
つまり、森田氏は、たとえ自分が事務局長を引き受けたとしても、そこに安河内氏らが残っていたら、「まともな運営など出来ない」と確信したとみられるのだ。
一方、東日本ボクシング協会の協会員の内には、この問題に対して、いまだにJBCの一部の急進派や反乱分子が引き起こした“内紛”だと考え、それで業界が迷惑を受けるのは「納得いかない」という考え方をする協会員もいる。
それゆえ、「自分たちで役員で話の分かるメンバーを囲い込んでしまえば、なんとか支障なく興行ができるのではないか、という発想になる」と語る関係者がいる。
ところが、反安河内派のメンバーらは、そうした考えは持っていないようだ。
というのも、反安河内派のなかには、業界の中枢である東日本ボクシング協会や日本プロボクシング協会の大橋秀行会長に対して、根強い不信感があるからだ。
大橋会長は先週13日の理事会後、林有厚コミッショナーと面談し、記者会見を開いた。
その際、JBCに対して、「協会が納得のいく人事を要請した」とは話したものの、このブログで書いたように、理事会の席では、「もう安河内氏と斎藤氏を外すしかない」という意見が主流であったことは明らかにしなかった。
大橋会長に関しては、これまでも安河内氏と親密で、今回の混乱に対しても、その対応の「腰が重い」と指摘する協会関係者がいたが、反安河内派の中には、それ以上に「大橋会長は、やっぱり親安河内派なのだろう」と見ている人が多いのだ。
それゆえ、反安河内派のメンバーには、もし日本プロボクシング協会が暫定的にJBCの機能を代行しようとしても、「大橋会長が主導するのであれば協力できない」という意見が強いのだ。
そうしたなかで、22日の夜、役員会の有志が横浜まで出向き、大橋会長と話し合いの場を持ったという情報がある。
対談の詳細は、まだ不明だが、その話し合いのなかで、大橋会長が「僕は安河内派というわけではないから」と話したということが筆者の耳に届いた。
もし、その発言が本当で、大橋会長の真意だとすれば、今日の緊急理事会の方向性も見えてくるのかもしれない。
また、日ごろは表に出てこない本田会長が出席するという意味について、「今回の問題処理は、大橋には任せておけないという考えがあるのかもしれない」と語る業界関係者もいる。
いずれにせよ、今日の緊急理事会には、安河内氏らに厳しい西日本の理事らも出席するため、基本的に安河内派には、厳しい方向で話が進む可能性が高そうなのだ。
だが、もし、今回の緊急理事会を経ても、安河内氏をJBCに残すという話になった場合、今回の混乱は、さらに拡大する可能性がある。
それは協会内にも、これまでの大橋会長ら運営に反発する勢力がいるからで、あるジムの会長は、もし業界が安河内擁護の方向で動くというのであれば、業界内で「大橋会長の信任を問うことが必要になるかもしれない」と話している。
もしそうなれば、この争いは、完全にJBCという枠を破り、業界全体を二分する争いに発展する可能性もある。
つまり、戦いは規模を拡大して第二幕に突入するかもしれないのだ。
一方、森田氏が林コミッショナーに“安河内氏らの排除”を事務局長就任の条件としたのは、安河内氏の人事に関して、今でもそれは「林コミッショナーの裁量で決められるべき話である」という”筋論”があるからだ。
また、業界内でも、大橋会長が前回の理事会後、安河内氏らについて名指しで話をしなかったのは、「今の協会にJBCの人事に口を挟む権限はない」という”建前”があったからという関係者もいる。
いずれにせよ、今回の問題については、JBCの特別調査委員会が、安河内氏の様々な問題について最終報告をまとめ、それを受けた林コミッショナーが、一度は、なんらかの裁定を出さないと話が進まないという側面もある。
JBCは今のところ、28日までに調査委員会の報告を受け、同日の理事会で安河内氏の処遇について正式な対応を決めるという方向で動いている。
それゆえ、今日の協会の緊急理事会では、その前に、業界が旗色を鮮明にするのか、しないのかという話が、大きな注目点になるのだ。
もし、協会が建前を超え、安河内氏排除の方向性を打ち出すのであれば、反安河内派はいわば官軍になるといえるだろう。
もし、協会が安河内擁護の動きを強めたり、執行部が、そうした方向性に業界を導こうとすれば、反安河内派は、ある意味、公式に反乱テロ分子だと認定されたことになる。
ところが、その反乱分子に共感する業界関係者も少なくないため、問題は業界全体を巻き込んでの大規模な内戦に発展する可能性出てくるというわけだ。
ところで、筆者の耳には、今日、どこかの有力メディアが、この問題を大きく報じるのではないか、という話も飛び込んできている。
