未明の出火に出動した消防車は24台。高級高層マンションが立ち並ぶ勝どき一帯が、消防車のけたたましいサイレン音やヤジ馬を規制する消防隊員らの怒号で、騒然たる空気に包まれた。
警視庁月島署によると、火災現場は都営地下鉄大江戸線勝どき駅からすぐ近く。死亡したフリー編集者、川勝正幸さんは1人暮らしだったという。川勝さんの部屋の玄関にはカギがかけられ、寝室のベッド周辺が激しく燃えていたといい、同署は「失火」の可能性が高いとみて、詳しい出火原因を調べている。
川勝さんは福岡市出身。中央大学法学部を卒業後の1980年に広告代理店に入社。ワインのPR誌の編集などを担当し、85年に独立した。
その後は 映画・音楽業界を専門とするフリーの編集者として、「ポップ・カルチャー年鑑」「21世紀のポップ中毒者」「勝新図鑑−絵になる男・勝新太郎のすべて」などサブカルチャーと呼ばれる分野で、数多くの著作を手がけた。
毎週金曜日、深夜の人気番組「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)など、バラエティーにも多く出演。「自称ポップ中毒者」として、培ったウンチクをバラエティー風に披露していた。
この悲報を受け、生前に川勝さんと親交のあった著名人たちが、Twitterに驚きと悲しみのコメントを寄せた。
1月中旬に川勝さんと顔を合わせていたという俳優の佐野史郎(56)は「川勝正幸さんが亡くなられた…。自宅のマンション、失火が原因だそうだ。55歳…やりきれない」と沈痛な胸の内を明かし、タレントの松尾貴史(51)も「悼みます…」と絶句した。
さらにミュージシャンの高橋幸宏(59)も「えーーーーー! 川勝君! そんなのって…」と驚き、いとうせいこう(50)も「言葉が出ない。信じられない。川勝さんが…」と追悼コメントを寄せている。
(紙面から)