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インフルエンザ流行 さらに拡大も

2月3日 16時39分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

インフルエンザの流行がさらに拡大し、先月29日までの1週間に全国の医療機関を受診した患者は、推計で173万人に上ることが国立感染症研究所の調査で分かりました。流行状況を示す値は、去年のピーク時を上回り、地域によっては過去10年で最悪の状況になっています。

国立感染症研究所が医療機関からの報告を基に推計したところ、先月29日までの1週間にインフルエンザで受診した患者は、前の週よりも62万人増え、全国で173万人に上るとみられることが分かりました。流行状況を示す1つの医療機関当たりの患者の数は35.95人で、去年のピーク時を上回り、今後、さらに増える見通しだということです。都道府県別では、福井県が74.88人、高知県が66.69人、愛知県が60.48人などとなっていて、高知県のほか、岐阜県と大阪府で過去10年で最悪の状況になっています。流行の中心は引き続き14歳以下の子どもですが、60歳以上の患者も11万人に上るとみられ、去年の同じ時期に比べ1.4倍に増加しています。NHKのまとめによりますと、今シーズン、インフルエンザの集団感染で患者が死亡したケースは、茨城県や山梨県など5つの県の、合わせて6か所の病院や老人福祉施設で起きていて、お年寄り8人が死亡しています。今シーズンのように、A香港型のウイルスでインフルエンザが大きな流行になると、ふだんより高齢者の死亡が増える傾向にあることから、十分な注意が必要だということです。

国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「高齢者の場合、インフルエンザが引き金になって、肺炎になったり、持病が悪化したりすることが多く、感染が広がると死亡する人が増えるおそれがある。病院や高齢者施設では、職員や見舞いに訪れる家族からウイルスが持ち込まれるので、症状のある人は施設に立ち入らないなど、感染防止対策を徹底して欲しい」と話しています。