'12/1/28
シュモー会館移転工事始まる
広島市は27日、米国の平和活動家の故フロイト・シュモー氏が被爆者のために建てたシュモー会館(中区江波二本松)を保存する移転工事を始めた。ところが、老朽化で土台が劣化していたため作業を中断。補強をして近く再開する。
移転は「曳家(ひきや)」と呼ばれる工法で、建物を解体せず基礎から切り離してレールに載せ、約40メートル離れた移転先に移動させる。業者が建物をジャッキアップしたところ、土台の木材の一部が腐っているのが判明した。補強には数日かかるという。
市の石田芳文被爆体験継承担当課長は「広島の復興期を伝える建物であり、慎重に移転したい」と話した。
会館は1951年建設された木造平屋で、シュモー氏が市内3地区に建設した計21棟の中で唯一現存する。
【写真説明】土台が腐っていることが分かり、移転作業が中断したシュモー会館