インタビュー:伊方原発再稼働は「白紙」、安全を徹底追求=愛媛県知事
[東京 2日 ロイター] 中村時広・愛媛県知事は2日、ロイターとのインタビューで、四国電力(9507.T: 株価, ニュース, レポート)の伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)3号機の再稼働問題について、国から要請や説明がないことから「白紙の状態から一歩も踏み出していない」と述べた。
ただ、原発が停止したままで迎える今夏の電力需給に対しては懸念を表明。脱原発は理想だが、現時点で自然エネルギーによる代替は不可能なため、「安全というものを徹底的に追求しながら、原子力に向き合っていくのが、日本の取るべき現実的な選択」との考えを表明した。
<伊方原発3号機の再稼働、国に動きなく白紙>
中村知事は、伊方原発3号機の再稼働について「3月11日の震災以降一貫して言っているが、再稼働に向けては、3つの視点を明確に持ちながら対応する。3つを総合的に判断して、知事としての最終的な結論を出す」と述べた。1)国策としてエネルギー政策、国の政策を司る国の方針、2)電力事業者である四国電力の姿勢、3)この2つを受けた県民の意見──という3項目を挙げた。
ただ、現時点では、国からは何の要請も説明もないことから、「国の方針はさっぱり分からない。3つの要素のうち、1つは全く動いていない。今の時点で再稼働問題を問われても、白紙の状態から一歩も踏み出していない」と述べた。
原発の再稼働について「今の状態ならば、いずれせざるを得ないと思う」としながらも、3つのステップを踏むことは「絶対条件だ」とした。
国には「最終的な責任をしっかり負ってもらわなければならない。少なくとも経産相は来県し、オープンな場で私と議論して欲しい。最後の詰めとしては、歴史に責任を持ってもらうために、4大臣連名で、文書で意思を示して欲しい」と求めた。
伊方原発は現在、定期検査で全3基が稼働を停止している。3号機については、運転再開の前提となるストレステスト(耐性評価)の1次評価の審査を国が継続しており、審査終了の時期や再稼働のメドは立っていない。 続く...