裁判員裁判:異例の2カ月 ラトビア国籍被告の覚醒剤密輸

2011年12月10日 15時2分 更新:12月10日 15時35分

 覚醒剤を密輸したとして覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などに問われた男の公判前整理手続きで、東京地裁(藤井敏明裁判長)は、裁判員裁判の公判を来年2月1日~3月26日に計23回開くことを決めた。覚醒剤密輸事件の裁判員裁判で、公判の期間が2カ月に及ぶのは極めて異例。男が起訴内容を全面的に争っていることに加え、通訳を介した審理が行われるためだ。裁判員は難しい判断を迫られるとともに、長期審理の負担を強いられる。

 男はラトビア国籍の無職、ザニス・クレペキス被告(32)。起訴状などによると、昨年10月に氏名不詳者と共謀、覚醒剤約10キロを内部に隠した石像を南アフリカから航空貨物で横浜市内の被告あてに発送し、成田空港に密輸したとされる。

 弁護側は共謀や荷物受け取りの意思、覚醒剤が隠されていたかどうかの認識の有無という争点に加え、取り調べ時の通訳の正確性や供述調書の任意性などについても争う方針。そのため、取り調べをした警察官や検事、通訳など最大20人の証人尋問が行われる見通しという。ある検察幹部は「これでは(証拠や争点を絞る)公判前整理手続きの意味がない。裁判員の負担も大きすぎる」と話す。裁判員裁判では、大阪市のパチンコ店放火殺人事件の被告の審理期間が60日間に及んだ例などがある。【和田武士】

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