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2010-02-28

科学史上最悪のスキャンダルの続き

18:24 | 科学史上最悪のスキャンダルの続きを含むブックマーク 科学史上最悪のスキャンダルの続きのブックマークコメント

こちらはMixiの日記・掲示板に1/27に載せたものですが、転載します。

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昨年、地球温暖化を巡る不正・捏造疑惑である“Climategate事件”について書いたところ、友人から早く続きを書けとせっつかれています。科学に携わる者として科学不信につながることを日記にするのは大変気が重いのですが、真実を解明し今後の教訓にする必要があるとの思いから、再びペンを執ることを決めました。前編はCalifornia大の友人が以下のBlogに要約し載せてくれました。

http://www.chem-station.com/blog/2009/12/-climategate.html


昨年11月に勃発したClimategateで地球温暖化を巡るデータ不正・捏造は世間の知るところとなりましたが[1]、今年に入ってClimategateは下火になるどころかあちこちに飛び火しています。イギリスのTimesが先週、

ヒマラヤの氷河が2035年までに溶けてなくなる可能性が高い』

という国連IPCCの報告が一人のインド人の根拠のない憶測だったことをすっぱ抜きましたが[2]、今週は、

温暖化台風や洪水等の自然災害が多発する』

というIPCCの警告に科学的根拠がなかったことを、またまたイギリスのTimesがすっぱ抜いて話題になっています[3]。IPCCはこのウソに2008年の段階で気付いていながら、訂正せずにずっと黙っていたそうで、極めて悪質。また、IPCCの代表執筆者の一人だったJohn Christy教授(Alabama大学)は、IPCC地球温暖化の恐怖を煽るため科学を平気で歪曲していたことをCNNニュースで告発していましたし、IPCCは“国際ペテン師学会”と改名すべきかもしれません。

実際のところIPCCの報告書は科学的な裏付けのない“温暖化の証拠”で溢れており、第二・第三の“ヒマラヤ”になりそうな事例を挙げると、

地球温暖化が原因とされるツバル水没は、防波堤の役目を果たしてきたサンゴ礁がゴミ廃棄で壊滅したことが原因であること[4]。

北極の氷の減少は地球温暖化ではなく海流(熱塩循環)の周期的な変化が原因であるとNASAのジェット推進研究所(JPL)のチームが突き止めており[5]、チームの予測通り2007年を境に海氷面積は増加に転じたこと[6]。

キリマンジャロの氷河の消失は130年前の気候変動による降雪量の減少が引き起こしたのであり[7]、温暖化が直接の原因でないことをタンザニア気象局も認めていること[8]。

アマゾン熱帯雨林の40%がなくなる、アフリカ農業が壊滅的な打撃を受ける・・・

IPCCが実しやかに捏造した話は他にもたくさんあります。最近はリベラルメディアCNNですら、

“本当に地球温暖化しているのか再調査する必要がある”

と懐疑的な姿勢に転じていますけど、私に言わせると、気付くのが遅い。


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上のグラフは地球平均気温の変化を表したもので(20世紀平均からの偏差)、ピンクはHadley CRUT(イギリス気象局とEast Anglia大学・気象ユニット)、青はUAH MSU(Alabama大学)の公表しているもの、共にIPCCの最重要指標です。グラフからここ10年、地球気温は低下の一途を辿ったことが分かりますが、昨冬に続いて今年もアメリカヨーロッパアジアは記録的な大寒波に襲われており、大量の死者も出しています。IPCCの発表を信じると、

地球は20世紀に0.6℃温暖化した』

そうですから、ここ10年で0.3℃の寒冷化は確かに急激な気候変動だったわけです。尤も、『20世紀に0.6℃温暖化』も、これから述べるように大ウソであった可能性が極めて高いです・・・

Climatagete事件で真っ先に炎上したのはイギリスのEast Anglia大学・気象ユニット(CRU)でしたが、本当の震源地は、Harryというプログラマー(学生?)の書いたメモ[9]を発端に明らかになりました。Harry君はCRUで世界中の気温観測ステーションのデータを整理していたようですが、Climategateで流出したメモによると、

“何てこった!(CRUの)データベースには何百というダミーのステーションが登録されている。しかも同じステーションのデータがあちこちに何度もコピーされている。こいつは糞ったれだ!”

彼はきっと、見てはいけない物を見てしまったのでしょう。CRUの使っていた気温データの多くはアメリカ海洋大気圏局(NOAA)から提供された物だったため、疑惑の目は必然的にNOAAに向けられましたが、蓋を開けてみるとNOAAこそ地球温暖化詐欺の巨大な震源地だったわけで・・・

NOAAは世界中の6,000基もの気温観測ステーションを使って(ステーション自体は13,000基存在)、地球の気温データベースを作成しており、NOAAのデーターベース(GHCN)はCRUやNASA・GISS(米国航空宇宙局Goddard宇宙飛行センター)など世界中の研究機関が利用しています。ところがメディアでも報道されているように、NOAAは温暖化を示す一部のステーションのデータだけを公表し、温暖化を示さない大多数のデータは破棄していたことが発覚。


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上の図(青線)はNOAAの公表している世界の気温のデータ数(=統計に入れられているステーション数)ですが、1980年以降、急激に減少しています。温暖化を示しているステーションだけを選別したのですから、地球気温はステーション数に反比例して急上昇しています(ピンク)。

詳細に調べてみると、1963年にアメリカでは1,850基の気温観測ステーションが稼動していましたが、80年代以降、データとして利用されるステーションはどんどん減り、2007年には僅か136基のみが稼動している状態でした。生き残ったステーションも都市化・温暖化の起きている地域に極端に集中しており、例えばCalifornia州はSan Francisco空港と、Los Angelesのダウンタウンとビーチに設置された合計4基のステーションだけ、Hawaii州に至っては飛行場に設置されたたった1基のステーションしか使われていません。


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アメリカ国外でも、例えば高山性気候で寒冷化の進むボリビアの気温観測ステーションのデータは1990年を境に統計から外されており、それにも拘らず昨年の世界温暖化マップでボリビアは顕著な温暖化を示しています(上図の青い四角)。20年間もステーションが稼動していないのにどのように気温を測定したのか不思議ですが、調べてみるとボリビアの気温は、なんと1,200 km離れたペルーのビーチとアマゾンジャングルに設置されたステーションの物がコピーされていたそうで。カナダの気温観測ステーション数も、600基から2009年には35基にまで不自然に減っていますが、温暖な地域のステーションのデータが寒冷な内陸部にそのままコピーされ使われていて(上図の緑の四角)。プログラマーのHarry君が見つけて驚いたのは、きっとこのことだったのでしょう。

観測ステーションの廃止や測定機器の故障というのならまだ分かりますが、データ上、存在しないはずのステーションには今でも観測員が常駐しNorth CarolinaのNOAA本部へデータを送り続けており(無人の物もあります)、どうやら温暖化を示さないステーションのデータはNOAA内部で蒸発してしまうようです。IPCCの次期レポートには、

地球温暖化で観測データが蒸発する』

と載るのは間違いなさそうですが、因果関係は逆。

他にも、NOAAは数々の不正を行っていたことが指摘されています。前編にも書きましたが、市民が調査を行ったところ、NOAAの気温観測ステーションはエアコンの排熱口の近くやアスファルトの駐車場の上など暑い場所に移動されており、全米のステーションのなんと89%が不適切な場所に置かれていたことが発覚しています[10]。

また、NOAAの公表している気温データ自体、不自然な補正の施されていることが多くの研究者によって指摘されています。NOAAはステーションの原データではなく、標高や天候などローカルな要因を“補正”したものを公表していますが、どのような補正を行っているのか公開していませんし、原データの公開については頑なに拒否していました。この補正が科学的手法だったのか、それとも完全な捏造だったのか、他の科学者は知る由もないわけで。

NOAAの補正に疑問を抱いた研究者らは、幾つかの温度観測ステーションに乗り込んで原データの調査を行ったところ、驚くべきことが分かりました。


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上のグラフはCalifornia州Davis市の温度観測ステーションの原データ(青)と、NOAAが公表している補正後のデータ(赤)。原データでは長期的な寒冷化が見られますが、補正後のデータではなんと顕著な温暖化が現れています。オーストラリアニュージーランドのデータも同じで、見付かった原データはいずれも温暖化を示していませんでした。


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上図はニュージーランドの気温変化、上がGHCN発表(NOAAの補正が施されたもの)、下が生データ。 下図はオーストラリアDarwin空港の近くのステーションのデータ、赤がGHCN発表で、青が生データ。


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(恐らく証拠隠滅のため)原データの多くが既に破棄されており断定はできませんが、どうやら地球温暖化はNOAAの“謎の補正”によって生み出された物であり、どのようなクライテリアで補正を行ったのかNOAAが公表しない限り、本当に地球温暖化が起きていたのか評価出来ません。 NOAAの観測データはCRUやNASA・GISSが発表している地球気温のベースにもなっており、

『200X年は観測史上X番目に暑かった』

というNASAの発表も、もはや全く信用できないわけです。

ではNOAAだけが悪者で、CRUやNASA・GISSは騙されていただけかというと、どうやらそれも違いそうです。Phil Jones教授などCRUの連中は科学ジャーナルの査読プロセスを政治力で支配し、温暖化に否定的な論文の掲載を拒否し“懐疑派”の粛清を行っていましたし、イギリス気象局(UK Met Office)と共謀し温暖化に不都合なデータを隠蔽・改竄・破壊していたこともメディアで報じられています。NASA・GISSのJames Hansen所長も“補正”や原データについての情報公開請求を悉く無視していましたから(情報公開法違反で訴訟になっています[11])、結局、みんなNOAAのデータ不正・捏造を知った上で利用していたのでしょう。

温暖化研究でNOAAは年間4億ドル、NASAに至っては年間13億ドルもの助成金を得ています。 温暖化の警鐘を鳴らすほど得る物も大きいわけで 、IPCCを含め業界の中枢部が金で完全に腐っていたのでは、というのが私の印象です。

地球温暖化がここまで大きく叫ばれるのはもちろん利益を得ている人間がいるからで、ノーベル平和賞のAl Goreは温暖化ファンド原発絡みで1億ドルも荒稼ぎしていましたし、IPCCのRajenda Pachauri議長も温暖化ビジネスで一財産築いており[12]、メディアによって金の流れが明らかにされれば地球温暖化詐欺の構図が自ずと見えてくるのではないでしょうか。

先週の欧州議会ではイギリス選出のGodfrey Bloom議員温暖化詐欺をブラックユーモアで痛烈に批判しており、ニュースを見ていて思わず笑ってしまいました。

http://www.youtube.com/watch?v=2TOFe85cmAE&feature=player_embedded

Obama政権は“グリーン・ニューディール政策”とやらに1,500億ドルもの巨費を注ぎ込もうとしていますし、ヨーロッパ各国も多額の税金温暖化対策に費やしています。日本も産・官・学を挙げて二酸化炭素削減に突っ走ろうとしていますし、CRU、IPCC、NOAA、NASA・GISSなど、温暖化研究の頂点に君臨する研究機関が共謀し世界中を騙していたのは、まるでオペラファルスタッフ』のフィナーレのよう。

“Tutto nel mondo è burla!(世の中すべて冗談さ!)”

Climategateに限らず、科学の世界ではデータ不正・捏造が後を絶ちませんが、それらの多くは個人の不正に過ぎず、今回のClimategateは業界がグルになって悪事を働いていたという点で科学界に与える後遺症は測り知れないでしょう。科学に携わる者としてこれ程の無力感に打ちのめされたことはありませんが、科学の不正は科学によって正すしかないことは認識しているつもりです。

いずれにせよ、今後暫くはFBIとScotland Yardに頑張ってもらうことにして、私はこの辺でペンを置きたいと思います。


References:

[1] S. Mosher and T.W. Fuller, Climategate The Crutape Letters, Amazon Digital Services (2010).

[2] http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article6991177.ece

[3] http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7000063.ece

[4] 小林泉, 国際開発ジャーナル2008年8-11月号『水没国家ツバルの真実』.

[5] J. Morison et al., Geophys. Res. Lett. 34 (2007) 07604.

