全国で生食用の牛肉を販売していた業者のうち、食中毒のリスクの周知などを義務づけた新たな表示基準を守っていない業者が、およそ93%に上ることが消費者庁の調査で分かりました。
富山県などの焼き肉チェーン店で生肉のユッケを食べた4人が死亡した集団食中毒事件を受けて、去年10月に生食用の牛肉を販売する飲食店や食肉販売店などに対し、一般に肉を生で食べることはリスクがあることや、子どもや高齢者は生肉を食べることを控えたほうがよいことなどを店頭などに表示することが義務づけられました。消費者庁が、去年の年末にかけて実際に生食用牛肉を販売していた全国の433の業者を調査したところ、およそ93%に当たる401の業者が表示基準を守っていませんでした。また、表示基準を守っていなかった業者は、いずれも厚生労働省が定めた肉表面の加熱などの加工基準も守っていませんでした。消費者庁は、都道府県などに対して講習会を開くなどして、表示義務について業者に徹底をするよう通知しました。