ＪＴ史上最高値１０００円たばこ発売

　日本たばこ産業（ＪＴ）は１日から、１箱（２０本）１０００円の高級たばこ「Ｔｈｅ　Ｐｅａｃｅ（ザ・ピース）」を全国で順次発売開始した。ＪＴ史上最高値のプレミアムたばこ。厚労省調査で、成人喫煙率が過去最低となる“逆風”の中、あえて他のたばこの倍以上、１本５０円もするたばこを発売した理由とは―。

　ＪＴが発売する２０本入り紙巻きたばこでは、最高値の「ザ・ピース」。同社ＩＲ広報部によると、「すべてにおいて、できることを最大限つぎ込んで、作りました」という自信作だ。

　香りがよいとされる「バージニア葉」を１００％使い、詳細は「企業秘密」だが、葉を瞬間加熱して雑味を取り除く、「新トリミング製法」で仕上げたとのこと。自販機には置かず、全国３５００の対面式店舗のみで販売。「最高傑作ができました」と、同社担当者は胸を張る。

　厚労省調査で、成人の喫煙率（２０１０年）は、１９・５％と過去最低を記録。２０１０年１０月の大幅値上げもあり、たばこ離れが進む中、なぜ“お高い”たばこを出したのか。担当者は「値上がりや喫煙場所が限られてきたことで、お客様が一本一本に求める付加価値が上がっている。たばこの良さをもう一度、味わっていただくために、できることは何かと考えた結果です」と説明。どうせ一本吸うなら、よりおいしいものを吸ってほしい、というところか。

　ちなみに、「１箱１０００円時代に向けたマーケティングの一環ではないか」という見方もあるが、同社は「そんなことはありません」と否定した。１箱１０００円、果たして、どれほど売れるのだろうか。