今回の問題は、これまで一部のメディアだけが詳細を報じ、一般紙やスポーツ紙の扱いは表面的な動きだけだった。
また、残念ながら、今回の動きに筆者は関与しておらず、その力不足も否定はしないのだが、これまで雑誌などは、小さな村の内紛に、ほとんど興味を示してこなかった。
そのことが争いを膠着させる要素になっていたと筆者は思う。
なので、本当に、どこかの有力メディアがこの争いを詳報し、それを機に他のメディアも動きを活発化することにでもなれば、戦いの趨勢も変わってくる可能性が高い。
一方、安河内派も、座して結果を待っているわけではなく、そちらはそちらでメディア戦略を進めているようだ。
その結果、反安河内派のメンバーに“犠牲者”が出る可能性も出てきたという話がある。
実は、某新聞の記者が、反安河内派とみられている役員の一人を追っているという。
その記者が問題視しているのは、その役員が本職で副業を禁じられているのに、長年、ボクシングをサポートすることでアルバイト的な収入を得てきたことだという。
とはいえ、このブログで何度も指摘してきたように、反安河内派が多数を占める役員会に参加するレフェリーやタイムキーパー、リングアナらは、ほぼ全員が、それを本職としているわけではなく、わずかな報酬だけでボランティア的に業界を縁の下で支えてきた人々だ。
もし、そうした役員らの本職で、完全に「副業の禁止」という話を厳密に適用した場合、実は役員などできる人材は激減してしまうのではないのか。
そして、いままでそうした話は“公然の秘密”であり、業界は役員らに感謝すべき立場にあったはずだが、いまさら誰が何の目的で、メディアに、そうした問題を話したのか。
渦中の役員は、反安河内派で重要な立場にあるというのだが、その自宅にまで取材の電話があったという。
誰がメディアにメンバーの自宅まで教えたのか。
そのメンバーは職場にも取材をされ、その結果、なんらかのペナルティーを受ける可能性があり、すでに役員を辞する覚悟まで固めたともいう・・・。
ということで、安河内派も生き残りをかけて、なりふり構わぬ戦いを続けているのは間違いない。
そして今日、様々な問題が一挙に動く可能性が高い。
話は突如、変わるが、もしかしてこんなブログでも、中には楽しみにしてくれた奇特な方がいるようだ。
それで筆者が最近、ここで記事を書いていなかったのは、決して情報がなかったからではない。実は、本職が忙しくて書いているヒマがなかったところが大きい。
でっ、もしかして楽しみにしてくれていたかもしれない読者に、おわびのお土産を・・・。
実は筆者は、こんなブツを持っている。
この二人が誰なのかは、いまさら書かない(~~)。
ただ、これは例の"怪文書"とともに業界にばら撒かれたもので、業界内では有名な写真だ。
そして筆者が、実は、このほかにも”ブツ”を持っているという噂がある(笑)。
これまで、どこの媒体も、筆者の話に興味を示してくれなかったのだが、もし今後、そうした”ブツブツ”が必要だと思う奇特な方がいたら、声をかけていただけるとうれしいかもしれない(爆)。
追伸
今、早朝5時ですが、週刊新潮を見ました。凄いです。安河内氏の言い訳が笑えますが、これは一撃KOともなりかねないダメージでしょう。
私的には、やらっれちゃたぁ、という感じですが、興味がある方は、ぜひご一読を。(涙)
それと、毎日新聞・・・反安河内派のメンバーも、やはりカウンターを食らってしまったようです。
別に業界を私物化したり、路上で不倫チューをしたわけでもないのに・・・。(涙
ということで、今日は業界にとって、もの凄く長い一日になるのは間違いありません。
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無題
お邪魔します。
自分もこちらの更新を楽しみにしている奇特な人間の一人です。
レフリーは、小遣い稼ぎの副業としてやるような生半可な仕事ではなく、かといってそれだけで生計を立てられる仕事でもないにもかかわらず、ボクシングを愛するひとのボランティアのような協力で成り立っていると、昔何かの記事で読みました。
公務員ゆえに仕方ない部分はあるのでしょうが、レフリーに限らず、こういったことで長年業界に尽くしてきた方が、このような形でボクシングを追われるのは悲しいように思います。
自分にはどっちがどうなのかは分からないのですが、それでも、これらを見合わせるとそういう気持ちになるくらい、破廉恥な記事ですね(笑)
続報お待ちしております。
ありがとうございます
コメントありがとうございます。
ただ、本当に楽しみにいている方がいると、気まぐれにしずらいプレッシャーがかかるんですよぉ。(笑)
ということで、今後もできる範囲のことだけしますので、過度な期待はなさらないように。(^^);