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 客室に出向いた女将(おかみ)が三つ指ついてあいさつする。20年ほど前、指宿のホテルで初めてそんな接客を受けた時は「上客でもないのに」と恐縮した。

 このあいさつ回りを始めたのは、石川県和倉温泉の旅館の女将といわれる。戦後すぐ、宴席でまめに酌をして回る当時の県知事を見習った。ただ、長年続けたせいでひざは硬くなり、正座が困難になったという。

 もともと感謝の気持ちを表したいという思いからだが、客の満足度を肌で感じることにもつながった。この旅館は「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(旅行新聞新社)で32年間も総合1位を続けている。

 現在の女将、小田真弓さんの話を聞く機会があった。出迎えの瞬間から従業員は客の様子を観察し、体格に合った浴衣を持ってきたり、訪れた目的が誕生祝いならケーキを届けたりする。先代から引き継いだもてなしの心は健在だ。

 のれんと信用を守り続ける苦労は並大抵ではない。「日本一高い山は富士山と知っているが、2番目はだれも知らない。商売を続ける以上は日本一を目指さなくては」という決意の言葉からは、重圧も感じられた。

 直近の100選では、鹿児島県からも総合8、9、52位に入っている。小田さんは鹿児島の同業者と交流があり、観光資源を生かした取り組みを知っていた。もてなしの心を磨いて、県観光を日本一の座に押し上げたい。


 
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