[6] http://www.ijis.iarc.uaf.edu/jp/seaice/extent.htm

[7] T. Mölg et al., Int. J. Climatol. 28 (2008) 881.

[8] http://www.wmo.ch/pages/prog/wcrp/pdf/3.7_Adosi_Resilience_JSC-28_Afr_28.03.2007.pdf

[9] http://www.anenglishmanscastle.com/HARRY_READ_ME.txt

[10] http://scienceandpublicpolicy.org/images/stories/papers/originals/surface_temp.pdf

[11] http://pajamasmedia.com/files/2009/11/DOC112409-001.pdf

[12] http://www.telegraph.co.uk/news/6847227/Questions-over-business-deals-of-UN-climate-change-guru-Dr-Rajendra-Pachauri.html

※以下のページで、NASA・GISSが公開している気温観測ステーションを調べることが出来ます。例えば世界地図で日本をクリックすると、日本に点在する観測ステーションの多数が1990年を境に統計から外されていることが分かります。ステーション自体は存在し続けており、(恐らく都市化による温暖化を強調するため)アメリカのステーションと同様の恣意的な選択がなされたわけです。

http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/

はれほれはれほれ 2010/03/01 18:00 こんにちは、はれほれと申します。はじめまして。いちおう名ばかりの気象予報士です。(笑)
私もCO2による人為的温暖化説には疑問を持っています。大変興味深い話題をありがとうございます。
ところでnytolaさんはPeterson & Voseの下記論文は読まれたことがおありでしょうか?これを読むとどうやらリアルタイムで入ってくるステーションは3000箇所くらいで残りは数年から数十年経ってからデータに組み込まれているようです。私も英語は不得意でかつ統計学は全く駄目なため理解できない部分も多いので恐縮ですが・・・・。NOAAやNASAがデータをピックアップしているのではなくて速報として入ってくるデータが都市部に集中している印象です。(インフラの整備を考えると納得ですが)まあもし仮にそうだとしも、そんなデータで今年の○月は史上何番目に暖かかったなどという発表には意味がないように思えます。nytolaさんのご意見を伺えれば幸いです。
参考論文
http://www.ncdc.noaa.gov/oa/climate/research/Peterson-Vose-1997.pdf

jackbox5jackbox5 2010/03/01 18:31 初めまして。これと同じ記事を別のホームページで読んだことがあります。クライメートゲートは日本のマスコミはほとんど報道しませんので大変貴重な情報です。
さて以前から質問したかったことがあり急遽アカウントを作りましたので(笑)お返事いただけると嬉しいです。

1:大気中CO2濃度と世界気温偏差のグラフについて。
人為起源のCO2排出が大気中CO2濃度上昇の主因ではないということですが、確かに人間由来のCO2排出は自然界全体の僅か3%に過ぎない言われています。ただBlog中のグラフ(もしくはキーリングの有名なグラフ)から分かるのは、短期間のCO2濃度の変動が海水による吸収・放出であるということで、CO2温暖化説で言われている長期(例えば100年)での濃度上昇が必ずしも海水からの放出とは言えないと思いますがどうでしょうか?

2:CO2温暖化の理論について。
Blogの内容とは直接関係しませんが、程度はともかくCO2が温暖化の原因であることは多くのシミュレーションが支持していました。一方、最近の地球はCO2濃度が上昇しているのに寒冷化が進んでおります。シミュレーションはデタラメだったのでしょうか?

どうかよろしくお願いします。

nytolanytola 2010/03/01 22:01 はれほれさん、こんにちは。
ご指摘のペーパーはJoseph D'AleoとAnthony Wattsのレポートでも参照されており一度斜め読みしたことありますが、もう一度ちゃんと読んでみました。ペーパーが書かれたのは1997年ですが、直近で気温観測ステーション数ががくんと減った理由が論文中のFig.2の説明に小さく書かれてあります。
“because some of GHCN's datasets are retroactive data compilations (データを得るのに時間がかかる)”
仰る通り、リアルタイムで入ってくるのは3つのデータソースだけらしいです(どれだか明記してありません)。
いずれにせよ2008年の段階でも90年頃に大幅に減ったデーターベースの観測ステーション数は全く復活していませんから、GHCNではデータを運ぶのに20年近くかかるようです。恐らく歩いてステーションまで取りに行っているのではないでしょうか?D'AleoとWattsのレポートによると、データを送り続けているステーションは『低緯度で標高が低く都市部』に偏っているとのこと(このレポートはあまりに衝撃的ですから、どなたか日本語に翻訳すべきだと思います)。
NASA・GISSのHPで調べると気象庁が提供している日本の田舎のステーションの大半も1990年以降に止まっていますが(何故か大都市のデータはちゃんと記録されています)、こちらは“Quality Control(品質管理)”で落とされた可能性が高いですね。日本のような未開の国で測定されたデータなんて信用できず・・・そんなわけないですよね。
別の方が指摘していたのですが、大島は90年に統計から外されていますが、93年に何故か復活しています。大島のグラフを見てみると90年以前に対して93年以後は1℃も気温が上昇していますが、何故このような特殊なケースを復活させたのかは謎です。データの連続性という意味で、それこそQuality Controlで落とすべきだと思うのですが。

nytolanytola 2010/03/01 23:24 jackbox5さん、こんにちは。
かなり専門的になりますが、出来るだけ分かりやすく答えてみます。

1.
排出されたCO2が海洋や森林に吸収されるまでの時間を“滞留時間”と呼ぶのですが、滞留時間は5年だと言う研究者もいれば200年だと言う人もいます。
滞留時間が重要なのは、滞留時間が5〜15年であれば100年スパンで続いている現在のCO2の増加が人間由来であるとは考えにくく(寧ろ温暖化の結果と考えるべきでしょう)、逆に50〜200年であれば人間が排出したCO2が大気中に蓄積していると考えるのは自然です。昨年、真面目に計算すると5年だという論文をEssenhighが出していましたが、滞留時間は5〜15年という合意が出来つつあるように思います。(Essenhighによると、50〜200年という長い滞留時間は自然界起源のCO2を過小評価しているとのこと。)
CO2と気温の因果関係を調べるには滞留時間と同じ時間スケールで両者を比べる必要があり、(滞留時間5〜15年を信用して)先のグラフを見ると確かに気温変化の方がCO2濃度変化に先行していますから、海水温の上昇に伴ってCO2が大気中に放出されたと考えるのは自然です。もし滞留時間が200年であれば、もっと長い時間スケールで両者を比較する必要があり、話は変わってきます。
下の槌田・近藤氏の論文によると現在の気温では海水からのCO2放出が支配的ですが、0.6℃くらい寒冷化が進めば大気中のCO2濃度の上昇は止まるらしいです。もしそうなれば、CO2人間活動起源説は完全に否定されるでしょう。
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/saiban/rep01.pdf

2.
さっき、はれほれさんのHPを見ましたが、この話は彼の方が詳しいのではないかと思います。
答えを先に言うと、『そもそも地球温暖化のモデルが間違っているから』ではないでしょうか。
温室効果とは暖められた地表から赤外線が放射され(黒体放射という現象です)、それが大気によって吸収されて起こります。地球で最も重要な温室効果ガスは水蒸気で赤外線の大部分を吸収しますが、波長8〜14μmの赤外線は吸収されません(大気の窓)。従ってこの波長域を吸収できるかどうかが温室効果ガスの指標となり、CO2は大気の窓に近い15μmに吸収端を持つため、温室効果ガスと言えます。
ところが衛星による観測や理論計算によると、CO2による15μmの吸収は現在のCO2濃度でほぼ飽和しており、これはCO2濃度が上がっても気温上昇はほとんど効かないことを意味しています。例えばCO2濃度を現在の30倍の1万ppmにしても赤外線吸収(=温室効果)は僅か5%ちょっとしか増えませんし、これではCO2による地球温暖化は起きません。
それに対して温暖化論者は“放射平衡モデル”を提唱しています。これは簡単に説明すると、
『CO2に吸収された15μmの赤外線はすぐに放出され、次のCO2によってまた吸収・放出され、何度も吸収・放出を繰り返すうちに赤外線は地表にぶつかり地球が温暖化する』
という考え方。このモデルではCO2の濃度が上がれば上がるほど温暖化に効いてきます(光学的距離が長くなるから、と説明されます)。
ただこのモデルには致命的な間違いがあり、それは、
『CO2に吸収された15μm赤外線は下層大気では再放出されない』
何故かと言いますと、大気中では赤外線を吸収したCO2はすぐに他の分子(N2、O2など)と衝突し、吸収したエネルギーを他の分子に(運動エネルギーとして)渡してしまうからです。15μm赤外線は単純にCO2に吸収され周りの空気を暖めるだけですから、CO2による吸収が飽和している以上、CO2濃度が増えても地球はほとんど温暖化しません。(真空や気圧の極端に低い環境であれば、赤外線は再放出されます。)
放射平衡モデルはシミュレーションしやすいため温室効果の計算に使われますが、物理的にはありえないモデルなわけです。
私は物理屋ですが、この辺の感覚が物理屋と環境屋の違いかな、という気がしています。

難解な説明ですみません、間違っていましたら、どなたか指摘して下さるとありがたいです。

はれほれはれほれ 2010/03/02 07:54 こんにちははれほれです。早速のお答ありがとうございました。単純に
リアルタイムデータだけの問題ではないということですね。気象庁に問
い合わせてNOAAやNASAに送っているステーションを確かめてみること。
これをやってみようと思います。もしデータを送っているにもかかわら
ず使用されていなければNOAA独自の「品質管理」が行われた可能性が高
いということですね。
>GHCNではデータを運ぶのに20年近くかかるようです。
>恐らく歩いてステーションまで取りに行っているのではないでしょうか?
確かに。笑えます。
私自身pajamasmediaのD’Algoの短文を読んだだけで、D'Aleo & Wattsの
レポートは知りませんでした。100ページを超えるレポートですが、
がんばって読んでみます。

jackbox5さんの最初の質問ですが、。
>短期間のCO2濃度の変動が海水による吸収・放出であるということで、
>CO2温暖化説で言われている長期(例えば100年)での濃度上昇が
>必ずしも海水からの放出とは言えない
槌田氏または近藤氏はどこかで「長期の変化は短期変化の積分である。」と
述べておられたような記憶があります。すみません、私自身数学ができない
でよく理解できていないのに横から失礼しました。

温室効果についてですが、確かにIPCCはじめ温暖化を支持する人は「再放射」
を主張していますが、nytolaさんのおっしゃるようにこれはほとんど起こりま
せん。しかし下層大気に関しては「局所熱力学平衡」という状況が成立してい
るそうです。ここのTheorySurgery氏のブログに詳しいです。
http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-82.html#more
したがって「地表面の熱を吸収してそれを再放射する」ということは確率的に
低くほとんど起こりませんが、逆に頻繁に衝突が起こることによって励起、放
射が起こっているということのようです。こちらのブログにその辺のことが書
かれています。
http://d.hatena.ne.jp/t0m0_tomo/20091208/1260295673
このブログ主は懐疑派を小馬鹿にしていますが、実はIPCCなど温暖化論者はそ
れ以前のところで間違っていることに気づいていません。(笑)たとえば
「Greenhouse Gases ;Gases in the earth's atmosphere that absorb and
re-emit infrared radiation.」
この方はチャンドラセカールの教科書を紹介してくださっているのですが、
残念ながら私には猫に小判です。(質問者は私ではありませんが)いまだにどれ
くらいの気圧で「局所熱力学平衡」が成立しなくなるかということが、よくわ
かっていません。

jackbox5jackbox5 2010/03/02 11:40 nytolaさん、はらほれさん、大変ありがとうございました。

人間活動によるCO2排出が自然界の僅か3%に過ぎませんし、そうであるならIPCCのように産業革命以降の人類の積算排出量から現在の大気中CO2濃度を求めるのはまったく意味がないと思います。CO2濃度が増加すると、CO2の吸収も増加しますから。

