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東日本大震災:コメ 福島12市町村100ベクレル超

 福島県は3日、県内29市町村151地区の2万3240戸の農家を対象にした11年産米の全戸検査を終え、福島市など12市町村65地区の一部農家のコメから4月適用予定の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。県は100ベクレル以下の86地区については出荷の見合わせを解除する。農林水産省と県は各市町村と協議し、2月中にも具体的な12年産米の作付け制限計画をまとめる方針だ。

 暫定規制値(同500ベクレル)超を検出したのは福島、伊達、二本松の3市9地区で既に公表済み。新たに公表された「100ベクレル超500ベクレル以下」は3市に加え、本宮、田村、白河、相馬、川俣、桑折、国見、大玉、西郷の12市町村の56地区だった。

 全戸調査は、昨年11月の検査で福島市大波地区(旧小国村)のコメから暫定規制値を超えるセシウムを検出したのを機に実施。産出米から少しでも放射性セシウムが検出された151地区を対象とし、この間はこの地区の産出米の出荷見合わせを求めていた。

 対象は同県の全農家の約4割に当たり、結果の内訳は「検出せず(検出限界値未満)」が84・3%、「100ベクレル以下」が13・2%、「100ベクレル超500ベクレル以下」は545戸で2・3%、「500ベクレル超」は38戸で0・2%。県はこの日、100ベクレル超の地区のコメについては国が示した「買い上げ」制度を利用し流通させない方針を示した。

 今春の作付けについて、政府は100ベクレル超500ベクレル以下のコメが出た地区では制限を検討する必要があるとの考えを示している。これに対し、JA福島中央会は一部地区では除染を徹底した上で作付けを行う方針だが、12年産米で基準値を超えるものが流通すれば消費者の信頼を失いかねないため、ぎりぎりの判断を求められることになる。

 JAグループは県の調査終了を受け「検出限界以下」など安全が確認されたコメの販売促進を目指す。しかし風評被害で11年産の福島米の集荷量に対する契約率は2割強にとどまっている。先月30日には卸業者に対する相対取引価格の約1割値下げに踏み切った。【乾達、清水勝、泉谷由梨子】

毎日新聞 2012年2月4日 1時01分

 

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