'12/2/1
「キャスパ」閉店 36年に幕
福山市のJR福山駅南口の商業ビル「キャスパ」が31日、閉店した。前身から36年にわたり市中心部のにぎわいを支えてきた中核施設の一つで、今後の活用策は決まっていない。中核市の玄関口の空洞化を懸念する声も上がっている。
この日は、思い出の地に駆け付け、懐かしむ買い物客の姿も目立った。午後8時には警備員が「閉店セール」の知らせを張り出したドアの鍵を閉めた。
キャスパは地上8階地下1階建て。1976年開業の福山駅前共同ビルをリニューアルし、87年に開業。90年代には、服飾店を中心にテナントは約120店に上ったが、閉店を発表した昨年夏には約40店に減っていた。
運営会社のキャスパは閉店の理由を「市内で出店が相次ぐ郊外型店舗の台頭で集客が厳しくなった」と説明。リーマン・ショック以降の消費低迷も集客に響いたという。
市は昨年10月、福山商工会議所、市立大と駅前の機能などを探る検討委員会を設け、本年度中に活性化の基本方針を決める。
【写真説明】31日で閉店した福山駅南口のキャスパ