またCO2温暖化説の原理と間違いをこれほど分かりやすく説明してあるのは見たことがありません。
温暖化の理論でなぜ再放射が強調されるのかよく分かりました。CO2からの再放射なしでは吸収が飽和しているので大気中のCO2濃度が増加しても温暖化しないのですね。
ところがCO2は再放射しないと。間違った仮定でシミュレーションを行ってもうまくいくはずはないということ。
温暖化説はCO2で地球が温暖化するという結論が先で、それに合わせて理論のつじつまを合わせているように思います。現象を見ていないからどこかで破綻してしまうのでしょう。

IPCCやNOAAの捏造は罰せられないのでしょうか?科学的な議論ではなくて、これは犯罪だと思います。世界中がどのくらい費やしたのか考えたくないですね。

nytolanytola 2010/03/02 19:23 はれほれさん、

私も日本の観測ステーションのデータの多くが90年頃を境に更新されていないのは何故か、NOAAに問い合わせてみます。

> 逆に頻繁に衝突が起こることによって励起、放射が起こっているということのようです。

CO2の励起状態の寿命(=赤外線吸収から放射までの時間)が4ミリ秒と長いため(吸収断面積から計算しましたが、まあミリ秒のオーダーでしょう)、気圧が高いとその前に他の分子との衝突でエネルギーを失い赤外線放出はほとんどおきませんが(衝突頻度は1気圧で100ピコ秒のオーダー)、気圧の低い上空では再放射され下層大気を暖めるかも、という話ですね。
地表の熱が上昇気流によって上空(〜80km)まで運ばれ、CO2などの温室効果ガスを分子衝突で励起し、そこからの15μm放射が地球を暖めるという何とも強引なモデルが提唱されていますが、そのシミュレーション結果がIPCCの第4次評価報告書(2007)に採用されています。

http://scienceandpublicpolicy.org/images/stories/papers/monckton/whatgreenhouse/moncktongreenhousewarming.pdf

p.6にあるのがIPCCで採用されたシミュレーション結果、5つのモデル全てがCO2の温室効果で赤道上空8〜12kmの温度上昇を予測していますが、p.7のUK Met Office(Hadley Center)の気球観測ではそんなものは観測されませんでした。温暖化論者は、観測が間違っているんじゃないかと本末転倒なことを言ってますが、もちろんモデルが破綻しているのが原因なのは言うまでもありません(どこが間違っていたかは、いろいろ議論があります)。

> このブログ主は懐疑派を小馬鹿にしていますが…

そのBlog、読んで笑ってしまいました。“局所熱力学平衡”と“放射平衡”がゴチャ混ぜになってますね。きっと大学で熱力学の時間に寝ていたのでしょう。でも江守氏ですら、
“CO2同士の放射・吸収の回数が増えることで温室効果が増大する”
と間違いを平気で言っていますが、温暖化論者の物理・化学のバックグランドのなさにはびっくりします。

nytolanytola 2010/03/02 19:24 jackbox5さん、

> 積算排出量から現在の大気中CO2濃度を求めるのはまったく意味がない…

全く意味がないわけでもないですが、積算排出量から単純に現在のCO2濃度を計算することはできない、とは言えると思います。何故ならCO2の滞留時間は高々5〜15年と見積もられており、CO2はどんどん入れ替わるため、話はそんなに簡単ではないですから。

> CO2で地球が温暖化するという結論が先で…

仰るとおりです。科学は結論を求めて研究を続けるのに、温暖化説では『CO2で地球が温暖化している』という結論がまず先にあり、シミュレーション屋は物理や化学の法則を多少ねじ曲げてでも、地球温暖化という最終結論が得られるべくモデルを強引に組んでいます。

> IPCCやNOAAの捏造は罰せられないのでしょうか?

私は法律の専門家ではないので。でも英米のメディア・議会の温暖化詐欺への追及は激しくなっていますし、IPCCの崩壊は近いのではないでしょうか。内部からもIPCC批判が公然と行われるようになりましたし、最近は地球温暖化の論文を慌てて取り下げた研究者もいて、随分と風向きが変わりました。

http://www.nature.com/ngeo/journal/v3/n3/full/ngeo780.html

ClimategateやIPCCの不正について産経が記事にしていましたし、日本でもCO2温暖化説への自由な反論が行なわれるようになると思います。

仙 2010/03/02 22:46 はじめまして。

 アル・ゴアさんの「不都合な真実」に書いていない最も不都合な真実とは、
”地球温暖化とはデマである”ということです。

 という冗句を常用している、田舎者です。
排出権取引というものを、胡散臭い物だと思っているせいで上記の冗談を思いついたのです。
このブログがとても面白かったので、時々寄らさせていただきたいと思います。

よろしく。

nytolanytola 2010/03/03 00:21 仙さん、こんにちは。地球の裏側からですが、こちらこそ宜しくお願いします。

でもそれ、ジョークじゃなくて本当ですよ。

Al Goreが地球温暖化の講演をすると大寒波や大雪となったため、アメリカでは“Gore効果”と呼ばれています。Gore効果は2006年に発見され、Al Goreが夏直前のオーストラリアで講演を行ったところ雪が降りました。なお2004年1月15日のNYが最初という説もあります。ここ2年間に観測されたGore効果を列挙すると、

2008
1/17 Baltimoreにて温暖化抗議デモ行進。Marylandは雪。
10/22 Harvard大学で講演。Bostonは過去125年で最悪の大寒波。
10/28 Londonでディベート。Londonの10月の降雪は1922年以来。
12/10 イタリアで講演。Rome、Naples、Palermo、Sicilyに寒波襲来。

2009
1/28 上院で証言。Washington DCは寒波
2/5 New York州Buffaloにて温暖化会議。気温-6℃。
3/2 首都Washingtonにて温暖化抗議デモ。Washington DCは大雪。
7/13 オーストラリアにて環境保護団体立ち上げ。Melbourneは零度。
10/9 Wisconsinにて会議。Al Gore到着と同時に記録的な最低気温。
11/4 著書『私たちの選択』発売。この冬、全米が異常な豪雪と大寒波。
11/22 オーストラリアにて温暖化の危機を訴えるデモ行進。寒波で一日で中止。
12/7 COP15へ出発。全米各地で記録的な大寒波、ありえない場所で積雪。
12/15 Copenhagen、北極の氷は5年で溶けると講演。14年振りのホワイトクリスマス。
12/20 New York到着。1888年以来というブリザード。“Let it Gore”と歌われる。

2010
2/8 NOAA気候変動の新機関を立ち上げ。首都Washingtonは記録的な大雪。
2/9 上院の地球温暖化公聴会が中止。ありえない大雪のため。

Gore効果はObama大統領やPelosi下院議長にも見られるという報告もなされています。

nytolanytola 2010/03/03 02:49 他のところで尋ねられましたが、このBlogの記事の転載・引用はご自由にどうぞ。

ただし、二酸化炭素が地球温暖化の原因でない、地球は寒冷化している、などはあくまで一つの考え方に過ぎず、出来るだけ多くの情報を探し自ら判断して下さるようお願いします。
インターネットが普及して良かったことは、誰でもその気になれば正しい情報にたどり着けるようになったこと。20年前であれば、メディアのほとんど報道していない状況でClimategateや地球温暖化のウソを市民が知る手段はなかったでしょう。

私が科学が好きなのは、紆余曲折を経たとしても、いつか真実が認められるからです。地球温暖化の科学が今後どう決着するか分かりませんが、Climategateのおかげで懐疑派が弾圧・排除されることはなくなりました。

純粋な科学には完全な自由が必要。
一科学者として、多くの議論を経て科学的合意へ向かうことを望みます。

仙 2010/03/04 05:21  地球温暖化肯定論者なら、
「ある局面で気温が低下する事はある。
若干の寒冷な気象があろうともそれは、大きな気象変動に伴うゆらぎの様な物だ。
明らかに地球は温暖化しており、これは揺れ戻しみたいなものだ」
と言ったりしてね。

 私は無教養な田夫でありますが、地球温暖化説には、
「君達、あんまり段取りが良過ぎるのじゃないですか?
科学ってそんなに簡単に仮説が検証できるほど安直で、
唯一の対処方法が確定されるほど万能なものなのですか?」
ということを質問したいと思っています。

 私はローブラウな者ですから、科学はわかりません。
ですが、友人の子が難治性の血液疾患を患ったために
”骨髄バンクを作ってください運動”をした事があります。
その時知遇を得た医師たちの、病気の原因や機序や探る真摯な姿、
また治療法の確立に向けた努力に感銘を受けました。

 この「地球温暖化説」をみると、
仮説があります。
証明されました。
対処方法はこれです。
というステップがあまりにも軽い。

何千・何万の症例がある病気でもあんなに苦闘している。
地球というものは人体よりも複雑だと思うのだけれども、
(たった一つの症例しかない)
地球の自明な治療法というものがあるものなのですか?

ということを問いたいと思います。

nytolanytola 2010/03/04 19:28 仙さん、随分と鋭いご指摘ありがとうございます。

> 科学ってそんなに簡単に仮説が検証できるほど安直で、
> 唯一の対処方法が確定されるほど万能なものなのですか?

そこなんですよ。気候は複雑系で、簡単に理解できないです。

> その時知遇を得た医師たちの、病気の原因や機序や探る真摯な姿、
> また治療法の確立に向けた努力に感銘を受けました。

観測結果や反論を真摯に受け止め、間違いは素直に認めること。メディアや政治サイドの責任もありますけど、今になって振り返ると、温暖化研究では科学者として謙虚な姿勢が欠けていたんだと思います。

IPCCにも温暖化論者にも『人間が排出したCO2で地球が温暖化している』という絶対的な結論があり、懐疑論はエセ科学と断定され議論にすらならなかった。
温暖化の科学では都合の良い物理・化学現象を探して来て、モデルを組んではシミュレーションが行われています。しかし個々の過程を詳しく見てみると、ほとんどのモデルがどこかで破綻している。先に挙げた放射平衡モデルでは、
『日光で暖められた地表から赤外線が放射され(黒体放射)、それをCO2が吸収・再放出を繰り返し・・・』
と一見“科学的”に見えますが、問題点を挙げると、

・対流圏(地表から高度11kmまで)では地表からの熱は主に空気の伝導や対流で伝わるのであり、放射電熱が支配的なわけではない。
・(先のコメントでも挙げましたが)下層大気で赤外線の再放出はほとんどなく、赤外線を吸収したCO2は他の分子と衝突しエネルギーを失う(無放射緩和過程)。

物理的に破綻しているわけです。
シミュレーションでは実際の観測結果(CO2濃度と気温の相関、過去の気象変動など)とうまく合うようパラメーターを調整し辻褄合わせしますが、物理的に正しくないモデルを使っている以上そんな物は未来予測には使えないと、まともな物理屋なら考えます。
でも反論すると、懐疑派として潰される。

> 地球の自明な治療法というものがあるものなのですか?

