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★スペシャルインタビュー
supercell「My Dearest」ryoロングインタビュー 3
初音ミクと共に音楽業界に鮮烈なデビューを果たした第1期、そしてnagiをVo.に迎えた第2期を『Today Is A Beautiful Day』で輝かしく締めたsupercell。8ヶ月以上の間隔を置いてリリースする4thシングルはいかにして生み出されたのか。『ギルティクラウン』を通じてリンクするEGOISTの楽曲など、ryoの仕事を多面的に聞いていく。


「罪人」はタイトル曲の延長線、「大貧民」はノリで作った曲(ryo)

――カップリングの「罪人」ですが、どのような意図で作り始めましたか?

ryo 「罪人」は「My Dearest」の延長線上にある曲ですね。親愛なる者が死んだ時に、「どうして代わりになれなかったんだろう」と自分を責めてしまう、そういう世界観の中にあります。そこで少し、『ギルティクラウン』の葬儀社とのリンク、共通感を意識していて、残された男の子が女の子のいない世界に悲観して後追いして死んでしまうという悲劇を描いているんですいや、別に本編にそういうくだりがあるわけじゃないですけど。そういう自ら死を選ぶというのは“罪”であるという教訓めいた意味合いも少し込めつつ。だから、「My-」や「罪人」は現世では悲劇だったけど来世では幸せになるという世界観なんですね。ただ、次のシングルではパラレルワールド的に現世で幸せになる方法を描いていくつもりです。「My-」や「罪人」とは並行した世界で描かれる、もう一つのエンディングというか。「罪人」を作ったら、「そういう壮大な流れにできるな」と考え付いたんですね(笑)。

――「大貧民」についても教えてください。さきほど、チャレンジした曲だと仰いましたが。

ryo これはノリ(で作った曲)ですね。重たいテーマの後だったので。甘いのを食べたらしょっぱいのが食べたくなる感覚です(笑)。まず、韻を踏んでみたいという気持ちがあって、そこから言葉遊びを盛り込んだ歌詞を書いたんです。最初はもう少しハードロックだったんですけど、最近、ジュディマリのTAKUYAさんと知り合う機会があって。

――アレンジにある「TAKUYA」というのは元ジュディマリのTAKUYAさんだったんですか?

ryo そうなんですよ。TAKUYAさんの家に行って、そこで「ギターはこんなフレーズでどうですか?」「いや、こっちのほうがいいよ」って感じで書いてもらったんです。そのフレーズが自分のと全く違って、そもそも音程がないっていうか、めちゃくちゃなんです。でもかっこいい。自分には真似できないというか。“変態ギタリスト”が弾くとやっぱ全然違いますね(笑)。

――相変わらずの“変態ギタリスト”ぶりだったんですね(笑)。影響も受けましたか?

ryo 影響もそうですけど、特に曲に対するスタンスが勉強になりましたね。コードが綺麗かどうかにこだわるところが少なからずあったんですけど、「聴いて良ければいいや」って吹っ切る感覚ができました。


つづく


Text/清水耕司(ボーグナイン)
2011/12/07 13:00:00