19世紀のドイツ帝国の初代宰相で、「鉄血宰相」として知られるビスマルクの声が録音されていたことが分かり、現存する唯一のビスマルクの音声だとして注目を集めています。
ビスマルクの声は、アメリカ、ニュージャージー州の発明家エジソンの研究所跡で55年前に見つかった、蓄音機で音を再生する筒状の「ろう管」に残されていました。アメリカとドイツの研究者が共同で調べたところ、録音されていた音声がビスマルクの声だと分かったということです。録音は、1889年にエジソンの助手が当時74歳だったビスマルクを訪れた際に行ったものとみられ、ビスマルクは、英語やドイツ語、さらにラテン語で、詩を朗読したり、歌を歌ったりしています。ビスマルクは19世紀後半、当時のプロセイン王国の首相として、ドイツ統一を目指して普仏戦争を主導しましたが、録音の中では、この戦争で破ったフランスの国歌も、短く口ずさんでいました。ビスマルクはドイツ帝国が成立したあと、初代宰相に就任して手腕を発揮し「鉄血宰相」として知られています。今回見つかった音声は、現存する唯一のものとみられ、大きな注目を集めています。ドイツのビスマルク財団の関係者は「センセーショナルな発見だ」と話しています。