かなり難しいです。
現在、温暖化しているのか寒冷化へ向かっているのかすら分かりませんから。最近言われているように地球が寒冷化しているのなら食糧増産など対策を考えるべきですが、過去の気温データが信用できない以上、過去と比べてどの程度の寒冷化なのか評価できません。その意味でデータを不正操作していた連中の罪は、極めて重い。
正直なところ、あまりに酷い連中が権力を握ってしまったのが地球温暖化だったと思います。

nytolanytola 2010/03/05 00:00 補足説明ですが、将来の温暖化予測や天気予報など『気象』について、物理は『大変良く分かっていると同時にあまりよく分かっていない』のが実状だと思います。
(ここではモデルが間違っていないとして話を進めます。)

気象はナビエ・ストークス方程式で記述され(数値計算にはプリミティブ方程式もよく使われます)、そういう意味では既に完成された学問だと言えます。ただ問題なのは、ナビエ・ストークス方程式は非線型方程式であり“複雑系”。気象は微分方程式として記述できるものの、具体的な解をもとめるのはとても困難です。
ナビエ・ストークス方程式をコンピューターシミュレーションで解くため、有限差分法・有限要素法・スペクトル法などの手法が生み出されましたが、コンピューターシミュレーションは局所的な天気予報など『領域モデル』ではそこそこの成功を収めているものの、グローバルな『全球モデル』の精度は散々でした。

ところで、地球温暖化で問題とされている“微量の二酸化炭素による温室効果”は昔から反論も多く、コンピューターシミュレーション以外に理論的サポートがなかったのも事実。それなのに学会やIPCCはシミュレーションの将来予測を過信し、突っ走ってしまったのが現在の悲劇に繋がったのでしょう。
物理の名誉のために言うと、温暖化予測が外れたからと言って気象学の基礎となるナビエ・ストークス方程式が間違えていたというわけではないです。気象とはシミュレーションで予測するのが難しいシステムである、ということなのでしょう。

はれほれはれほれ 2010/03/05 05:06 ご報告

こんにちは、はれほれです。気象庁から回答がありましたのでお知らせします。

「各国気象機関では、世界気象機関(WMO)の枠組みに従って気象観測
データを交換しています。
気象庁でもこの枠組みに従って世界にデータを発信しており、月平均気温
は53地点(昭和基地も含む)のデータを送っています。
これらの地点のデータは、年ごとに若干の増減はありますがGHCNにも
概ね収録されています。
2009年については、盛岡、長野、水戸、津、徳島の5地点がGHCNに収録
されていませんでした。」

日本の場合はドロップアウトは少なく本土に限ると47/52という結果でした。
他の46地点がどこかというのと送信した年代(いつからいつまで)を引き続き
問い合わせ中です。日本の場合は都市化の影響が大きくはずす必要がないと
いうことでしょうか?ロシアやカナダの高緯度地域のドロップアウトがデータ
が送信されているのにかかわらずなのか、単に送信されてないからなのかが
GHCNの正当性を論じるうえで重要なポイントになりそうです。D'Aleo & Wattsの
レポートではアメリカ合衆国自体のデータにおいて内部で恣意的なドロップアウト
が行われているようです。やっぱり前者の確率が高いように思いますがいかがで
しょうか?

nytolanytola 2010/03/05 18:51 はれほれさん、どうもありがとうございます。
私もNOAAのGHCN(全球気温・降水量データセット)に対し、日本の個々のステーションのデータが欲しいとメールしました。

> 気象庁でもこの枠組みに従って世界にデータを発信しており、月平均気温
> は53地点(昭和基地も含む)のデータを送っています。

気象庁はWMO(世界気象機関)を通してGHCNに観測データを提供しており、GHCNに登録されている日本のステーション数は世界で4番目に多い165基。
GHCNのデータにUSHCNが補正を加えたものはNASA・GISSで公開されていますが、日本国内では148個の観測地点のデータが公開されています(稚内から室戸岬までが日本)。

http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/station_list.txt

アジアのステーション数の変化をグラフにしたのがこちらですが、日本も含め1990年に謎の急降下。

http://82.42.138.62/GHCN/images/Raw_Asia_Stacked.png

気象庁は日本各地に1,300基のアメダスを設置していますが、WMOに送るデータの数が減ったのでしょうか?
1990年は世界中で観測ステーションが一斉に蒸発した年。時代の進歩や地球温暖化への注目と共に観測ステーションは世界的に整備されたはずなのに、変ですね。

http://82.42.138.62/GHCN/images/Raw_AllWMORegions_Stacked.png

日本に話を戻すと、NASA・GISSで現在でもデータが記録され続けているのは、38都市。
釧路、根室、網走、浦河、旭川、札幌、函館、若松、寿都、稚内、青森、東京、前橋、銚子、仙台、大島、鳥取、輪島、新潟、名古屋、御前崎、金沢、大阪、舞鶴、潮岬、高松、名古屋、高知、松山、広島、松江、福江、宮崎、大分、鹿児島、長崎、福岡、名瀬(見落としがあるかも、どなたかチェックお願いします)。
あちこちで指摘されているように、“標高が低く都市部”に集中しているように見えます。(標高300m以上の観測点のデータが落とされていることが指摘されています。)

気象庁は、以前は世界平均気温を求める際にGHCN(NCDC)のデータを使っていたようですが、NCDCのデータは月により観測地点の場所や数が凄まじく変動するため(約300〜3900地点)、2001年以降は月気候気象通報(CLIMAT報)のデータに切り替えています。観測地が先進国に集中し都市化による影響は考慮されていないですが、何をやっているのかわからないGHCNよりましとの判断でしょう。

> ロシアやカナダの高緯度地域のドロップアウト…

ロシアはデータを送ったのに、HadCRUTは都市部のデータ(全体の1/4)しか使わなかったと文句を言っていますね。本当に怪しい話ばかりです・・・

nytolanytola 2010/03/06 01:07 この冬はアメリカ・ヨーロッパ・アジアが大寒波に襲われましたが、(Blogでも取り上げた図に使われている)衛星を使った下層対流圏の気温観測である“UAH MSU”が、ここ2ヶ月は急激な温暖化を示しています(一年前と比べて+0.4℃)。
これには正反対の二つの解釈が出来、

(1) 統計的に有意と断定はできないものの、現在の寒冷化が終わろうとしているという見方。
(2) 同様の現象が98年のエルニーニョの際に観測されており、エルニーニョに付随した現象であるとの見方。

温暖化論に立てば『エルニーニョは地球温暖化によって増える』ですが、立証されてはいません。温暖化は人類にとってメリットが多いですから(1)であればいいのですが、観測を行っているRoy Spencerたちは(2)の見方を取っています。彼らの観測では対流圏の気温が上昇し始めたのが昨年7月頃であり、確かにエルニーニョと一致しています。
一般的にエルニーニョの年は暖冬で(実際にそう予測されていました)、エルニーニョでなければ大寒波の被害はこんなものではなかったと言っている研究者もいますが、正直なところよく分かりません。アメリカ南部はエルニーニョの年に逆に寒いことが多く、Texasで109年振りに雪が降ったのは地球寒冷化とエルニーニョによる厳冬の相乗効果じゃないかと個人的には見ています。

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/03/06 07:33 貴兄のブログへのリンクを小生が投稿した掲示板に貼らせていただきました。

http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/394.html

日本では東京大学を相手取って以下の裁判が進行中です。

http://env01.cool.ne.jp/global_warming/saiban2/houkoku01.htm

原告は2007年2月に日本物理学会誌に以下のURLからPDFが入手できる論文を発表しています。

http://env01.cool.ne.jp/index02.htm

小生は現在住んでいる県の環境農政部環境計画課に以下のような問い合わせをしました。

「環境農政部 環境計画課では「climategate」事件をご存知の上で、「地球温暖化対策」を推進されているのでしょうか。」

これに対する回答が以下です。

「2010年2月15日に問い合わせフォームから送信していただいた内容につきまして回答します。

 人為的な温室効果ガスの排出に起因する気候変動問題に係る科学的知見への対応の必要性については、コペンハーゲン合意にもあるように、世界的に広く共有された見解であり、我が国をはじめ、世界各国が取り組んでいるところです。また、国は本年1月にこの合意に基づき中期目標を国連に提出しており、県としても、こうした国の目標の達成に地域から貢献する必要があると考えております。

なお、これらの政策決定に際して、広く参照されているIPCCの第4次評価報告書について、誤りが報告されていることは承知しておりますが、こうした情報の評価にあたっては、科学的な知見に基づく議論が適切な手続きに即して行われるべきものと考えており、関係機関の対応を見守りたいと考えております。」

地方公務員からはこのような回答しか得られないのかもしれません。

日本のマスコミでは産経新聞の古森氏のような一部の方しかまともに「climategate」事件を記事にしておりません。

小生は自分の人脈を総動員して「climategate」事件の情報を広めるように努めています。例えば元内閣府科学技術政策担当審議官には詳細に事態は伝わっております。なんとか、「排出量取引」と「環境税」の成立を阻止したいと考えています。米国の情報を逐次、この日記に記していただければと存じます。

以上

nytolanytola 2010/03/06 13:45 アメリカでも多くの人たちの間で地球温暖化は科学ではなく信念と化していましたが、やっと皆、目が覚めたようです。

日本が未だに温暖化一色であることは知っていますし、その裁判の話も聞いていました。
私は東大・元総長の小宮山さんの講義は学生の頃に取りましたし、彼は私のことを覚えていないでしょうけれど、随分と鍛えてもらった。今では温暖化研究の中枢にいる友人もおり、こうして地球温暖化の不正を追究するのは何とも複雑な気分です。

あやふやな科学が政治的に既成事実化され世界中が盲目的に走ってしまい、日本も完全に振り回されました。でも遅かれ早かれ、虚構で塗り固められた権力は崩壊する。
私も地球温暖化の科学が怪しいことや一連のClimategate騒動について、マスコミや霞ヶ関の友人たちには伝えています。

nytolanytola 2010/03/07 21:23 下の文書はアメリカの議会で、Inhofe上院議員らが提出したClimategateの報告書。

http://epw.senate.gov/public/index.cfm?FuseAction=Files.View&FileStore_id=7db3fbd8-f1b4-4fdf-bd15-12b7df1a0b63

25〜26ページ及び35〜37ページでClimategateやIPCCの捏造・不正で中心的な役割を果たした17名の科学者の実名をあげ非難しており、Inhofe議員らが中心となって彼らの罪を問う方法を検討しています。

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/03/08 15:54 日本では「産経新聞」に続き「読売新聞」が「climategate」事件を本格的に報道し始めました。

http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20100307-OYT1T00271.htm

http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/399.html

以上

nytolanytola 2010/03/08 20:22 産経新聞の記事で、日本でも地球温暖化を疑うことがメディアにとってタブーでなくなりましたね。

イギリス・アメリカに続き、日本のメディアもIPCCや地球温暖化批判を開始しそうです。IPCCは“公明正大な権威ある科学者集団”とは程遠い存在であること、そして地球温暖化の科学もあやふやな物だったことが日本でも知られるようになるでしょう。

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/03/08 22:03 IPCC第3次および第4次評価報告書の代表執筆者(リードオーサー)の一人が以下のコラムを日経BP社のEcoJapanに掲載しました。

エコマネジメントコラム「相次ぐ政治家・メディアの誤認信頼回復に向けたIPCCの課題」

  http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/71/index.shtml

同じ日経BP社のEcoJapanに以下のコラムも掲載されました。

エコマネジメントコラム「地球温暖化対策基本法案に望む政策の決定過程をオープンに」

  http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/sawa/12/index.shtml

ご参考まで。

以上

はれほれはれほれ 2010/03/08 22:34 こんにちは、はれほれです。
>GHCNのデータにUSHCNが補正を加えたものはNASA・GISSで公開されていま
すが、日本国内では148個の観測地点のデータが公開されています(稚内から
室戸岬までが日本)。
■こちらは確認できました。

>日本に話を戻すと、NASA・GISSで現在でもデータが記録され続けているのは、
38都市。釧路、根室、網走、浦河、旭川、札幌、函館、若松、寿都、稚内、
青森、東京、前橋、銚子、仙台、大島、鳥取、輪島、新潟、名古屋、御前崎、
金沢、大阪、舞鶴、潮岬、高松、名古屋、高知、松山、広島、松江、福江、
宮崎、大分、鹿児島、長崎、福岡、名瀬
(見落としがあるかも、どなたかチェックお願いします)。
■ すみません、この情報はどちらから得られたものか教えていただけませんで
しょうか?気象庁から週明けに回答がありましたのでお知らせします。
「月平均気温のデータは
稚内、旭川、網走、札幌、釧路、根室、寿都、浦河、函館、若松(会津若松)、青
森、秋田、盛岡、仙台、輪島、新潟、金沢、長野、前橋、水戸、名古屋、銚
子、津、御前崎、東京、大島(伊豆大島)、八丈島、西郷(島根)、松江、鳥取、舞
鶴、広島、大阪、潮岬、厳原(対馬)、福岡、大分、長崎、鹿児島、宮崎、福江(長
崎)、松山、高松、高知、徳島、名瀬、石垣島、宮古島、那覇、南大東島、父島、南
鳥島、昭和基地
の53地点について発信しております。」
ということでした。上のGISSと比較すると
「秋田、盛岡、長野、水戸、津、八丈島、西郷(島根)、厳原(対馬)、徳島、石垣島、
宮古島、那覇、南大東島、父島、南鳥島、昭和基地」
の16箇所が除かれています。(名古屋が2つあるため)rural、high elevationが
選択的に除かれている印象ですが、高緯度の北海道は残っていますね。

先の回答で
「2009年については、盛岡、長野、水戸、津、徳島の5地点がGHCNに収録されていま
せんでした」
とありますのでGISSのほうがさらにドロップアウトステーションが多いということ
でしょうか?

