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ついに橋下まで…「龍馬」を語る男がウサン臭い理由- ゲンダイネット(2012年2月3日10時00分)

  タレント弁護士崩れの男が、すっかり幕末の志士気取りだ。大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長が、「維新の会の船中八策を作る」と宣言した。船中八策は、大政奉還など、坂本龍馬が起草したとされる新国家方針だ。国政進出に向けた新たな政策づくりを龍馬の偉業になぞらえるとは、時代がかっている。橋下に限らず、龍馬を持ち出す政治家や財界人ほど、ウサン臭く見えるのは気のせいか。

 「二枚舌」の野田首相も「龍馬ラブ」を公言し、菅前首相も国会で龍馬を持ち出して「第三の開国」などと訴えていた。財界では、ソフトバンクの孫正義社長が大の龍馬ファンで知られている。

 「司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』のファンも多い。故・小渕恵三元首相やダイエーの故・中内功元会長などが有名です。政財界で『尊敬する人物』を聞くと、必ず龍馬の名前が上位にランクされます」(月刊誌編集者)

  かつて評論家の佐高信氏は、龍馬ファンの政治家や財界人について、「自らが何者かであると錯覚している」と喝破していたが、果たしてその通りなのか。それとも龍馬への単なる憧憬にすぎないのか。明大講師の関修氏(心理学)はこう分析する。

 「坂本龍馬は志半ばで倒れた。つまり、まっとうなことは掲げたが、実践に移すことはできなかった。掲げた構想を実践するにはマイナス面も伴うのが、本来の政治家の姿です。仮に龍馬が生き永らえていれば、後世の評価も変わったでしょう。『結果』がなく、後世に伝えられているのは『志』の部分だけ。だから、龍馬は改革者のイメージが強い。いわゆる“改革派”を気取りたい人にとっては都合のいい理想像なのです」

  龍馬も勝手に慕われて迷惑しているに違いない。

 (日刊ゲンダイ2012年1月31日掲載)

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