東日本大震災によるがれきの一部県外処理を目指す宮城県は25日、沿岸部の11市町で放射性セシウムの抽出調査を行ったところ、南部の亘理、山元両町の可燃性のがれきが、注意を要する濃度に達していると発表した。ただ、仮置き場での洗浄などの手を尽くし、安全性を確保して引き続き県外での埋め立てを目指すとしている。
調査では、県の南部地域の濃度が高く、種類別では、微細なちりを吸着しやすい繊維などが含まれているがれきの濃度が高かった。特に、亘理、山元の可燃物の濃度は1キロ当たりそれぞれ350、769ベクレルと推計した。
可燃物は2次仮置き場に移し焼却するが、宮城など被災県は焼却灰の一部を県外で引き受けるよう要請。国のガイドラインによると、放射性セシウムは、焼却によって最大33倍に濃縮される。亘理、山元の可燃がれきをそのまま焼却すると、国の目安の8000ベクレルを超える可能性があり、埋め立てなどができない恐れがある。
[時事通信社]