いつから今のステーションを送信しているかという質問には
「今回調べた範囲では分かりませんでしたが、米国気象局気候データセンター
(NCDC/NOAA)が毎月発行している気候データ集(Monthly Climatic Data for the World)
の1948年10月号には日本のデータも掲載されているので、その当時にはデータを送付し
ていたものと思われます。ただし、ここに掲載されている地点は石垣島、名瀬、鹿児島、
福岡、長崎、広島、大阪、東京、前橋、金沢、新潟、仙台、宮古(岩手)、函館、札幌、
羽幌(北海道)、根室の17地点です。」
ということでした。今回質問してみて思ったのは日本の気象庁はとても親切でした。
とても世界的な陰謀に加担しているようには思えませんでした。(笑)NCDCやGISSの対応は
どうだったでしょうか?

>ClimategateやIPCCの捏造・不正で中心的な役割を果たした17名の科学者の実名をあげ非難
■17名の中に残念ながら?日本人はいませんでしたね。我が国はまたポーランドから
排出権を買ったそうです。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ay.a7lhUaoCM
日本の科学者もこのようなばかげたことに国家国民を巻き込んだ罪は重いと思います。何とか
責任をとらせたいと思っているのですが、声に出すと反対にこちらが「人類の敵」にされて
しまいます。(笑)
また、海外の貴重な情報を楽しみにしています。

nytolanytola 2010/03/09 01:37 現代のニュートンの信奉者さん、

情報、ありがとうございます。
私も、IPCCのプロセスをある程度オープンにすることは必須だと思います。
ただ現在の混乱を考えると、一層のことIPCCを廃止し学会の場で議論を徹底的に行うべきでは、と考えてしまいます。温暖化に関して研究者レベルでの合意が得られていないことが露呈しましたし、データにも怪しい点が多々あり、そもそも温暖化自体が政治的に決定されていた以上、IPCCの枠組みを維持することがプラスになるとは思えません。

nytolanytola 2010/03/09 12:06 はれほれさん、気象庁に問い合わせていただいてありがとうございます。

私もNOAAに問い合わせました。
まず、NCDCのデータは以下のページで入手できるそうです。

http://gis.ncdc.noaa.gov/website/ims-entrymap/viewer.htm

AreaでJapanを選択、DataはGlobal Summary of the Dayを選択し、地図を拡大し、地図の下の“click here”をクリックし、Graphを選択してステーションをクリックすると気温グラフが見れます。

使い方がまだあまりよく分かっていないので何とも言えないですが、あちこちデータが欠けているのがちょっと気になりました。
例えばこれは高山のデータですがスケールをYearにしてスクロールして見てみると、1990年以前はデータが飛びまくっています。

http://www7.ncdc.noaa.gov/CDO/CDOGraph.jsp?data_url=gsoddataxml&graph_url=gsodspecxml&station_name=TAKAYAMA&station_id=47617099999&config=TEMP&last=2010030423&timezone=UTC&show_timezone=true&view=week,month,year

白川も。

http://www7.ncdc.noaa.gov/CDO/CDOGraph.jsp?data_url=gsoddataxml&graph_url=gsodspecxml&station_name=SHIRAKAWA&station_id=47597099999&config=TEMP&last=2010030423&timezone=UTC&show_timezone=true&view=week,month,year

津山もそう。1965年以前はちゃんとデータがありますから、何故?

http://www7.ncdc.noaa.gov/CDO/CDOGraph.jsp?data_url=gsoddataxml&graph_url=gsodspecxml&station_name=TSUYAMA&station_id=47756099999&config=TEMP&last=2010030423&timezone=UTC&show_timezone=true&view=week,month,year

適当にクリックしてみただけでも、ある時期にデータが極端に過疎化しているものがけっこうありますが、これは気象庁の元データがそうなのかNCDCに登録されてないからなのか分かりません。
悪意を持って見ることも出来ますが、気象庁がWMOに送っているステーションではないですからあまり追究してもしょうがないですね。
まだいろいろデータを見ている段階ですので、また何か分かったら報告します。

その後で、日本の月間の気温データ、特に田舎のデータの完全なものが欲しいとNOAAに問い合わせたのですが、NCDCの某氏(あの有名な人です)からデータを何に使うのか理由を尋ねられました。
研究に必要、と答えたところ、

“NCDCより完全で直接のソースである(complete and direct source)気象庁の以下のページからデータを得るように。”
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/en/smp/index.html

とメールが来ました。う〜ん。


> すみません、この情報はどちらから得られたものか教えていただけませんでしょうか?

NASA・GISSのサイトの地図で日本のあちこちを片っ端にクリックして調べました。

http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/

GHCNとUSHCNのデータで、1990年で多くのデータが止まっている謎の物です。日本だけでなく、世界的にそうですけど。


追記:

NCDCのデータで、はれほれさんのリストにある(=GHCNにも採用されている)日本の観測点を12個ランダムに調べてみました(Global Summary of the Day)。
これらは気象庁がNOAAに提供したデータです。

・データに特に問題なし
Hakodate
Aomori
Kanazawa
Nagano

・データに空白期間あり(期間はデータ空白期間です)
Morioka(69/3-71/11)
Osaka(64/12-73/1)
Tokushima(64/12-73/1)
Oita(64/12-73/1)
Miyazaki(64/12-73/1)
Kagoshima(64/12-73/1)


・データにかなりの空白期間あり
Tsu(64/12-90年までデータ欠損多数)
Hiroshima(55/12-61/10, 64/12-73/1)

謎が三つありますが、

(1)データの開始年が町によって1953年だったり73年だったりするのは何故か?
  気象庁のデータはほとんどの観測点で1880年代から記録があります。
(2)データの欠損は何故か?
  気象庁のデータには欠損はありません。
(3)まともなデータの町が4/12というのはいかがなものなのか?

気象庁のデータとNCDCのデータは同一のものであるはずなんですが・・・
ひょっとすると空白期間はどこか別のステーションとして登録されているのかもしれませんが、私が探した範囲では確認できませんでした。

同じデータを使っているはずのNASA・GISSは空白期間がありませんが、あちらはステーションがどんどん死んでいっています。

TheorySurgeryTheorySurgery 2010/03/09 12:11 nytolaさん、はじめまして。気づいた点があるので少し述べます。

>>はれほれさん 2010/03/08 22:34
>>上のGISSと比較すると「秋田、盛岡、長野、水戸、津、八丈島、西郷(島根)、厳原(対馬)、徳島、石垣島、宮古島、那覇、南大東島、父島、南鳥島、昭和基地」の16箇所が除かれています。

そのGISSによって省かれたものの中には、気象庁が『日本の年平均気温を求める際に用いられる17地点』のうちの「長野、石垣島、水戸」の3地点が含まれています。気象庁のホームページによると、気象庁が『日本の年平均気温』を求める際は、都市化の影響が少ない地域を選んでいるようです。それでも近藤純正さんが見つけた「日だまり効果」の影響などあると思いますが、都市部を好んで採用するGISSよりはマシかもしれません。それにしてもGISSは何を基準に採用される地域をころころ変えるのか、不思議でなりません。情報に関してオープンな姿勢が望まれます。

「17地点は網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、長野、水戸、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島です。これらの地点は、長期間にわたって観測を継続している気象観測所の中から、都市化による影響が比較的少なく、また、特定の地域に偏らないように選定されました。」
世界と日本の気温、降水量の経年変化に関して、よくある質問
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/qa_temp.html

TheorySurgeryTheorySurgery 2010/03/09 12:51 失礼。石垣島のデータは、継続しているようです。
http://data.giss.nasa.gov/cgi-bin/gistemp/findstation.py?datatype=gistemp&data_set=1&name=ishigaki

日本のcountry-code(cc=210)で調べたところ、160地点ありました。ただ、そのうち何点が継続されているか、見方がよくわかりません。
http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/station_list.txt

makasetokemakasetoke 2010/03/09 14:13 はじめまして
>『そもそも地球温暖化のモデルが間違っているから』ではないでしょうか。
>下層大気で赤外線の再放出はほとんどなく、赤外線を吸収したCO2は他の分子と衝突しエネルギーを失う(無放射緩和過程)。

あなたの論を読んでると、CO2増加による人為的温暖化のみならず、標準理論のCO2による天体(地球・金星)の温暖化も否定しているようにうかがえます。
当然ながら、全温室効果に対し26%寄与している二酸化炭素が2倍になった場合に、地表気温上昇は1.2度程度上昇するという説にも反対ですよね。

金星の高温化がCO2濃度のせいでないとしたら、何が理由なのでしょうか?
それを説明できる理論をお持ちだったら教えていただきたい。

nytolanytola 2010/03/10 01:09 TheorySurgeryさん、初めまして。

NASA・GISSはNOAAからGHCN(及びUSHCN)のデータセットを受け取って地球の温暖化マップを作成していますが、まずGHCNのデータ補正が怪しい。USHCNとGHCNの対応するデータを比較すると、1057の観測ステーションの中で490ものステーションで(同じ値のはずなのに)GHCNの方が1℃以上高い気温を示していたそうで。
更にGISSは観測ステーションを選別し個々のステーションのデータを最大1200km先まで延ばして適用するという、かなり荒っぽいことを行ってますね。

For each grid box, the stations within that grid box and also any station within 1200km of the center of that box are combined using the reference station method.

CRU、GISS、GHCNが独立して気温を発表しているとの反論もありますが、CRUもGISSも大半のデータをGHCNから得ていますから。

> 日本のcountry-code(cc=210)で調べたところ、160地点ありました。ただ、そのうち何点が継続されているか、見方がよくわかりません。

一個ずつステーションをクリックして調べたところ、現在でもデータが更新されているものは38地点でした。NCDCで調べると日本の多くのステーションは現在も稼動中ですから、データが選別・補正される段階(GHCN)で落とされたのでしょう。

> 情報に関してオープンな姿勢が望まれます。

全く同感です。NASA・GISSも情報公開法に基づきメールが公開されましたが、温暖化研究がいかにいい加減に行われていたか、また明らかになりました。

http://www.nasa.gov/centers/goddard/business/foia/GISS.html

nytolanytola 2010/03/10 01:42 makasetokeさん、コメントありがとうございます。

私は大気(水蒸気やCO2)に温室効果がないと主張しているのではなく、温室効果はあるものの、CO2の15μmの吸収は現在のCO2濃度で既に飽和していると言っているわけです。
こちらは計算ですが、CO2濃度を産業革命以前の285 ppmvから倍にしたとしても、大気の赤外線吸収は僅か0.5%しか増加しません。

http://www.warwickhughes.com/papers/barrett_ee05.pdf

ちなみにCO2による15μmの吸収(=CO2の温室効果)は、CO2濃度が現在の30倍になったとしてもたった5%の増加に留まります(下のレポートのp.22 Table 2)。

http://planetquest.jpl.nasa.gov/TPF/TPF_Biomrkr_REV_3_02.pdf

衛星観測でも確認されていますが、CO2の赤外線吸収はほぼ限界に達しているわけです。

それに対する温暖化論の反論は、『CO2は15μmの赤外線の吸収・放射を繰り返すため、CO2濃度が上がると光学的距離が増え温暖化に効くはずだ』というものですが、先にも述べたように下層大気で放射伝熱が支配的というのは物理的にありえません。
温暖化論者は『金星は暴走温室効果で暑くなった』と主張しますが間違いで、実際には金星の大気圧が100気圧近いことが主に効いています。

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/03/10 03:07 エコマネジメントコラム「地球温暖化対策基本法案に望む政策の決定過程をオープンに」
  http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/sawa/12/index.shtml
の著者が所属する研究所に、貴兄に教えていただいたインホフ上院議員(オクラホマ州選出・共和党)らが米国上院に提出したclimategateの報告書
  http://epw.senate.gov/public/index.cfm?FuseAction=Files.View&FileStore_id=7db3fbd8-f1b4-4fdf-bd15-12b7df1a0b63
をメールで送りました。

