宮城県石巻市の仮設住宅で暮らす被災者約500人の9%に、血行不良でできる血の塊「血栓」が見つかったことがわかった。新潟県や横浜市で一般を対象にした検査と比べ4〜5倍の高さ。活動性が落ちたことが原因とみられる。冬は、血管が収縮して血栓ができやすいため、専門家は注意を呼びかけている。
調査は石巻市や石巻赤十字病院、東北福祉大などが2011年8月〜12年1月、100戸以上の仮設住宅21カ所で実施。中高齢者や一人暮らしの人に足の超音波検査や問診、理学療法士らが運動指導をした。
参加した498人のふくらはぎの静脈を調べたところ、約9%にあたる43人に血栓がみつかった。調査地点別では、ゼロから約20%のばらつきが出た。約10カ所は10%を超した。
石巻赤十字病院の植田信策・健診部長(呼吸器外科)は「浸水した避難所で過ごした人が多いと、血栓ができる割合が高くなる可能性もあり、今後分析したい。仮設住宅ごとに活動を高めていく必要がある」と話す。