［ライフ］ランドセル　女の子にダークカラー、豪華版が大人気　芦田愛菜ちゃん効果も＋（2/2ページ）（2012.2.4 14:27）

　一方、奈良県橿原市の「鞄工房山本」では、牛革とコードバン（馬の尻部分の革）のみを使用した高級ランドセルを製造販売している。天然皮革の製品は耐久性があって型崩れせず、「購入時とほとんど変わらない状態で卒業までの６年間使える」と山本一彦社長と話す。価格は３万円台～８万円台で、他社の人工・合成皮革の商品に比べて高めだが、注文が相次いでいる。

　「ここ数年でランドセルの傾向は大きく変わりました」と山本社長。高級感があり、おしゃれなものを求める傾向が女の子を中心に強まっているという。同社もそうしたニーズに合わせ、革の加工技術を生かして独創的なデザインを生み出している。革の裁断面を丹念に磨いてニス塗りし、滑らかな面にする仕上げもその一つ。高級感を出す紳士鞄の製法だ。アンティーク調のブロンズ金具やダイヤモンドのチェック柄（アーガイル）をあしらうなど細部にも工夫をこらす。

　おしゃれなランドセルを求める流れを加速させたのは、人気子役の芦田愛菜ちゃんのＣＭ。イトーヨーカドーが昨年度のランドセルのテレビＣＭに愛菜ちゃんを起用、「愛菜ちゃんが自分で選んだ」（同社広報センター室）という濃い茶色のランドセルを背負って画面に登場したことから、「ダーク系人気が急上昇しました」。

　ランドセルは、学用品というよりは、おしゃれアイテムとして存在感を増してきている。