NATO=北大西洋条約機構のラスムセン事務総長は、3日、アフガニスタン情勢について、2014年末までにすべての治安維持の権限をアフガニスタン側に移譲する当初の計画に変更がないことを改めて強調し、フランスやアメリカによる早期撤退の動きを強くけん制しました。
NATOは、3日までの2日間にわたって、ベルギーの首都ブリュッセルにある本部で、国防相による会議を開き、アフガニスタン情勢などについて協議しました。アフガニスタンで軍事作戦を続けるNATOは、再来年の年末までに、すべての治安権限をアフガニスタン側に移譲する計画を進めていますが、フランスやアメリカは計画を前倒しして、来年中に部隊を撤収させるか、軍事作戦を終結させる方針を、最近、相次いで打ち出しました。これについて、会議のあと記者会見したラスムセン事務総長は、「国際部隊の任務は、段階的に戦闘からアフガニスタン軍の支援に移っていくが、戦闘任務から完全に手を引くことはない」と述べて、当初の計画に変更がないことを改めて強調しました。ラスムセン事務総長としては、早期撤退を巡って、アフガニスタン側に動揺が広がっているだけでなく、NATO加盟国の結束や今後の作戦にも影響を与えかねないだけに、早期撤退の動きをけん制する思惑があると見られます。