「1073R-1乳酸菌」を使用したヨーグルトの継続摂取による
保育園・幼稚園児・小中学生の、欠席率変動・インフルエンザウイルス感染など健康状態に関する中間報告
(山形県舟形町・佐賀県有田町にて実施)

2011/01/14
(発行:2011/01/13)

 当社は、山形県舟形町、佐賀県有田町の健康増進活動に対する協力の一環として、両町の保育園・幼稚園児、小中学生全員、関係職員の方に1073R-1乳酸菌(以下、R-1乳酸菌)を使用したヨーグルトを、給食時または登校時間中の可能な時間帯に摂取できるように継続的に提供してまいりました。舟形町では昨年6月から、有田町では昨年9月から提供しており、それと並行して、地域での健康状態を公共機関と連携し調査しています。

 現在、佐賀県内の幼稚園・小中学校の学級閉鎖の数は、2010年12月24日までに16件発生、長崎県においても31件発生していますが、今般の「R-1乳酸菌」を使用したヨーグルトを継続的に摂取している佐賀県有田町の園児・小中学生では、学級閉鎖ゼロとなっております。また、山形県舟形町においてもインフルエンザのウイルス感染報告はゼロという結果になりました。

 厚生労働省のまとめによると、2010年第50週(12月13日〜12月19日)で、全国的にインフルエンザ流行シーズンに入ったとされており、当社はこうした状況下、両町においてこのような結果が出たことは、学術的に大変興味深いものと捉えております。

 (本件は、明治乳業株式会社がHuBitgenomix株式会社に委託して実施しています。)

 調査内容の詳細は以下の通りです。

調査対象

・山形県舟形町:町内の全保育園児、小中学生の計544名(6校)
・佐賀県有田町:町内の全保育園・幼稚園児、小中学生の計2468名(16校)

調査方法

 舟形町、有田町の保育園、幼稚園、小学校、中学校に通園、通学する園児・児童・生徒の欠席率変動・ウイルス感染など健康状態に対する調査(聞き取り調査)を公共機関と連携して実施。

・学校に報告があり、欠席が確認できた場合に聞き取り調査を実施
・聞き取り項目
 *欠席理由(風邪、インフルエンザ、罹患状況、通院状況)
 *インフルエンザ、ノロウイルス等は感染症研究所への報告内容
 →上記を取りまとめ、周辺自治体での状況と比較

調査期間

・山形県舟形町:2010年6月から1年間
・佐賀県有田町:2010年9月から1年間

調査結果

山形県舟形町

【ウイルス感染症】

インフルエンザ感染症はゼロ(2010年12月24日現在)

【学級閉鎖の状況】

学級閉鎖はゼロ(2010年12月24日現在)
※学級閉鎖は、一般的に学級における欠席率が20%に達した場合

佐賀県有田町

【ウイルス感染症】

11月に小学校で3人(うち2人は兄弟)、中学校で2人がインフルエンザを発症。集団発症にはなっていない。
2010年12月末時点で、佐賀県はインフルエンザの流行が確認されており、注意喚起が出されている。このような状況において、集団発症調査から推定し、現段階では園児・児童・生徒数あたりの発症数は明らかに低い。

【学級閉鎖の状況】

学級閉鎖はゼロ(2010年12月24日現在)
※学級閉鎖は、一般的に学級における欠席率が20%に達した場合

【佐賀県内の学級閉鎖状況(2010年12月24日現在)】

伊万里市で4件
唐津市で3件
佐賀市で2件
多久市で2件
鹿島市で2件
上峰町で1件
基山町で1件
吉野ヶ里町で1件
(合計で16件)
※有田町は伊万里市に隣接。なお、有田町が隣接する長崎県では、長崎市、諫早市、松浦市、平戸市、壱岐市でいずれも学級閉鎖が確認されている。

※厚生労働省のまとめによると、2010年第50週(12月13日〜12月19日)で、都道府県別のインフルエンザの定点あたりの報告数は、多い順で、佐賀県(8.26)、長崎県(7.36)、北海道(5.87)、大分県(2.55)、宮城県(2.52)、埼玉県(2.44)、山梨県(2.33)、福井県(2.06)となっている。
定点あたりの報告数とは、定点医療機関からの報告数を定点数で割った値のことで、インフルエンザ流行開始の目安は1.00。

参考情報

 今回継続摂取しているヨーグルトに含まれるR-1乳酸菌(1073R-1乳酸菌)は、ブルガリア菌の一種です。当社が保有するブルガリア菌の中でも、「EPS(多糖体)」を多く産生する特性があります。マウスを使用した動物実験ではR-1乳酸菌の産生するEPSが、ヒト試験においてはこの乳酸菌を使ったヨーグルトが、免疫機能の重要な部分を担うNK細胞※を活性化する効果(免疫機能賦活効果)のあることが複数の機関の共同研究において実証されています。さらにインフルエンザウイルス(A型H1N1亜型)の抑制に効果があることが、マウスを使用した動物実験で確認されています。

※NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、リンパ球に含まれる免疫細胞で、ウイルスに感染した細胞やガン細胞を見つけ攻撃して破壊する働きをもっています。NK細胞の活性が衰えると感染症にかかりやすくなります。

 当社では、2005年から2007年にかけて両町で60歳以上の方を対象にした「R-1乳酸菌」を使用したヨーグルトの長期摂取の効果について同様の調査をおこないました。その結果、「風邪をひきにくくなった」など風邪症候群の罹患リスク低減効果を確認しております。この結果につきましては、学術誌に論文として掲載されました(British Journal of Nutrition <2010>, 104, 998-1006)

 今般の園児・小中学生を対象とした調査は、両町の健康増進活動への当社の協力に対して情報開示されたものを集計しました。前回の60歳以上の方の調査結果とも併せて、詳しく分析を進め、学会発表を行う予定です。