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★スペシャルインタビュー
supercell「My Dearest」ryoロングインタビュー 5
初音ミクと共に音楽業界に鮮烈なデビューを果たした第1期、そしてnagiをVo.に迎えた第2期を『Today Is A Beautiful Day』で輝かしく締めたsupercell。8ヶ月以上の間隔を置いてリリースする4thシングルはいかにして生み出されたのか。『ギルティクラウン』を通じてリンクするEGOISTの楽曲など、ryoの仕事を多面的に聞いていく。


この一枚が“かっこいい”supercellの足がかりに(ryo)

――「My Dearest」がEGOIST曲の前にできていたということは、差別化を意識し、OP・ED・挿入歌の3パターンができるように作ったのでしょうか?

ryo そうですね。結果的には。supercellの曲は「自分はどうあるべきか」という「アーティスト」のスタンスで作ったわけですけど、EGOISTは(楪)いのりちゃんが作中でアーティストというスタンスを出しているので、もし自分(=ryo)のエゴを出してしまうとEGOISTではなくてsupercellになってしまう。そこで少し悩みました。劇中では、作詞曲者についても描かれないですし。ただ、監督は高い歌唱力がある歌手のほうがいいと考えているみたいだったんですね。なので、声優さんが歌うよりも歌手を別に立て、かつポップスだけど皮肉めいた陰のあるアーティスト像を演出しようと考えました。それが「Departures」です。この曲は“おくりびと”(=納棺師)というスタンスで歌を歌っていて、何気なくカラオケで歌っていると皆が滑稽に見えてしまうようなブラックジョークになっているんですよ。「普通のラブソングに聴こえるけど、実は死者に対して歌っているんだよ」って。EGOISTではそうやって、作り手、特に歌い手のエゴが歌うことで表れている、というまとめ方をしています。

――アルバム以降から今まで、そして今後についてもお伺いしたいのですが、これ(テーブル上のスパイク)は……?

ryo (話題にしていただいて)ありがとうございます(笑)。最近、フットサルにはまっていまして。スパイクがなかったばかりに足をくじきまくっていたんですけど、昨日ゲットしてこれからまた練習なので、それまでニュー“機材”を見てニヤニヤしようと。それだけです(笑)。

――以前に比べてずいぶんと健康的ですね(笑)。アルバム以降はフットサル漬けですか?

ryo そうですね。初音ミクのシングルを作ったり、(本業の)機材を変えたり、で、サッカーをやり始めたり、という感じでしたね。でも、震災の影響もあったからこそ、でしょうね。「自分に何ができるのか」から「何がしたいのか」へと考えましたから。というか、「考えても仕方ない」というか。

――初音ミクはアメリカで曲配信が始まりましたが、意識されていますか?

ryo いや、意識というか、アメリカに活動するにおいてはローカライズしないとダメだなとは考えています。最近、韓国の方が日本で活躍していますけど、やっぱり日本語で歌っているじゃないですか? それが必要なことだと。

――すると、海外での展開も視野に入れて?

ryo 5万枚ずつ100ヶ国で売れたら……っていう話ですよね。社長が言っていて、「なるほど」と納得しましたけど(笑)。

――フットサルコートを作れるぐらいに売るつもりで?

ryo それ、最高ですね。実際、いっぱい売ったらコートを作ってやるって話があって。夢としてね。「じゃあ、オレ頑張るわ」って話してます(笑)。

――最後に、今作についてのアピールをお願いします。

ryo とにかくこゑだちゃんですね。今まで色々な楽曲を作ってきましたけど、今期は「かっこいい」をテーマに、歌ってみたい、演奏してみたい、真似したいと直感的に思わせるsupercellをやっていきたいと思っています。その足がかり的な第一弾なので、まずは一度聴いてみてほしいですね。


Text/清水耕司(ボーグナイン)
2011/12/09 13:00:00