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人気釣り場:立ち入り禁止徹底へ…愛知・武豊の防波堤

3月から釣りができなくなる衣浦港外港地区西防波堤=2012年1月24日、新井敦撮影
3月から釣りができなくなる衣浦港外港地区西防波堤=2012年1月24日、新井敦撮影

 釣り人の人気スポットとして知られる愛知県武豊町の衣浦港外港地区の西防波堤で3月から釣りができなくなる。管理者の県はこれまで立ち入りを黙認してきたが、昨年10月、「地震や津波発生時の安全対策が不十分」として釣り人の立ち入り禁止を徹底する方針に転換した。地元の釣り愛好家らは安全対策を講じて再開放を望むが、県は「多額の予算がかかる」と否定的だ。

 西防波堤は高潮対策のため1969年に完成。全長1100メートル、幅5.5メートル、海面からの高さ6メートルで、中部電力武豊火力発電所の堤防から海に突き出した形だ。クロダイなどの釣り場として釣り人が多く訪れている。

 県によると、西防波堤は当初から一般の立ち入りは原則禁止だったが、徹底されてこなかったという。武豊町によると、01年に地元の要望を受けた発電所が、防波堤に釣り人が出入りできるように防波堤に通じる専用通路を設置。事実上、一般開放されてきた。

 しかし、防波堤には浮輪などの救命具があるだけで、手すりなどもなく、警報を知らせる設備や監視体制もない。国土交通省は昨年3月、県に「安全策が取られていないため危険だ」と指摘。東日本大震災の津波被害も甚大だったことから、県は同10月、西防波堤に立ち入り禁止の標識を設置した。町も発電所と協議し、今年3月1日からの専用通路閉鎖を決めた。防波堤には専用通路からしか行けず、閉鎖されれば釣りができなくなる。

 突然の決定に同町の釣具店主の男性(44)は「クロダイだけでなく、いろいろな魚が釣れる場所なので閉鎖はとても残念。危険だから閉鎖にするのではなく、安全な施設にして開放してほしい」と話す。

 県港湾課は「安全対策としては手すりや救命具の配備、監視員配置などがあるが、県が予算をかけてどこまでやる必要があるかと考えると、現状では難しい」としている。【新井敦】

毎日新聞 2012年2月4日 12時21分(最終更新 2月4日 13時36分)

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