株式会社デジタルチェック
資本金24億9768万円
発行済株式の総数 122,285株
本社
東京都新宿区西新宿2-6-1新宿住友ビル
TEL 03-5325-0555
FAX 03-5325-0556
一昔前に流行った未後悔株。昨日書いたYKK社と同じ頃かその少し前ぐらいに大量に出回っていた(2004年〜2005年が全盛期)。
こちらは一昔前という事で業者が売っていた。売価は40万円前後。「上場が数ヶ月後に決まっています」「上場したら○○万円は付きます」とクラシックな勧誘方法で販売していた。
このデジタルチェック社、監査法人あり、信託銀行あり、譲渡制限あり、と珍しく有ありアリの未後悔株。資本金からも見てとれるように、大企業である。
本社も新宿住友ビル(都庁の隣)とかなり立派、もちろん今流行りのバーチャルオフィスでもない。
有価証券報告書も提出しており、監査法人の意見表明もある。
正直、企業としては悪い所は一つも見つけられない。
そもそも、デジタルチェック社は公開する意思も多少見て取れる。
まず、平成18年から監査法人設置会社となっていること。
次に登記簿の中に「(一斉取得条項)A種種類株式は、当会社が証券取引所への上場に伴って普通株式の公募を行う場合・・・」と上場について登記上の決まりなのかもしれないが、上場した後のことを記載していること。
以上のようなことは他の未後悔企業では見られない特長である。
このデジタルチェックなぜ公開しないのか。
通常は上場するには監査法人による2事業期間の意見表明が必要である。ということは2年間の決算をみてからということになる。
デジタルチェック社は平成18年7月20日に監査法人設置会社となってから翌年の決算は黒字で勝負の2年目(平成20年3月期)に大赤字に転落してしまったのだ。そのため、去年6月に資本準備金を約300万円取り崩し、同年9月には社長が退任してしまっている。それだけ赤字が響いているということだ。
もし順調にいけば、去年や今年中に上場していたかどうかというのは疑問だが、去年の大赤字により今後の株式公開は難しくなってきたことは確かである。
また、これは噂だが、デジタルチェック社の株式が出回りすぎて株主が把握出来ず、上場出来ないという噂も流れている。これは信託銀行が付いているから考えづらい気はするが、それだけこの株が当時出回っていたということだろう。
さて、ここまでは普通の未後悔株というかむしろ少し可能性がありそうな未公開株である。
しかし残念ながら、デジタルチェック社は単元株制度を導入している。平成17年に10株単元制度を導入。その後同年信託銀行での端株取扱を廃止。10株単元でもきついところ、平成18年には60株単元に引き上げた。
さてこれはどういう事か、簡単に言うと業者から株を買った株主の切り捨てである。イーバンク銀行でもそうであったが、あまりにも株が出回ったことによる防衛策である(譲渡制限がついているにも係わらずこれだけ出回っているのもどうかと思うが)。
デジタルチェック社が端株を買い取ってくれるかどうかは疑問であるが、仮に一株純資産で買い取ってくれるのであれば、最新の値段は約330円である。
ここまで、色々書いてきたが、このデジタルチェック社に絡み言いたいことが2つある。
1つ目は、「これだけの企業でも上場していない」ということである。
昨日のYKK社は企業方針で上場しないので別だか、デジタルチェック社は企業規模や事業内容もさることながら、監査法人もきちんと付いており決算が赤字でなければひょっとしてと言う感じもあった。それでも今現在は上場の予定もない。赤字がすべての原因ではないとしても株式上場するということは時間的にも資金的にも非常に体力がいるという事だ。
デジタルチェック社が基準というわけではないが、この企業でも上場しない(出来ない)のである。今現在出回っている未後悔株が果たして上場するだけの体力があるか、もう一度よく考えれば一目瞭然である。
2つ目は、「デジタルチェック社の株は今だ売られている。」ということだ。
上記で一昔前にと書いたが、実は去年の年末頃から売られているのだ。
ではなぜ、今売られていると書かなかったのか。それには理由がある。
それは、株が出回っていないからである。前述したとおり、デジタルチェック社の株は60単元になっており端株は今発行していない。しかも端株は信託銀行では名義書換え出来ない。当然譲渡制限が付いているので自社でも名義変更は受け付けて貰えないだろう。
にも係わらず、「今年上場します」や「割当てします」等といい勧誘しているのだ。
結局これはどういうことか。それは所謂『振り込め詐欺』である。
あまり話は聞かないところをみると以前デジタルチェック社の株を売っていた業者やその残党が自分達が売った投資家(株主)にピンポイントに勧誘をしているのだろう。
以前アイディテクニカ社の記事でも同じようなことを書いた。デジタルチェック社は現在倒産ということはなさそうなので、アイディテクニカ社とは多少違うが、これも完全な二次被害である。
デジタルチェック社の株主には非常に注意して頂きたい。またデジタルチェック社の株主以外の方でも勧誘がきたら、それはあらたな『振り込め詐欺』なのでこちらも警戒して頂きたい。
(ちなみにこの事はデジタルチェック社のHPにも記載してある。)
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