以下のような返信がありました。

*****************************
貴重な情報を頂きまして有難うございます。
澤研究主幹に転送致しました。引き続きのご支援を宜しくお願い
申し上げます。
*****************************

ご参考まで。

以上

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/03/10 19:35 日本の与党の幹事長にメールを送りました。
本人に届いたかどうかは不明ですが、少なくとも秘書は読んだと思います。

https://www.ozawa-ichiro.jp/keijiban/s8_b.php3?b_id=25&d_order=1

「2010/03/08 16:51」のコメントをご参照願います。

ご参考まで。

以上

nytolanytola 2010/03/10 22:06 現代のニュートンの信奉者さん、

地球温暖化の崩壊は始まっていますし、もう誰にも止められないでしょう。
日本でも懐疑派を弾圧していた方々は責任を問われるでしょうね。いい加減なデータを垂れ流していた研究者、メディアや学会の責任はどうするのかなど微妙なところですけど。
地球温暖化をここまでこじらせたのはメディアですし、今後はもっとバランス感覚をもって報道して欲しいです。

台風九號台風九號 2010/03/11 11:38 こんにちは。初めて投稿します。
私の手元に1990年出版の『最新・地球環境論』(学研)があります。
これを見返してみると意外にも公平な内容で驚きます.IPCCの報告書
の影響をのバイアスのない時期なので当然と言えるでしょうか。
確か、1988年にジェームズ・ハンセン脅威論をぶちあげましたが、
その翌年の1989年にそれに対抗するような形で出された「マーシャル・
レポート」がありますよね。この時から脅威派と懐疑派の攻防戦が
始まったのでしょう。結構昔のものだからでしょうか?あまり国内外
の懐疑派の論調にもマーシャル・レポートの言及は見られません。
しかし今読み返してみると古くて新しい感じがして、大きく脅威派
に針が振れた後ここに回帰してきたような感じを受けます。

さて、あまり日本では有名ではないようですが、リチャード・リンゼン
の名をあげておこうと思います。彼の論文は切り口が鋭く、胸のすく
ようなところがあります。米民主党支持でありながら、懐疑論を
一貫して主張してきていますが、気骨を感じます。日本の学者も
彼を見習ってほしいものだと思います。日本には曲学阿世の学者が
あまりにも多いので。

nytolanytola 2010/03/11 23:35 台風九號さん、こんにちは。

NASAのJames Hansenが議会で証言したり、地球温暖化説は学会での十分な議論・検証を経ず、政治力で一気に主流となってしまったのが不幸の始まりだったのでしょう。あちこちで引用されるHansenの当時の論文を読んでみるとCO2温暖化説に科学的な根拠をまともに示していませんし(Science 213 , 957.)、そもそもHansen自身は元々は地球寒冷化論を唱えていたので、華麗な転身と言えるかもしれません。
懐疑派もDixy Ray LeeやS. Fred Singerらが中心となって反論し、Bjørn Lomborgなどメディアを使って反撃を試みますが、時すでに遅し・・・

> リチャード・リンゼン…

私も思想的にはリベラル寄りですが、温暖化問題では懐疑派です(笑)
Lindzenは確かにメディアでも活躍していますね。ClimategateでもWall Street Journalに記事を書いていました。

http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703939404574567423917025400.html

日本の懐疑派の中では、例えば伊藤さんが温暖化のまやかし・捏造に詳しいと思います。

Eut2Eut2 2010/03/13 07:50 はれほれさん

#1027 masudakoさんによる。

「局所熱力学平衡近似」
この近似はいつでも使えるわけではなくて、たとえば放射過程(電磁波の吸収・射出)に関しては、新刊の
浅野 正二, 2010: 大気放射学の基礎。朝倉書店。
を見ると、地上から高さ60〜70kmまでは使えると書いてあります。分子間衝突がじゅうぶん頻繁ならよいが、そうでないと、放射過程に参加する分子と参加しない分子が温度を共有しなくなってしまうわけです。

nytolanytola 2010/03/13 22:49 Eut2さん、横レス失礼します。

CO2の温室効果の計算では、『局所熱力学平衡近似は80kmくらいまで使える』と言われていると思います。

黒体放射は分子や原子の衝突の際にエネルギーの一部を光子として放出する現象ですし、(分子衝突が支配的な)局所熱力学平衡となっている系を観測すると対応する温度の黒体放射が得られます。ただ、それでも下層大気では放射伝熱ではなく伝道や対流が支配的ですし、15μmのマイクロ波はCO2に吸収されると再放射する前に分子衝突による無放射緩和過程で脱励起してしまいます。

温暖化論の“放射平衡モデル”は物理の都合のいい部分だけをピックアップしているため、実際の現象とは似て非なるものになっているんだと思います。

はれほれはれほれ 2010/03/14 19:20 こんにちは、Eut2さん情報ありがとうございます。
>「局所熱力学平衡近似」
>この近似はいつでも使えるわけではなくて、たとえば放射過程(電磁波の吸収
>・射出)に関しては、新刊の浅野 正二, 2010: 大気放射学の基礎。朝倉書店。
>を見ると、地上から高さ60〜70kmまでは使える

早速、昨日書店で立ち読みしてまいりました。(笑)
第1章と第3章に同様の記述がありました。第3章には一般的な数式が書いてあ
りましたが、私の能力不足で理解できませんでした。(笑)
私自身は、吸収断面積や分子数密度の観測値から具体的な局所熱力学平衡近似が
成立する高度(気圧)の計算が知りたいとおもっていたのですが、そこには触れ
られていないようです。さすがに5000円も出して購入するのは、犬に松阪牛を
食べさせるようなもので躊躇してしまいました。(笑)

nytolanytola 2010/03/15 00:02 手元に英語の教科書しかないのでネットで検索しましたが、ここに局所熱力学平衡近似が成立する高度について述べられています。

http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~shwlab/seminar/houghton/resume/CHAP05/024.htm

随分と昔に勉強したことなので私も最初から数式を追いましたが、p.27の式(5.41)の分母第二項が1よりも十分に小さい、という場合に局所熱力学平衡近似が成り立つと考えて問題ないと思います。

なお、うちの近所のステーキ屋も、最高のステーキは神戸牛です。

はれほれはれほれ 2010/03/15 18:54 こんにちは、はれほれです。
nytolaさん、教科書の紹介ありがとうございました。
ざっと目を通しましたが、定義がわからない文字がひとつふたつありましたので
印刷してじっくり読んでみます。(私に理解できるかどうかは別にして)
浅野著に比べてこちらのほうがわかりやすくかかれているように思います。

>なお、うちの近所のステーキ屋も、最高のステーキは神戸牛です。
そんな遠方までブランド牛が進出しているとは・・・。アメリカでも和牛の
良さが認められているとはちょっと意外です。

nytolanytola 2010/03/16 02:20 このレジュメはTheorySurgeryさんのBlogでも参照されていますが、短くよくまとまってますし大気をもう一度勉強し直すにはいいと思いました。10年以上前に勉強したことは、うろ覚えになっていますから(笑)

日本の状況は知りませんが、アメリカではIPCC報告書がメディアで相当なまでに蔑まれており、中にはIPCCの言うことは全く信用できないという論調も見られます。
嘘や非科学的な記述があまりに多いですがIPCC報告書には正しい箇所も多々あるわけで、提案されているようにIPCCレポートの再検証が行われるのは地球の気候の現状(温暖化?寒冷化?)を把握するうえで非常にいいことだと思います。でもそれを“第三者機関”と言ったところで実質的に国連主導でやるのは、実にまずい。

井上信三井上信三 2010/03/23 22:34  2ちゃんねるのリンクからここに来て、あらましとコメントを斜め読みしました。読んだ感想としては、最近の温暖化(温暖という意味は、地理の教科書などでは「気候温暖な地域」というような文章で、極端な高温や低温がない、適度な過ごしやすい気温の場所、という好ましい表現のはずですが、いつの間にやら「温暖=悪」というようになったのはどういうことでしょう。正しくは「高温化」と表現すべきだと考えていますが)について、長期的にはそういうことは認められていないという主張だと解しました。

 ところで、私は1947年から60年以上東京吉祥寺に住んでいますが、その間の気温は上昇の一途です。数値的にはわかりませんが、少なくとも1957年ころまでは室内の水道管も凍結するほどの低温で、たぶん屋外最低気温はー5℃以下、平均気温もたぶん零下何度といったもので、冬には数cm以上の霜柱が毎朝立っていました。しかし、年を経るにしたがって冬季気温は上昇し、いつのころからか外部水道蛇口も凍結せず、もちろん霜柱も全く見られなくなり、零下になる事はほとんどなくなりました。

 大都市近郊で、60年ほどの期間ですが、平均気温はたぶん少なくとも数度、大目に見れば10度も上昇しているものと推定されます。温暖化騒ぎでは1度とか2度の温度上昇予想で大騒ぎしていますが、そんな事は問題にならないほどの驚くべき値です。その原因のかなりのものがヒートアイランド現象によるもであるとしても、それがすべてであるとは到底考えられず、地球的規模の原因があることは間違いないでしょう。

 いったいこういう気温上昇の原因は何でしょうか。未知な私には温暖化肯定・否定のいずれも正しいように思えて、何がなんだかさっぱりわかりません。IPCCのデータ捏造発覚(渡渉せられているもの)にしても、それが真実か否か、私には確認する手段はありません。たとえは悪いですが、9.11事件はテロリストの仕業、いや自作自演であるという論者の論争と一部似通ったところがあるのかなあ、と無知蒙昧の私は考えてしまいます。

nytolanytola 2010/03/24 01:29 井上信三さん、こんにちは。

> 「温暖=悪」というようになったのはどういうことでしょう。

仰る通りで、温暖化は食糧の増産をもたらしますし、水蒸気濃度も上がり緑化が進むとも言われており、人類にとってプラス面が大きいです。本来、気を付けないといけないのは寒冷化で、既に食料危機の前兆が起きているとの報道も目にするようになりました。

> いったいこういう気温上昇の原因は何でしょうか。

確かに東京都心の夏の暑さは厳しいですね。日本の夏は蒸し暑いので、私も夏の日本出張は避けるようにしています。

東京の温暖化でヒートアイランドの寄与がどの程度か、(私の知る限り)あまり正確には見積もられていないと思います。東京の場合はビルが乱立しエネルギー密度が他の都市と比べても高いですし、河川(緑地と同じように熱の吸収源)を埋めてしまったなどの要因もあると言われてます。
ただ、20世紀後半の日本・アメリカ・ヨーロッパの都市圏の急激な拡大は現在では飽和に達しつつあり、日本は今後、人口減少に合わせてヒートアイランド現象が緩和していくのではないでしょうか。
短期的にもヒートアイランドであれば対策はそんなに難しくないと思います。私は都市工学は専門ではないですが、例えば路面電車の軌道敷に芝生を敷き詰めたところ10度も温度が下がったという極端な例もありますし、ビル屋上の緑化や打ち水などそれなりに効果があると言われています。

そもそも20世紀に地球規模で温暖化が進んだのか、気温データベースが当てにならない現状では何とも言えませんが、有意な温暖化はしていなかった可能性が高いと私は思います。データの再調査が行われていますが、温暖化詐欺が明るみになってしまった以上、今までのように懐疑派を権力を使って黙らせることは出来ないでしょうし、近いうちに全てが明らかになるのではないでしょうか。

昨年は世界的に冷夏でしたが、東京だけでなくNYも記録的な冷夏。現在の寒冷化がいつまで続くか不明ですしその影響がすぐに出るとは思いませんが、今年はどうでしょう。

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/04/15 04:05 ついに日本学術会議が動き出しました。
以下に案内を添付します。

■-----------------------------------------------------------------
日本学術会議 公開シンポジウム「IPCC(気候変動に関する
政府間パネル)問題の検証と今後の科学の課題」の開催(ご案内)
------------------------------------------------------------------■
◆日  時:平成22年4月30日(金)13:00〜17:00

◆場  所:日本学術会議講堂(東京都港区六本木7−22−34)

