【社会】JASRAC“無罪” 公取委、異例の判断2012年2月3日 02時07分 公正取引委員会は、テレビやラジオで使われる音楽の著作権管理事業をめぐり独禁法違反(私的独占)に問われた日本音楽著作権協会(JASRAC)について、違反の証拠がなかったとして“無罪”の審決を出すことを決めた。2日通知した。 JASRACの料金徴収の仕組みが新規事業者参入を妨げたと認定した排除措置命令を、「取り消す」としている。 公取委が一度、違反を認定した事件で、全面無罪の判断を出すのは異例。JASRACが命令を不服として裁判の一審に当たる審判で争っていた。審決は裁判の判決に当たり、JASRACに不服がなければ確定する。 JASRACは管理曲が700万件を超える日本最大の音楽著作権管理事業者。NHKや民放テレビ、ラジオとの間で、使用実績に関係なく一定額を徴収する「包括的利用許諾契約」を締結している。契約により、放送局はJASRACの管理曲が使い放題となる。 2006年にイーライセンス(東京)が新規参入したが、公取委は、こうした仕組みによって放送局が料金の追加負担を敬遠し、イーライセンスの曲使用を控えたなどと認定。曲の使用実績に応じた徴収法に改めるようJASRACに求め09年、排除措置を命じた。 JASRAC側は審判で、独自の集計でイーライセンスの曲も遜色なく使用されていたとのデータを提示。公取委の調査を受けた放送局関係者も参考人として出廷し「(供述調書で)公取委のストーリーに合致しない部分は取り上げてもらえなかった」と証言していた。 関係者によると、公取委もこれらのデータや証言を重視して命令当時の事実認定を変更。イーライセンスの曲も同等に使われていたと認めて「他の事業者の活動を排除する行為ではなく、独禁法違反には当たらない」と結論づけた。 (共同) PR情報
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