東京電力は3日、福島第1原発で、汚染水浄化システムのタンクから放射性物質を含む水が漏れたと発表した。漏れた量は1リットル以下だが、地面での表面線量がベータ線で毎時2000ミリシーベルト(2シーベルト)と高く、作業員が最大2.3ミリシーベルトの被ばくをした。海への流出はなく、原子炉への注水にも影響はないとしている。
3日午後0時半ごろ、汚染水から取り除いた塩分を含む濃縮塩水をためる屋外タンク(直径12メートル、高さ11メートル)側面の鋼板の継ぎ目から水がにじんでいるのを、東電社員と協力企業の作業員が発見。漏れていた水の放射能濃度は1立方センチ当たり約27万ベクレルで、タンク下のコンクリート面に漏れた跡と見られるにじみがあり、その表面の線量は毎時2000ミリシーベルトに達した。
継ぎ目のボルトを締め直すと漏れは止まったため、東電は気温の低下で鋼板が縮むなどして継ぎ目のパッキンが緩んだのが原因とみている。1月10日にも同様の水漏れがあったが、百数十基あるタンクの目視点検をしただけで、ボルトの締め直しなどの対策はしていなかった。
経済産業省原子力安全・保安院は3日、速やかに原因を究明し、再発防止策を報告するよう東電に指示した。【岡田英、河内敏康】
毎日新聞 2012年2月3日 23時33分(最終更新 2月4日 0時10分)