March 01, 2007

暗雲ベビー市場

ペット用品よりも、介護用品よりも軽んじられているのがベビー用品市場だということに、最近気がついた。

少子化だといわれながらも、出生率がゼロに近くなったわけではないし、政府が予算や制度改正で使っている試算モデル世帯でも夫婦と子供二人の家庭が想定されているような世の中で、ベビーグッズ売場を探すのがこんなに大変なものとは思っていなかった。

今まで全く無縁だったマーケットだったので、新たな市場としてマーケター魂が芽生えてリサーチ対象になってきた感じだ。

今日は東急ハンズに行ってみた。
カスタマーサービスカウンターで
「ぺビー用品関連はどちらですか」
と聞くと、係りの人がしばらく調べ、さらに内線で確認してから申し訳なさそうにこう言った。
「すみません、特にそのような売場はつくっておりません」

ペット用品売場はフロアのかなりのスペースをとっているのに対して、ベビー用品の売り場はスペースなし、というのだ。つまりは動物以下だということだ。

デパートでも同じようなものだ。介護用品売場が広くなってきているのに対し、べビー用品売場はお印程度のひと並べで、商品を選ぶようなアイテム数はない。特にマタニティウェアは悲惨な状態で、デザイン性があるわけでも機能的でもないつまらない製品が、バカ高い価格で売られている。

売れないから商品を置かない。そして売場はどんどん狭くなり、品揃えは貧弱になっていく、という悪循環が如実に表れているようだ。かつてのデパートの電気製品売場を彷彿させるというものだ。

その昔、電気製品はワンフロアをとるくらいの売り場面積を誇っていたが、専門ディスカウント店の進出で、価格もサービスもかなうことは無く、撤退してしまった。それと同じことがGMSのべビー用品についても起こっているようだ。

最寄り駅から一番近いドラッグストアでも2月末でベビー用品の販売を終了し、売り場の棚は撤廃される、と張り紙が掲示してあった。粉ミルク、ベビーローション・オイル、紙おむつは扱わないということだそうだ。

それにしても、ペットよりも介護よりも重要視されないのは悲しい。
かつてアメリカに住んでいたころ、どのドラッグストアでも哺乳瓶や離乳食用スプーンが手軽に購入でき、どんなスーパーマーケットでもベビー肌着が買えるような環境だったのが、懐かしく感じる。

February 06, 2007

駅のバリアフリー化!?

最近、JRの駅でエレベータやエスカレータの設置工事が行われていて、おくればせながら、高齢化社会に配慮する気がでてきたか、という感じがする。

順天堂大学病院、日大病院、東京医科歯科大病院、井上病院などなど多くの病院を近隣にもつ御茶ノ水駅にエスカレータがなく、患者や医師から陳情がだされる、というニュースを見て、病院に通う患者になんと酷な駅だろう、とJRのサービスクォリティの認識の程度を考えてしまった。

東京メトロはというと、駅によって設備に大きな差がある。新しくできた駅は使い勝手がいいかどうかは別として、一応自動昇降の設備がある。ところが、古い駅については階段しかなく、健康な人間でさえ疲れた時にはしんどい。

2年前に足を怪我した時、とても辛く感じて、バリアフリー駅ばかりを選んで利用していた。今は、身重のため階段を上るのに息切れがしてしまうので、2年前の経験を活かして、人に優しい駅を選ぶようにしている。

我が家には比較的近い駅で、有楽町線江戸川橋があるが、あの駅は「地下鉄バリア大賞」の優勝候補だ。地上からのエレベータなし。エスカレータも殆ど無し。その殆どというのが、10段階段、そして7段エレベータ、そして50段階段、という何とも理解しがたいエスカレータの設置の仕方なのだ。この設計を許可した人は何を考えていたのだろう。

おまけにバス停から一番近い入り口から、300メートル以上階段と地下道を歩かなくては改札までたどり着けない。

ゼッタイに利用したくない駅のひとつだ。

ちなみにその隣の護国寺駅は、音羽通り沿いに地上まで繋がったエレベータがあり、便利に利用できる。体力に自信のない方にはおすすめだ。

February 01, 2007

柳沢厚生労働大臣の発言をめぐる呆れた対応

「子供を産む機械」発言で問題視されている柳沢厚生大臣だが、本当の問題点は少し違うんじゃないかと思っている。
この言語道断な言葉に続く、「ひとり頭でがんばってもらうしかない」という柳沢流の分析事態が厚生大臣として甚だ不適格だといわざるおえない。

少子化を女性だけの問題と捉えていること、
がんばれば、と個人の自己努力に責があるかのように捉えていること、
子供の出生を機械での生産と同様に掛け算だけで捉えていること、
などなど、厚生大臣としては、こちらのほうが重責だ。

そしてこんな貧困な考えしかもてない人を厚生大臣に任命してしまって、さらにかばってしまうような総理大臣も非常に問題だ。さらに、野党からの批判を「選挙対策のための自民たたきだ」といわんばかりのコメントを発する議員幹部の態度も呆れてしまう。

マスコミもそこのところをついてほしいのに、「子供を産む機械」という言葉尻だけを捉えた批判ばかりに踊っているところを見ると、マスコミの認識の低さと男性社会の軽薄さを感じてしまう。

それよりも民度の低さ、といってもいいかもしれない。
北欧のような男女均等志向の定着した先進国から見たら、呆れた政治家とマスコミたちにみえるだろう。

私はとっても腹がたって、自民党の「ご意見・ご要望」のページから書き込みをした。

下記その投稿を転記。自民党から回答がくることは期待していないが、すみやかに辞任要請するくらいの総理の対応を期待したい。

■ご意見・ご要望

柳沢厚生大臣の発言に対して

現在妊娠6ヶ月の大学教員です。妊婦として、非常に少子化対策、教育改革に興味を持っておりますが、柳沢厚生大臣の発言、並びに自民党員のそれに対する態度から、自民党の政治姿勢に非常に憤りを感じております。

女性を「子供を産む機械」と喩えたことが問題とされていますが、それよりも、その後に続く「あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と断言したことは、厚生大臣としての資質に大きな問題があると感じます。この問題性について、安倍総理をはじめ、自民党の誰一人としてコメントしていないことに対し、非常に不信を感じます。

「がんばってもらう」とはどういった意味の発言なのでしょうか。
「子供を産む機械」が統計を理解し易くする比喩で、その結果、増産するには機械当たりの生産高を上げればよい、とする統計の解釈であるとするなら、女性のみが頑張れば少子化が解決する、という理解をされているように受け取れます。

そのような発言をするということは、全く現実を理解していない、見当違いの解釈をしている証拠です。厚生大臣として全く不適格としか言いようがありません。

高額な住宅費、教育費、医療費の負担や、環境問題、教育問題など、もっと子供を持ちたいけれど悩んでいる家族が向き合っている諸問題をひとつひとつ解決できなければ、根本的な改善は見込めないでしょう。

子供は家族の中で育てていくもので、「ひとり頭で頑張って」育つものではありません。

そのことがご理解いただけない厚生大臣では、日本の将来は非常に不安です。自民党としての見解を明確にし、改めて真摯に少子化対策に取り組んでいただきたいと強く思います。

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