［地方］リニアの神奈川県内駅、橋本駅を正式発表　相原高が有力候補地　（2012.2.3 23:38）

　平成３９年に東京－名古屋間で先行開業予定のリニア中央新幹線の県内駅について、県と相模原市は３日、橋本駅（相模原市緑区）に誘致すると正式発表した。黒岩祐治知事は同駅前にある県立相原高校の敷地を有力候補地として挙げ、「関係者、教育委員会などに説明し意見を聞きながら検討する」と述べた。

　橋本駅を選んだ理由について、黒岩知事はＪＲ横浜線と相模線、京王相模原線の３路線が乗り入れるアクセスの良さや、相原高校敷地の利用転換の可能性から「町づくりの発展性が高い」とした。ＪＲ東海から駅設置が技術的に可能との見解も得ているという。

　今後、県と市町村や経済団体で構成する建設促進県期成同盟会の総会を年度内に開き、賛同を得た上でＪＲ東海に要請する。正式決定は来年秋にＪＲ東海が行い、２６年度中に着工する予定となっている。

　相模原市は県内駅周辺の土地利用計画を策定する作業に着手するため、来年度予算に計画を盛り込む方針で、加山俊夫市長は「ものづくり企業が集積した地域。それをさらに高め、業務的な機能も集約できる。総合力が発揮できる地域になる」と、周辺開発に期待を込めた。

　ＪＲ東海は昨年６月に公表した環境配慮書で、県内駅の位置を相模原市内の直径５キロの円で提示。橋本駅のＪＲ横浜線の隣で、相模原市役所に近い相模原駅も含まれていたが、北側に米軍相模総合補給廠があり、線路を通すのに米軍との交渉が必要となるため時間的な課題があった。

　橋本駅前の相原高校について、黒岩知事は「工事が始まれば移転も考えざるを得ない。工事のためのスペースが必要になる。相原高校の敷地は有力な候補地だと思っている」と述べた。