数年前まではこの免除の制度はさらに「お買い得」で、法学・財政学の修士号で3科目、会計学の修士号で2科目の科目免除が得られた。すなわち、2つの修士号で全免除の最終合格になっていたのである。「ダブルマスター」という業界用語まで生まれたこのシステムは、社会人の大学院入試ブーム初期を強力に牽引した原動力だった。現在、この方向での免除のバーは博士号に引き上げられており、現実味はゼロに近いので、免除批判の火はやや衰えたように見える。
しかし一方、修士による免除システムは、お得感は薄れたものの残ったのである。いまだに魅力的な、そのシステムは検討に値する。というのも、社会人大学院の制度のほうが進化し、免除システムの退化を補っているような格好になっているのである。すなわち、夜間大学院や昼夜開講性、通信制の大学院を駆使して、働きながら部分的免除を活用する方法が出来たのである。
社会人受験生は
試験免除制度を徹底活用すべし
大学院で、税法に関する修士論文を書いて修了(修士号取得)すれば、税法3科目中2科目が免除になる。これは現在、もっともお得感のある免除セオリーである。このコースの有名校は通信制を採る「東亜大学」大学院である。宣伝するわけではないが、今年は2月8日まで出願受付中で、試験は小論文のみ。山口県の大学だが東京試験会場も設置される、知る人ぞ知る存在である。
会計科目(簿記・財務諸表論)は、会計学に関する修士論文を書いて修了(修士号取得)すれば、2科目中1科目が免除になる。こちらはお得感が薄いようだが、不得意科目がこちらの科目ならば、試験に賭けるよりも確実な免除を得られる。
注意ポイントは、いわゆるロースクール(法科大学院)や会計大学院では、「修士論文を書く」制度がないために、この制度に乗っかれないことだ。一方、大学院が「法学研究科」や「会計学研究科」でなくとも、論文の中身によって免除が認められるということも注意したい。意外なところに、「免除が可能なルート」が誕生してしまうことがあるのだ。筆者が見る限りでは、現在、放送大学大学院にも、免除が可能な方法がとれそうである。おそらく大学も、当の教授も気がついていないだろうが。そんな例はいくらでもある。
少々乱暴に走ったかもしれないが、受験予備校在籍の若年受験生と伍すに当たって、すれからしの社会人受験生が税理士資格を目指す場合には「易きを採る」ことを切にお薦めする。
批判があるのは述べた通りだが、資格取得というのはもともと既得権利者への挑戦の意味を含むものなのだ。テイク・イージィ、テイク・ベター。