2012年2月4日(土)

言葉よりピッチで表現 浦和・橋本代表

「地域の誇りとなるチームにしたい」と語る橋本光夫代表=1日、さいたま市内
10月15日の大宮戦ではサポーターたちの演出によりスタンドが赤と白に染められた=埼玉スタジアム

橋本代表単独インタビュー(下)

 クラブ設立20周年を迎える今年、浦和はあらためて地域の誇りとなる存在になるべく、足元を見つめ直すという。橋本代表の示すビジョンとは。

 −今年はクラブ設立20周年となる。

 「20年ということで、浦和の基本理念は何かという原点に立ち返りたい。理念とは多くのサポーターに夢や希望、喜びを与えられるような、地域の誇りになるようなクラブを目指し続けること。それがレッズの果たすべき役割だと考えている。

 そのビジョンに向かうための一番の推進力はトップチーム。だからこそチーム強化を最優先に考えて、監督の選任こそ肝になるという思いでやってきた。

 昨年の15位という結果は重く受け止めないといけないし、チームを悪循環から再生させるためには、やっぱり言葉ではなくて実際にチームがどう変われるか。目指すべきところは“強くて魅力あるサッカー”。チームがどう変わっていくのかをピッチ上で示すことで、サポーターやファンがもう一度スタジアムに戻って来てくれることにつながると思っている。

 もちろん勝ちたいと思っている。ただ、「リーグ制覇」とクラブとして大きなアドバルーンを掲げることよりも、チームを変えていくことが今年のやるべきことだ」

 −勝たないと観客数も伸びないのでは。

 「J1のチームの力は非常に拮抗(きっこう)していると思う。しかも浦和は新しい監督を迎えて、そう短期間のうちに結果が出せるとかいえば、簡単なことではない。結果は当然目指すが、まずはクラブの目指す方向性を示せるかというのが一番大きな課題だ」

 −方向性が明確ならサポーターの理解も得られる?

 「サポーターも見守ってくれると思うし、間違いなく結果も付いてくると思う。入場者が減ってきているという部分では、チームの結果だけではなく、編成の仕方などクラブにも責任がある。監督選任の段階からこれまでのやり方を変えたし、選定基準も明確にしてやってきたので、大きな間違いはないと思う。

 さらに地域との結び付きも大事だ。クラブ設立20周年を迎えたが、地域密着は浦和が誇るべきもの。レッズランドのようにスポーツをする場を提供したり、ハートフルクラブのように子どもたちの育成、普及というものに重点を置いた活動も継続して展開していく。女子サッカーの普及にも取り組み、クラブのスタンスを示すことも大事だ。

 もちろん地域の誇りになろうと思ったら、選手やスタッフ一人一人がしっかりした言動、行動が必要。昨年末から人材教育にも取り組んでいる。原点に戻ることで、信認を得られるようになりたい。

 埼スタに来てもらうための環境づくりにも取り組む必要があるし、チームの結果だけに入場者数が減った理由を押し付けるつもりはない。チームづくりやクラブの地域との密着した活動はどうだったかというのを考えていかなければならない」

 −サポーターはこの3年は我慢のシーズンを強いられてきたが。

 「ミシャ監督はJリーグでしっかりした実績を残してきた。監督はチームづくりの肝。私は間違いない監督を選んだという思いがあるから、ぜひ一緒に戦ってほしい」

 −GMや監督が頻繁に変わるが、継続性が必要ではないか。

 「それは必要だと思う。ミシャ監督にしても1年ではなくて、長いスパンでわれわれも考えているし、改革をしてほしいという思いを持っている」

 −そこにクラブの決意が表れていると?

 「私が(代表として)3年間経験してきて、この先のレッズのことを考えたら、監督選任をGMと社長の2人で決めることが果たしてベストな選択か。クラブ内には今まで長年にわたってレッズを見てきたメンバーもいる。そういった意見が反映されたり、ディスカッションをする機会を設けるのは決して悪いことではない。

 そういうやり方を昨秋から採用してきたのは継続性を担保する意味でも、一つのステップアップと考えている。私がクラブで3年やってきて、導き出した一つのやり方でもある。それがベストかどうかは別として、議論しながら整理できたと思っている」

 −サポーターへのメッセージを。

 「私がレッズに来て3年目となった昨季は、ゼリコ・ペトロビッチ氏を監督に迎えて、何とかいい結果を残したいという思いで取り組んだ。しかし結果は、浦和が目指す方向性を後退させてしまった。大きく反省している。この反省を糧にして、昨秋から新しい強化部の体制を敷いて今季の監督選定をやり、新しいチームづくりの仕組みを取り入れた。今年はこれまで目指してきた方向性をもう一度目指したい。

 (サポーターには)昨季の結果に対して許せないという思いはあるかもしれないが、もう一度チャンスをいただきたい。そういう思いで今シーズンに臨みますので、ぜひもう一度一緒に戦ってください」

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