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'12/2/3

エル社「工場の売却話ない」


 半導体製造大手、エルピーダメモリ(東京)の坂本幸雄社長は2日、経済産業省や銀行団と3月末までに経営再建策の合意を目指す考えを示した。生産能力の一部を台湾に移す広島工場(東広島市)については「開発拠点であり、どこかに売る話は現在ない」と述べた。

 坂本社長は再建の方向性について「この円高でも利益が取れる構造をつくる」と説明。銀行などとの協議でも「円高でも安定的に利益を出す枠組み」の在り方が最大の課題となっていると明かした。

 同社は4月にかけて多額の社債償還や融資返済に迫られるが、坂本社長は「取引先からの借り入れなどで500億円程度集まりつつあり、3月まで資金繰りは問題ない」と手元資金の積み増しで対応する考えを示した。

 広島工場については「非常に難しい携帯電話のデバイスを作っている拠点」と強調。工場の売却とリースによる資金調達などは「考えていない」とした。同工場での減産は「市場価格が改善するまで続ける」方針。人員の大規模な配置転換を予定している。

 米マイクロン・テクノロジーなど他社との提携の可能性については、明言を避けた。




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