貴親方がスーパー営業マンに！チケット手売りも覚悟

　貴親方がスーパー営業マンになる。日本相撲協会は１日、両国国技館で新メンバーによる理事会を開き、協会トップに復帰した北の湖理事長（５８）＝元横綱＝のもと職務分担を決め、新体制が発進した。貴乃花親方（３９）＝元横綱＝は春場所部長となり、八百長問題で２年ぶりに開催される春場所（３月１１日初日、大阪府立体育会館）の責任者となった。大阪市の橋下徹市長（４２）との“共闘”も視野に、政財界へ支援を直談判する覚悟を示した。協会ナンバー２の事業部長には、九重親方（５６）＝元横綱千代の富士＝が就任した。

　不祥事のため２年ぶりの開催となった大阪場所。ファン離れが心配される中、春場所を担当する貴乃花親方は「職責は重い。（満員は）１５日間を目指したい。無理だと思われることを可能にしたい」と抱負を口にした。初場所の国技館でも不入りが目立った。それでも、その口調は本気だった。

　身を粉にする。「異業種の方に興味を持っていただきたい。謙虚な姿勢であいさつ回りをする。お会いしたことがない方にも興味を持っていただき、満員に近づけたい」。政財界の有力者に積極的に“営業”を行うつもりだ。チケットの手売りには「失礼にあたるのでは」としながらも「それぐらいの気持ちが大事」と覚悟を示した。

　飛ぶ鳥を落とす勢いの橋下市長に対しては「お会いすることがあれば、お力添えをお願いしたい」と“共闘”を訴えた。場所前に対面が実現すれば、大きな話題を呼ぶことは間違いない。

　就任会見では「２月５日からは電話の先行販売が始まります」と、しっかりＰＲ。春場所の見どころを「稀勢の里ら日本人力士の活躍。把瑠都の綱とり。話題性はある」と解説し、地元のテレビ番組出演にも意欲を示した。同担当の前任者、北の湖理事長の「お客さんを大事にすることが大切。重責だが強い意志がある」という期待に応える積極さだ。

　大阪には思い出がある。１９９１年、東前頭１３枚目の貴花田（当時）は初日から１１連勝。大きな注目を集め、大横綱への足掛かりをつくった。「若かりしころ話題にしていただいた。その経験を少しでも生かしたい」。再び「貴」の熱が大阪を席巻すれば、不可能が可能になるかもしれない。

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