医者から見たJR事故無罪
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JR福知山線脱線事故 前社長の無罪確定
２００５年４月に乗客１０６人が死亡したＪＲ福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたＪＲ西日本の山崎正夫・前社長（６８）に対する神戸地裁の無罪判決（１１日）について、神戸地検は控訴期限の２５日、控訴を断念したと発表した。無罪判決が確定した。
検察側は公判で、１９９６年１２月に現場カーブが半径６００メートルから半径３０４メートルに付け替えられた時点で、安全対策の実質的な責任者だった前社長が危険性を認識すべきだったなどと主張。判決は、同様のカーブが多数存在し、現場の危険性を認識していたとは言えないなどと指摘、検察側の主張を退けた。
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今回はJR西日本の事故に関する裁判例です
これは刑事事件ですが、責任のあるなしについて考えてみたいと思います。
過失が有ったかどうかが争われていますから
予見できたかどうか
これが問題ですね・・・
事故は危険性を認識していてなお対策をとっていなかったのかどうか
ここが問題ですね・・・
「判決は、同様のカーブが多数存在し、現場の危険性を認識していたとは言えないなどと指摘、検察側の主張を退けた。」
同様のカーブが多数存在していたので、
この事故が起きたカーブが特に危険だとの認識を
持つのは無理だとの判決ですね・・・
では、医療に置き換えてみるとどうでしょうか・・・
アナフィラキシーショックって有りますね・・・
これは起きる前に予想するのは殆ど不可能です・・・
アレルギー歴を聞きますがそれ以上の情報が有っても
だからって予想できるというものではありません・・・
さて、ある患者さんに薬を投与しました
早速アナフィラキシーショックを起こして残念ながら
死んでしまいました・・・
しかし、裁判ではどう判断されるのか・・・
薬でショックが起きることは予想可能である
薬を投与すればショックが起きる可能性があるのは
知識として知っていたでしょ・・・
ってことです・・・
従って問診や当日の診察が不十分であったに違いない・・・
いや、不十分だ・・・
だから医者に責任がある・・・
こういう判断をされています・・・
これを今回の事に当てはめると
カーブで事故が起きることは当然予想できたことだ・・・
だから、カーブで安全域まで自動的に減速する機械を
付けないで運航していた会社に責任がある・・・
こうならないと不公平ですよね・・・
多くの人が死んだこの事故ですが
しかし、今回の判決は妥当だと思います・・・
このカーブで事故が起きることが予想できたとは
思えません・・・
我々でいえば、この患者さんがショックを起こすことは
予想できなかった・・・
どうしてこの患者さんに起きると予想できるのか・・・
誰も責任を取らないのかといわれましても
運転手は死んでるんですよ・・・
勿論それで済むという意味では有りませんが
これで社長が犯罪者として断罪されなければならないのは
余りにも不公平だと思います・・・
社会全体として公平さを欠くと考えます・・・
ホームから落ちる人は年間相当数いますね・・・
これで死ぬ人は会社が対応さえすれば多くは防げるはずです
しかし、実際はこの対策をやらずに死んでいます・・・
人がやることには限界が有ります・・・
危険を回避するには金も時間もかかるんです・・・
何時でも全部完璧に対応するなんて不可能だし
そんな社会は存在しません・・・
過失を裁くのは多くの人の感情と合致しない部分が有るかも
知れませんが
今回の件は、悲惨な事故ではありますが、社長に刑事罰を
受けさせるだけの理由はないように思います・・・
皆さんの考えは如何でしょうかね・・・ |