◆主  催:日本学術会議 第三部

◆開催趣旨:
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)をめぐる問題(Climate-gate,
IPCC-gates)について、科学的観点から事実関係を明らかにし、その情報
と認識を共有すること、そして、今後このような問題が生じないためのIP
CCの科学的作業の在り方、社会と政策への情報提供の倫理性、科学者の行
動規範などについて討議する。

◆次  第:

・開会(13:00)

・開会の辞 岩澤 康裕 (日本学術会議第三部 部長)

・挨拶 金澤 一郎 (日本学術会議会長)


・「IPCCの意義と課題」 13:15〜13:40
中島 映至 (東京大学 大気海洋研究所 教授)

・「氷河問題とIPCC 今日の課題」 13:40〜14:05
西岡 秀三 (国立環境研究所 特別客員研究員)

・「科学問題としての温暖化をめぐる視点」 14:05〜14:30
草野 完也 (名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授)

・「IPCCと科学論的視点」 14:30〜14:55
米本 昌平 (東京大学先端科学研究センター 特任教授)

<休憩 14:55〜15:10>

・パネルディスカッション 15:10〜16:55

「IPCC問題が問いかけるもの
:科学的作業、情報・倫理、科学者の行動規範」
(司会:日本学術会議第三部部長・電気通信大学教授 岩澤 康裕)

パネリスト(順不同)
中島 映至(東京大学 大気海洋研究所 教授、第三部会員)
江守 正多(国立環境研究所 温暖化リスク評価研究室長)
草野 完也(名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授)
安成 哲三(名古屋大学 地球水循環研究センター教授、第三部会員)
伊藤 公紀(横浜国立大学 大学院工学研究院 教授)
米本 昌平 (東京大学先端科学研究センター 特任教授)
横山 広美(東京大学 大学院理学系研究科 准教授)


・閉会の辞 16:55〜17:00  大垣 眞一郎 (日本学術会議副会長)

・閉会(17:00)

◆参加費無料

◆申込み方法
事前申込み不要。当日先着順300名まで。
満席になり次第入場をお断りしますので、よろしくご容赦下さい。

◆問い合わせ先
岩澤 康裕 日本学術会議第三部長
電気通信大学大学院情報理工学研究科
Tel: 042-443-5921 e-mail: iwasawa@pc.uec.ac.jp

********************************************************************
学術情報誌『学術の動向』最新号はこちらから
http://www.h4.dion.ne.jp/~jssf/text/doukousp/index.html
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日本学術会議ニュースメールは転載は自由ですので、関係団体の学術
誌等への転載や関係団体の構成員への転送等をしていただき、より多く
の方にお読みいただけるようにお取り計らいください。
また、日本学術会議協力学術研究団体の指定を受けておられる学協会
におかれましては、メールアドレス、事務局及びその所在地、電話番号、
ファクシミリ番号、ホームページURL等に変更がありましたら、事務局
(p228@scj.go.jp)まで御一報いただければ幸いです。
====================================================================
発行:日本学術会議事務局 http://www.scj.go.jp/
〒106-8555 東京都港区六本木7-22-34

ご参考まで。

以上

nytolanytola 2010/04/16 00:24 IPCCが崩壊しそうなこの状況では、動かざるを得ないでしょう。
分野は違いますが、父が日本学術会議の連携会員ですので連絡しておきます。

ペーパー予報士ペーパー予報士 2010/04/16 11:09 初めまして
はれほれさんの管理する「悪魔のささやき」で温室効果についてコメントさせていただいております。気象に関心が有るだけの名ばかりの気象予報士で、工学分野の研究者でした。
「温室効果」を説明する「灰色大気モデル」が実際の熱移動とはかけ離れたモデルではないかと疑問を持っております。一つには「局所的熱力学平衡」により低層ではCO2が再放射する確率はほとんど無いなど物理的には少し難しい解釈が有るようですが、何と言ってもこの理論では低温の上層の赤外活性気体の赤外線放射で高温の地表を暖め、放射量の平衡を保つという、日常の熱移動では考えられないことを前提にしていることがこの理論に慰問を持ったきっかけです。例えば焚いているストーブから出た赤外線を吸収した低温の周りのCO2を含む空気が、ストーブに赤外線を再放射してストーブをもっと暖める、これはいったい何だと言う疑問です(いわゆる第二種永久機関ということでしょう)。ということで、このモデルを基にした温室効果理論を「クライメイトゲイト」以前から疑問に思っていた次第です。
 ところで、CO2などによる温室効果理論はこの「灰色大気モデル」だけではなく対流圏上層の温度が上昇するとしたホットスポットというモデルまたは仮説も有ることを知りました。はれほれさんにホットスポットについて聞いたところnytolaさんが遥かに詳しいとのコメントをいただき、こちらにおじゃまいたしました。これはどのようなものなのでしょうか?
ところで、去る3月の地球全表面の平均気温は観測史上最高を記録したなどとニュースになっていますが、私は現在の温暖期にエルニーニョが重なっただけではないかと思っています。
もしかすると観測史上○○は、nytolaさんが最初に掲げた「科学史上最悪のスキャンダル」で信頼ができないのでしょうか?信頼できないとしたら、これこそ本当の「人為温暖化」ですね(残念名ことですが)。
今日の日本の関東地方は雪が降ったところもあり、30-40年ぶりの寒い春とニュースを賑わしています。アイスランドの火山噴火もあり、地球は寒冷化へ舵を切り始めたのではと予感がする昨今です。

ペーパー予報士ペーパー予報士 2010/04/16 19:50 前のコメントの文章で、キーの押し方や漢字変換で間違った部分を修正させていただきます。

この理論に"慰問”を持ったきっかけです。→疑問

”残念名”ことですが→残念な

失礼いたしました。

nytolanytola 2010/04/19 04:01 ペーパー予報士さん、こんにちは。
仰る通り、下層大気ではCO2分子による15μm波の吸収・再放射はほとんどありません。ただし分子間衝突を通じて励起→放射という過程はあります。CO2の吸収帯が667cm-1であり、高めですが大気が300K(=200cm-1)の平衡状態にあるとすると励起状態にあるCO2の割合は、

exp(-667/200) = 0.04

Boltzman分布からざっと4%程が励起状態にあると見積もれます。ただし下層大気で放射伝熱が支配的ではないことには変わりはなく、『灰色大気モデル』や『多層大気モデル』の妥当性は疑問符が付きます。

> 対流圏上層の温度が上昇するとしたホットスポットというモデルまたは仮説も有ることを知りました。

そのモデルでは地表の熱は気流で上空に運ばれ、上空で分子間衝突で励起されたCO2分子からの下向き15μm放射が下層の大気を暖めるとされています。高度65-120kmではCO2の15μm放射が起きるという話は以下の論文に述べられています。

R.E. Dickinson et al., Advances in Space Research 7, (1987) 5-15.
http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/027311778790069X

Dickinsonらの論文では高度65-120kmではCO2の15μm放射が地球を冷却すると述べられていますが、逆に下層大気を暖め地球温暖化に寄与しているのではないかと強引に考えたのがご指摘のモデルです。
上層のCO2による放射を仮定したコンピューターシミュレーションは幾つか行われており、いずれのシミュレーションでも赤道の10 km上空が顕著に熱せられ“Hotspot”が出現すると予言されていましたが、Hadleyセンターの気球を使った観測ではHotspotは観測されませんでした。

http://scienceandpublicpolicy.org/images/stories/papers/monckton/whatgreenhouse/moncktongreenhousewarming.pdf

モデルと観測の相違については多くの議論があり結論は出ていませんが、いずれにせよ、IPCCレポートにも採用されCO2による地球温暖化の理論的根拠とされたモデルが観測で崩れたことはあまりに衝撃的です。

> もしかすると観測史上○○は、nytolaさんが最初に掲げた「科学史上最悪のスキャンダル」で信頼ができないのでしょうか?

世界気温のデータベースは4つありますが、報道されているようにCRU・GISS・GHCNの3つでデータ不正が疑われています。残る気象庁の世界気温も2000年以前は(不自然な選別の行われた)GHCNのデータを使っており、残念ながら信用できないと思います。

ペーパー予報士ペーパー予報士 2010/04/19 11:28 ytolaさんご説明ありがとうございます。

>Dickinsonらの論文では高度65-120kmではCO2の15μm放射が地球を冷却すると述べられていますが、逆に下層大気を暖め地球温暖化に寄与しているのではないかと強引に考えたのがご指摘のモデルです。

いわゆる「灰色大気モデル」はこれから派生してきたものなのですね。ご紹介のサイトを見させていただきました。私の英語力と物理の能力では俄には理解できませんが、赤道の10 km上空が顕著に熱せられ“Hotspot”が出現すると、その分の熱量は高度65-120kmのCO2の15μm放射で温度が低下して相殺されるのでしょうか?太陽から地球がもらうエネルギーと地球外へ放射するエネルギーが同じであれば、素人考えでは、温度が上がった分他に冷えるところが無いとおかしいと思ってしまいます。観測結果と合わないというのもこういった素人的な単純な熱バランスがうまく説明されていないからでしょうか?

CO2温暖化モデルは、温暖化するようにモデルの細工して幾つかの「亜種」を作っているのでしょうか?どのモデルもどこかで理論的破綻を招いているような気がします。
根本的に放射だけで温度上昇を説明しようとすることに問題があると思われます(通常の気象現象と整合性をとる必要があると思われます)。確かに赤外線が下方に移動すればそれで下方が「暖まる」ような気がしますが、より高温の気体や物体への正味の熱移動は熱力学第二法則に反します。まず対流で空気塊が高圧の下層へ移動して断熱圧縮され昇温する、あるいは空気塊が下層に移動して位置エネルギーが減った分エンタルピーが増えて昇温するとも考えることもできます。その結果、昇温した分絶対温度の4乗に比例する地球放射量が増えます。そこで上層からの赤外線は地表に正味の熱移動をもたらすのでなく、この地球放射と釣り合っていくのだと思います(地球放射を抑止すると言っても良いと思います)。すなわち気温減率こそが温室効果と思われます。
この見解に対してはどのようにお考えでしょうか。

nytolanytola 2010/04/19 15:47 上空のCO2(もっと高空ではO原子)が宇宙空間に向けて放射するマイクロ波が地球を冷やしていることは知られていますが、逆に下向きの放射は下層大気を暖めるのではないか、というのがそのモデルの核心です。
シミュレーションで予言されていたHotspotが観測で見付からなかったことはCO2温暖化説にとって致命的な問題であり、Sherwoodなど温暖化論者は、

“気球に積まれていた温度計は狂っていたと思われる。風速計から温度を推定するとHotspotは確かに存在する。”

とごねていたり、統計的な誤魔化しでHotspotが見付かったかのような発表をしている人もいます。U.S. Climate Change Science Programは、

『Hotspotが見付からなかったのは測定エラーに違いない』

という見解ですが、0.1℃の感度のあるラジオゾンデで0.6〜1℃のHotspotが検出できないはずはなく、数百ものラジオゾンデが同じ結果を示している以上、何とも苦しい言い訳だと思います。
そもそも理論と実験・観測結果が矛盾する際に理論を信用するというのは長い科学の歴史の中で極めて斬新な発想ですが、私は理論より実験や観測結果を信用する昔ながらの物理屋ですので、Hotspotが存在しないことは、

(1) IPCCで採択された温暖化の理論が出鱈目だった。
(2) CO2による地球温暖化は起きていない、もしくはCO2の温室効果は計算に使われた値より遥かに小さい。

そのどちらかを意味していると理解しています。

> 温暖化するようにモデルの細工して幾つかの「亜種」を作っているのでしょうか?

