次は飛散日のころから症状が出るという人。このタイプの人で、症状が軽い人に関しては、今シーズンから選択肢が増えた。市販の医薬品にも、スイッチOTCなど副作用が少なくて、症状を抑えこむ力が強いものが増えたからだ。
例を挙げると、1日1回飲むだけでいい眠気の少ないアレルギー用の「アレジオン10」や、ステロイド配合で鼻づまり、鼻水を押さえる点鼻薬などが市販薬としても購入できる。すぐに医療機関にかかれない場合は、これらの市販薬で症状を抑えて、時間ができたときに医療機関にかかるという方法もある。
~2012年シーズンの医療用医薬品と市販薬~
■花粉症対策の基本はマスク メガネと帽子も有効
さて、薬のことから花粉症対策を説明したが、現実的に症状を軽くするためには、マスクや花粉よけのメガネ、帽子などが効果的だ。インフルエンザなどの感染予防とは異なり、どのタイプのマスクでも鼻や口の上に隙間ができなければ、花粉をよける効果は十分だ。
目の症状がつらい人にお薦めなのが、花粉対策用に作られたメガネ。従来はものものしいデザインだったが、普段のメガネとそう変わらない違和感のないデザインのものが増えた。わたしも、愛用している。
ところが、これらのメガネでも顔との間の隙間から、スギ花粉が入ってくることがある。その対策として、ひさしのある帽子(野球帽)などをかぶると、目に対する花粉のガードはより確かになる。わたし自身、マスクにメガネにサンバイザーという格好で、休日はジョギングをしているが、ここまで防御すると、ジョギング後でも症状はほとんど出ない。ただし、すれ違う外国人のジョガーに不思議な顔をされてしまうことだけ付け加えたい。
なお、今年のスギ花粉には放射性物質が付着していると、危惧する声もある。林野庁は昨年、福島県で採取したスギ雄花の放射性セシウム濃度を調査し、「現在検出されている程度のセシウム濃度であれば、吸い込んでも被曝の心配はないレベル」という見解を発表している。ただし、それでも気になるという人もいる。花粉症の症状を軽くするためにも、外出時はマスクを着用するのが良さそうだ。
藤井省吾(ふじい・しょうご)
日経ヘルス編集長。東京大学大学院(農学系)を修了。1991年に医師向けの専門雑誌『日経メディカル』の記者として取材をスタート、98年からの『日経ヘルス』記者生活でも、医学と科学をベースに取材・編集を担当。08年から現職。
日経ヘルス2012年3月号では2012年の花粉症の傾向と対策、放射能花粉の影響などについて「今から始める花粉症対策2012年」を掲載している。
花粉症、スギ花粉、アレジオン、鼻水、抗ヒスタミン剤、ステロイド、点鼻剤
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