パレスチナ暫定自治区のガザ地区を訪れている国連のパン・ギムン事務総長の車列に、靴などが投げつけられる騒ぎがあり、中東和平がこう着するなか、国連が事態を打開できないことへの住民のいらだちの表れと受け止められています。
中東を訪れているパン・ギムン事務総長は、イスラエルのネタニヤフ首相やパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長などと相次いで会談したのに続いて、2日、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を訪れました。ところが、パン事務総長の車列がイスラエル側からガザ地区側に入ったところで、待ち構えていたガザ地区の住民が車列に向けて一斉に靴などを投げつけました。車両には靴などが軽く当たった程度で、けが人は出ませんでした。イスラエルの占領下に置かれたパレスチナでは、人道支援や教育事業に当たる国連は、通常、住民から歓迎される存在ですが、中東和平がこう着するなか、国連が事態を打開できないことへのいらだちも強まっているものとみられています。今回の騒動について、パン事務総長に同行している国連の幹部は「ガザ地区の住民は基本的な権利を制限されており、不満を募らせている」、「国連による支援が不十分だという、抗議の意思の表われと受け止めている」と話していました。