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昨年の自殺者530人 2年連続減も高水準

2012年02月04日

   県警は3日、県内で見つかった昨年の自殺者数は530人だったと発表した。2年連続で減少したものの、依然として高い水準にある。県は新年度の当初予算案に1億2655万円を盛り込み、新規事業として日光市内の橋の欄干に飛び降り防止のフェンスを設置するなど自殺防止対策に取り組む。

 県警生活安全企画課によると、昨年に県内で見つかった自殺者は530人だった。

 そのうち、年代別では30代が前年比13人増の89人で、50代は27人減って84人。未成年者も11人いた。職業別では、例年の傾向と同じく無職が273人で半数以上を占めた。中学生、高校生も計6人いた。遺書や遺族の話から判断された動機(複数計上)は、健康問題が273人と最多で、経済生活問題が112人で続いた。

 県内の自殺者は14年前から500人台で推移し、2009年の630人が最多だった。全国では昨年は3万513人で、14年連続の3万人超えとなっている。

 県障害福祉課はこれまでも、住民に身近な市町村への自殺防止対策支援や、多重債務や健康問題の相談会の開催、専門の相談員の養成などを実施しており、「これらの取り組みを続けたい」としている。

■欄干に防止フェンス 県新年度予算案

 県は新年度の当初予算案に自殺防止対策事業として1億2655万2千円を盛り込む方針を固めた。

 新規事業としてフェンスを設けるのは、日光市の霧降高原道路に架かる橋。深い谷を見下ろす場所で、紅葉の名所として知られるが、2009年には年間10人が自殺した。県は週3回のパトロールに取り組み、翌10年には7人と減ったが、11年には17人と急増した。

 県はパトロールには限界があるとし、現在、高さ1メートルの欄干に、新たに2メートル超のフェンスを設けるという。県障害福祉課は「景観に極力合う形にしたい。容易に(自殺が)できない状況になれば、思いとどまることもあるのではないか」と話している。

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