FERRIS|国際交流学部


◆ 研究への招待 ◆
洪範図(ホン・ポムド)のこと … 
専任教員紹介
並木 真人
Masahito NAMIKI
 
研究分野 朝鮮近現代史
テーマ&
メッセージ
 日本の植民地期を中心とする朝鮮の政治・社会・経済・文化などを専攻しています。最近は、植民地近代性(Colonial Modernity)や対日協力(Collaboration)といった問題を追究しています。また、韓国や北朝鮮の現状および日本との関係、さらに歴史認識や歴史教育の問題にも関心を寄せています。
学歴
1980年 東京大学教養学部卒業
1987年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学
学位 1982年3月 文学修士(東京大学)
主要業績
  • 「大衆の国民化と民族化―植民地期朝鮮の事例から」『国際交流研
    究』(フェリス女学院大学国際交流学部)第9号、2007年
  • アンドレ・シュミット『帝国のはざまで―朝鮮近代とナショナリズム』(共
    訳、名古屋大学出版会、2007年)
  • 「「植民地公共性」と朝鮮社会」(朴忠錫・渡辺浩編『「文明」「開化」「平
    和」―日本と韓国』慶応大学出版会、2006年)
  • 「植民地期朝鮮における「公共性」の検討」(三谷博編『東アジアの公論形成』
    東京大学出版会、2004年)
  • 吉田光男編著『韓国朝鮮の歴史と社会』(共著、放送大学教育振興会、2004年)
・シ・゚セメイ・ width=
 
講義情報
*2008年度の講義情報*
「アジアと日本(日朝・日中)」

科目名は「日朝・日中」ですが、ここ数年は、日本と朝鮮半島との関係に限定して
講義をしています。ご存知のとおり、朝鮮は日本にとって最も近い地域、古代から
密接な交流を続けてきた地域です。けれども、通常の高校までの授業を受けてきた
皆さんは、この地域について、充分な知識を持っているとは言えません。むしろ、
欧米や中国などに対する知識や関心に比べると、朝鮮に対する知識や関心は貧弱で
あると言わざるを得ません。
そこで、この講義では、日本が朝鮮と最も密接な関係、しかも最も不幸な関係を有
した時代である、植民地期を中心とする近代の歴史について、具体的には19世紀後
半から20世紀前半の1世紀を取り上げて、学習します。そして、基本的な事実の紹
介から初めて、時代の流れを概説し、大まかな歴史像を抱くことができるように努
めます。
この時期の日朝関係について学習することは、多くの日本の学生にとっては、心を
晴れ晴れとさせるようなことではないかも知れません。むしろ、重い荷を負うこと
になるのかも知れません。それでも知っておかなくてはならないことについて、正
面から向き合って取り組んでもらえれば、と期待しつつ、講義をすすめています。
しかも、それらを通じて、学問をすることの喜びや楽しみを発見してもらえれば、
という希望も含んだ欲張りな講義であると自負しています。

ゼミ生からのメッセージ
 ゼミは、各自が選んだテーマの研究を行い、その成果を発表して全員に評価してもらうという相互多面評価の形式で行われています。自分でテーマを決めるということで自主性と責任が求められます。選んだテーマについて研究を行い、その内容をレジュメにまとめて発表し、皆に質問や意見を求めてディスカッションを進めていきます。発表後ゼミ・メンバーの評価がフィードバックされてくるので、発表の達成度を客観的に知ることができますし、評価する側もその責任が問われます。また、演習の議論には全員の積極的参加が求められていましたので、自分ひとりでは得られない意見や考え方を知ることができました。
 最初はこの形式に戸惑いましたが、慣れるにつれお互いに厳しく意見を交換し、まさに「切磋琢磨」することができました。また、プレゼンテーションやディスカッションにも慣れ、就職活動の面接やグループディスカッションにも役に立ちました。各自の意見と各自の人間性を分けて考えるようになり、気兼ねなく意見を述べることができました。さらに、批判されることに対しての精神的な耐性がついたことはプラスでした。演習でどのような意見を言い合っても、演習が終われば仲良く帰る、というサッパリした関係が作れたこともよかったと思います。
 コンパも定期的に開かれ、各自が「最近身近にあったよいことを紹介する」ことは、恒例行事となっています。演習の時の真剣な議論とは打って変わって皆打ち解け、毎回とても盛り上がります。個人的には本当にいい友達と後輩ができました。「学ぶときは学ぶ、遊ぶときは遊ぶ」というメリハリをつけることができ、ゼミに入ってよかったと感じています。(2004年度卒業 N・A)



卒論タイトル一覧
2010年度卒業生
「靖国神社参拝の問題点〜日本の向き合い方とは〜」
「食生活からみる在日コリアン」
「韓国財閥史研究〜ロッテグループの軌跡〜」
「韓国社会の実態〜映画から読み取る〜」
「韓国社会における美容整形〜女性の生き方とアイデンティティ〜」
「日本と韓国における高齢者福祉について〜介護保険制度の導入から〜」
「創氏改名〜創氏改名からみる日韓関係〜」
「『慰安婦』について―女性の人権と日本の責任問題―」
「靖国神社問題〜日本と韓国が和解できない理由とは〜」
「韓国における家族の変容」
「韓国の観光事情〜過去と現代の事例の比較から日韓関係を解く〜」
「日本と韓国における少子化社会の背景と今後の課題〜ジェンダーの視点から〜」

2009年度卒業生
「植民地期朝鮮における日本のキリスト教会の責任〜神社参拝を中心に〜」

2006年度卒業生
「檀君神話 −朝鮮始祖神話−」
「韓国キリスト教と民主化との関係−1960年代以降の社会変動に伴うキリスト教の変遷」
「日本の歴史教科書に見る朝鮮
−『新しい歴史教科書』を中心に」
「「在日」という民族を考える
−「在日」文学からみるアイデンティティの遷移」
「江戸期・朝鮮通信史の来訪における対島の存在意義
−対馬は日朝に何をもたらしたのか」
「日韓基本条約締結の過程における戦後補償の位置付け
−東西対立は交渉をどのように枉げていったのか」

2004年度卒業生
「韓国における南北統一問題〜韓国の統一問題に対する取り組みの実状と今後の展望を考える」
「満州」における朝鮮人教育〜「間島」地域を中心に」
「韓国経済〜IMF危機に見る韓国の経済構造」
「慰安婦問題〜公娼制度と関連付けて」
「在日韓国・朝鮮人のアイデンティティ〜在日二世作家李恢成の作品から」
「日本人の朝鮮進出と在朝日本人の社会〜山口県出身者の事例を中心に」
「日韓教科書問題〜1980年代を中心にして」

2003年度卒業生
「解放後韓国の親日派処理問題研究〜「李完用の財産処理」を中心に」

2002年度卒業生
「植民地期朝鮮の「新女性」〜金一葉の生涯と思想を中心に」
 
 
To Page Top  
Copyright(C)2004 Ferris University. All Rights Reserved.