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仙台湾でのメロウド休漁 買い手つかぬ恐れ 宮城以北で初
宮城県漁協に所属するすくい網漁船が今季、仙台湾でのメロウド(イカナゴ)漁を休漁することが3日、分かった。東京電力福島第1原発事故に伴う放射能汚染が懸念され、水揚げしても買い手が付かない恐れがあると判断した。放射能問題で漁業者が操業中止を余儀なくされるのは、宮城県以北の海域では初めて。
仙台湾のメロウド漁は例年、2月1日に解禁。5月ごろまで石巻漁港や女川漁港に水揚げされ、食用のほかマグロやヒラメなど養殖用飼料として、西日本方面に出荷されてきた。2010年は1033トン、約7300万円の水揚げがあった。 今季は被災を免れた約40隻が出漁を予定していた。解禁前に県漁協が市場関係者に聞き取りしたところ、放射性セシウム汚染を懸念した養殖業者からの引き合いが大きく減る可能性があると分かった。 昨年11月末と、ことし1月上旬に県が行った射性物質測定調査では、セシウム濃度は1キログラム当たり61ベクレルと19ベクレルで、国の暫定基準値(500ベクレル)を下回ったものの、操業しても採算割れする恐れが強く、出漁を全面的に見合わせることを決めた。 県内の小型漁船にとって、メロウド漁はイサダと並ぶ春漁の主力魚種。石巻に水揚げしていた漁業者は「当てにしていた収入がなくなり、大打撃だ」と困惑する。県漁協は東電に賠償を求める方向で検討を進めている。 宮城県内の各港を拠点とする沿岸、近海漁業では、タラのはえ縄漁や沖合底引き網漁が、福島沖海域で操業自粛を強いられている。
2012年02月04日土曜日
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