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独立行政法人・港湾空港技術研究所(神奈川県横須賀市)などのチームが水深1千メートルを超す深海底に無人探査機を派遣し、そこにすむ貝などの「家」の形を調べることに初めて成功した。1日付の英生物学誌バイオロジーレターズ電子版に成果が発表された。
貝やエビなどは海底の泥に巣穴を掘ってすんでいる。干潟や浅海では、そこに樹脂などを流し込んで型取りをして研究されてきた。しかし深海底では樹脂を流し込んでうまく固めるのが難しく、型取りの報告はなかった。
港空研の清家弘治客員研究員らは、深海底の巣穴の間近で樹脂に硬化剤を加えてから穴に注ぐ特別な装置を開発して「アナガッチンガー」と命名。水深3千メートルまで潜れる海洋研究開発機構の無人探査機ハイパードルフィンに搭載した。相模湾の水深1173メートルと1435メートルの地点で巣穴に樹脂を注ぎ、固まるのを待って約2日後に巣穴の型を掘り上げた。