私は地球温暖化の理論は『CO2で地球が温暖化している』という結論がまずあり、それに合わせてシミュレーションのパラメーターを調整しているため、実際の観測結果と照らし合わせた時にどこかで破綻してしまうのだと思います。

> 気温減率こそが温室効果と思われます。

気温減率の断熱減率からのずれが温室効果、と言うべきかもしれませんね。
上空のCO2による15μm放射が地表の温度を反映しているのは同感です。ただし地表からの熱は地球放射ではなく、空気の伝導や対流で上空に運ばれるため、CO2の温室効果の最も効く下層大気を素通りしているのが現実だと思います。

Eut2Eut2 2010/04/20 01:27 横から失礼します。
HOTSPOTについてのお話ありがとうございます。

>ただし地表からの熱は地球放射ではなく、空気の伝導や対流で上空に運ばれるため、CO2の温室効果の最も効く下層大気を素通りしているのが現実だと思います。

これは、勘違いされているのではないでしょうか?
(温室効果ガスなどとして、CO2だけでなく、水蒸気、雲もお考えください。)
地球放射ー大気放射=21%であり、地表からの熱51%の4割をしめています。
地表からの熱の4割は、この放射伝熱で上空に運ばれています。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:57911main_Earth_Energy_Budget.jpg

nytolanytola 2010/04/20 02:10 Eut2さん、お久し振りです。

地表に吸収された熱(51%)は、熱伝導・対流(Conduction and rising air)が7%、水の蒸発(latent heat in water vapor)が23%。
そして残る21%が放射ですがそのうち15%は大気に吸収され(無放射緩和過程を通じて脱励起し)、結局45%が雲や大気上層に達して放射される、という意味合いでそう言ってしまいましたが、確かに素通りしているわけではなく正しくない表現でした。
温暖化論でよく語られている『下層大気でCO2による吸収→再放射を繰り返し』という過程を素通りして、ということが念頭にありましたので・・・

ご指摘ありがとうございました。

ところで日本語版の図ですが(↓)、こちらは『地球表面から大気への放射 15%』は紛らわしい訳で、『地球放射の大気による吸収 15%』とでもすべきですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:NASA_earth_energy_budget_ja.gif

はれほれはれほれ 2010/04/20 08:37 こんにちは、はれほれです。ホットスポットの解説どうもありがとう
ございました。私にとっては長い間の「謎」だったのですが、おかげさま
ですっきりしました。(笑)ペーパー予報士さんが私のところに質問され
た時はどうしようかと思ったのですが、3月2日のコメントからnytolaさ
んに振ることを思いついて正解でした。(笑)失礼しました。
こちら日本では「化学」5月号に渡辺正氏の「続クライメートゲート事件」
が掲載され、4月8日発売の週刊新潮にもクライメートゲート事件が4ページ
にわたって取り上げられています。新潮のような一般紙にとり上げられた
のは温暖化問題に興味のない人も読むわけですので大きなインパクトがあ
ったと思います。弱小の拙ブログにも以来「温暖化 嘘」の検索で来る方
が増加しています。少しは風向きが変わりつつあるのかどうか、そちらのよ
うに宗教戦争とまではいきませんが、超マイナーな存在だった反対派が少し
は市民権を得てきたように思います。

ペーパー予報士ペーパー予報士 2010/04/20 10:25 nytolaさん、ホットスポットと灰色大気モデルの関係がわかってきました。ありがとうございました。はれほれさんもこちらに来られているようで、タイミング良くお聞きすることができました。
nytolaさんが仰るように「実験や観測結果を大事にする」ことに同感です。
工学は陳腐な理論を使っても、多くの実験や耐久試験で実証して実使用となるので大きな方向違い(方向違いは製造物責任(PL)法に抵触したり実際に事故になり、世間が許しません)が少ないのだと思います。

>気温減率の断熱減率からのずれが温室効果、と言うべきかもしれませんね。

気温減率と温室効果に関しては、
(1)太陽エネルギーの地球へ入力量と地球から宇宙への放出量が等しい
(2)地表が暖められて、あるいは上空が冷えて大気の上下の温度差が乾燥断熱減率以上になると大気が絶対不安定になって対流が生じ、最大でも乾燥断熱減率に従う温度分布となる
(3)熱力学第二法則に従い、高温の気体(物体)から低温の気体(物体)に正味の熱が伝導または放射で移動する

ということから、最大の温室効果が乾燥断熱減率g/Cpだと思います。

下記のように考えることもできるかもしれません。
対流により、地球表面の黒体放射と太陽放射の平衡温度255K(-18℃)から、例えば地表が288K(15℃)に昇温すれば、地球放射量が約1.6倍になります。この減率を維持するには平衡量より多くなった地球放射を大気放射により補なう必要があります。
温室効果というのは大気放射で赤外線を補うことによる減率の維持で、「維持」であるから最大の温室効果が乾燥断熱減率と言うことだと思います。この役割の大半は水蒸気と雲だと思います。

nytolanytola 2010/04/20 14:57 はれほれさん、

温室効果ガスが原因で地球温暖化が起きているのであればガスの種類に応じた昇温パターンが現れるはずで、CO2の場合は赤道上空10 kmに顕著な温度上昇(Hotspot)が見られるとされていました。
IPCC AR4(2007)の674ページからHotspotの記述がありますが、実際にHotspotの出現を多くのコンピューターシミュレーションが予言しています。

http://www.ipcc-wg1.unibe.ch/publications/wg1-ar4/ar4-wg1-chapter9.pdf

ところがUK Met Office(Hadleyセンター)の報告では、Hotspotは見付からず(p.116 Fig.5.7 図E)。

http://www.climatescience.gov/Library/sap/sap1-1/finalreport/sap1-1-final-chap5.pdf

IPCCが地球温暖化の原因は『人為的な温室効果ガスの増加によるものである可能性がかなり高い』と認定した際に最大の理論的根拠とされたコンピューターシミュレーションが揃って間違っていたわけです。
“Hotspotは大した問題でない”と無視を決め込んでいる脅威派も多いですが、いわくつきの“ホッケースティック”同様、Hotspotの一件だけでCO2温暖化説は崩れますし、これはかなり大事です。

> 4月8日発売の週刊新潮にもクライメートゲート事件が4ページにわたって取り上げられています。

新潮社の方から私も連絡を頂き、一部送付して頂きました。たまには日本語の雑誌を読むのも楽しいものですね。

nytolanytola 2010/04/20 17:48 “Hotspot”はCO2温暖化説の根幹に関わる問題なのに、日本ではほとんど取り上げられていませんね。

> 「実験や観測結果を大事にする」ことに同感です。

温暖化説の科学は『CO2で地球温暖化』という結論を得るべく物理や化学の都合のいい部分だけを継ぎ接ぎして作られているので、現実世界とは似て非なるものになっているのでしょう。

> 温室効果というのは大気放射で赤外線を補うことによる減率の維持で、「維持」であるから最大の温室効果が乾燥断熱減率と言うことだと思います。

ちょっと引っかかったのですが、温室効果理論は放射平衡モデルで説明されることが多いですが、実際の大気で放射平衡が成り立っているわけではないです。
例えば、地表温度の上昇(地球放射増加)が大気温度低下(大気放射減少)に繋がるわけではなく、熱伝導・対流・水の蒸発で逃げた残りの熱が単に放射として出て行くだけで、熱量のトータルで収支を考えるべきだと思います。
地表・大気放射の釣り合いで考えると、“灰色大気モデル”と同様の過ちにはまってしまいます。

この辺の話はTheorySurgeryさんが詳しいように思いますが・・・

ペーパー予報士ペーパー予報士 2010/04/21 08:59 >“Hotspot”はCO2温暖化説の根幹に関わる問題なのに、日本ではほとんど取り上げられていませんね。

CO2温暖化説と観測結果が違っている事実を日本でもきちんと報道してもらいたいものです。

>実際の大気で放射平衡が成り立っているわけではないです。
例えば、地表温度の上昇(地球放射増加)が大気温度低下(大気放射減少)に繋がるわけではなく、熱伝導・対流・水の蒸発で逃げた残りの熱が単に放射として出て行くだけで、熱量のトータルで収支を考えるべきだと思います。
地表・大気放射の釣り合いで考えると、“灰色大気モデル”と同様の過ちにはまってしまいます。

仰るとおりですね。“灰色大気モデル”の矛盾を突いていたら、つい「平衡」感覚に陥りそうです。

多方面の観点からのコメントありがとうございました。

nytolanytola 2010/04/22 02:25 某新聞社の方からも言っておられましたが、こういう大きい話になるともはや新聞社の科学部では判断できないのだそうです。
日本でも理系の修士・博士がもっとメディアに進出すべきなんでしょうね。

> つい「平衡」感覚に陥りそうです。

あはは。
教科書でも非現実的なモデルで説明されていることもありますし、モデルの限界を知っておくことは大切ですね。

lolitamarippelolitamarippe 2010/04/25 23:44 Mixiのほうではメッセージどうもありがとうございます。
すごく深くつっこんで研究されているのですね。
非常に関心しました。

地球が寒冷化している証拠は植生学的にもはっきりとわかるものがあります。
日本の本州の亜高山(標高1800m〜2500m)に生えている北方性の針葉樹ですが、
1970年代半ばから1990年代半ばまではどの山地でも立ち枯れが目立ち、林床には幼樹もまばらで、
幼樹は親の木がどんどん枯死するものだから、直射日光が林床に当たり、乾燥と
高温で、ある程度の樹齢で枯れていきました。そのまま放置すると数百年のうちに
亜高山の針葉樹がなくなっていくと予測され、これが温暖化・乾燥化の目に見える
根拠になっていました。
しかし、2000年代になってから、どの山岳地帯の亜高山でも、針葉樹林帯が
青々、活き活きしていき、林床の幼樹も盛んになり、コケ類も以前より豊富に
なりました。毎年季節問わず山に入っていますが、針葉樹林帯の樹勢の回復は
年々増してきています。
また2000年代になってから、山岳地の気候が不安定で夏冬ともに多雨寒冷になってきています。

東京や大阪のような大都会はヒートアイランド現象で、寒冷化をほとんど感じませんが、
気象庁のHPで長野市の過去60年間の日最高気温、最低気温の推移を見ますと、
1950年から1977年は平均気温が低い状態が続き、1978年から1997年までは比較的高く、
特に2000年代より1960年代に迫るように、急に下降の一途を辿っています。

この状況は温暖化とは言えないでしょう。

nytolanytola 2010/04/26 17:41 lolitamarippeさん、こんにちは。

科学的な気温観測が整備される以前の気温は年輪を使って推定されていますが、年輪を信用すると20世紀に地球が温暖化していたというのはかなり疑わしいです。
過去150年間の気温データと年輪を比べると、150〜50年前まで両者の間に密接な関係があったのに、何故か50年前から乖離し始め、特に過去20年間は年輪と気温データが矛盾しているとしか思えません。年輪を信用すれば20世紀に急激な温暖化は起きておらず、近年は寧ろ寒冷化しているわけです。
Climategate以降、観測データの不正操作が次々と発覚していますが、気温データは“補正”で誤魔化せても植生は正直に温度を記録し続けているのかもしれませんね。

> 東京や大阪のような大都会はヒートアイランド現象で…

アメリカでも、ヒートアイランドとCO2による温暖化を混同している市民は多いですが、両者は明確に区別されるべきかと。地球温暖化の証拠として、ヒートアイランドによるものが挙げられることもありますから。

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/04/28 08:17 日本経団連21世紀政策研究所のホームページ
http://www.21ppi.org/
で以下の論文が紹介されました。
独シュピーゲル・オンライン『地球温暖化研究を襲った超大型暴風雨』」
http://www.21ppi.org/pdf/sawa/100427.pdf

ご参考までにお知らせします。

以上

nytolanytola 2010/04/29 01:10 その記事は英語で読みましたが、どなたか翻訳したのですね。
日本でも温暖化を巡る不正が報道されるようになり、日本でも砂上の楼閣が崩れる日は近いように思います。責任の追及が始まるでしょうけれど、どこまで問うのか・・・

現代のニュートンの信奉者現代のニュートンの信奉者 2010/05/15 11:00 2010年4月30日 日本学術会議 公開シンポジウム「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証と今後の科学の課題」の全記録(一部文字起こしができなかった箇所は○○と記述)が以下のURLに掲載されています。
http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_371.html

掲載したフリージャーナリストのTwitterのURLは以下です。
http://twitter.com/iwakamiyasumi

ご参考まで。

nytolanytola 2010/05/15 17:45 ざっとですが目を通しました。
温暖化研究への少なからぬ疑惑が持ち上がり、IPCCが現在の形で存続を続けることは不可能でしょう。
温度差はありますが学術会議の場で現状を確認したということでしょうね。

ただClimategate・IPCC-Gateに関して日本のメディアの方々は反省すべきでしょう。