経済「日の丸電機」四面楚歌 円高、洪水、欧州危機、韓国勢…2012.1.26 21:46

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「日の丸電機」四面楚歌 円高、洪水、欧州危機、韓国勢…

2012.1.26 21:46 家電
記者会見するNECの遠藤信博社長=26日午後、東京都千代田区

記者会見するNECの遠藤信博社長=26日午後、東京都千代田区

 NECが国内外約1万人の人員削減と平成24年3月期の最終赤字転落を発表し、任天堂も営業損益が赤字になる見通しだ。東日本大震災の痛手から立ち直りつつあった電機メーカーを円高やタイの洪水、海外経済の減速が襲い、今期はNECに限らず、パナソニックやソニーなども赤字転落が予想される。韓国勢の攻勢も競争力低下に拍車をかけており、かつて世界を席巻した「日の丸電機」は未曽有の危機に陥っている。

 「もともと業績がよくなかったが、欧州の信用不安で先行きが不透明になり、大幅な人員削減に踏み切らざるをえなかった」。NECの遠藤信博社長は会見で苦渋の表情を浮かべた。

 同社はタイ洪水で通信機器工場などが被災し、営業利益を90億円押し下げた。携帯電話事業も、おひざ元の日本市場でサムスン電子など韓国勢が攻勢に出て、計画未達に終わった。年間出荷台数は、650万台(期初計画740万台)から500万台へと、再び下方修正を余儀なくされた。

 世界のゲーム業界の頂点に君臨してきた任天堂も、超円高に加え、欧米景気の減速で「年末商戦の販売が見込みに届かなかった」(岩田聡社長)として、連結決算で初の営業赤字に追い込まれた。

 パナソニックやソニーなど、デジタル家電の構成比が大きいメーカーは価格下落の影響に苦しむ。特にテレビは各社とも「売れば売るほど赤字」(大手メーカー幹部)で、一部工場の生産停止や販売計画の下方修正を強いられている。

 総合電機8社の23年4~12月期決算はNECを皮切りに2月初旬までに出そろう予定だが、少なくとも3社が通期決算で最終赤字となることが確実。9月中間決算では6社が通期業績見通しを下方修正したが、「さらに下振れる」(アナリスト)可能性が高く、“赤字ドミノ”の様相だ。

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平成24年3月期連結決算の業績見通しなどを説明する岩田聡社長=1月26日、大阪証券取引所(板東和正撮影)

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